日本にスタートアップの活力を!5年ぶりのSCRUM CONNECT開催[SCRUM CONNECT 2023 Report Vol.1]

March 3, 2023 イベントレポート

世界のスタートアップの活力を日本に!

2023年2月8日に開催した SCRUM CONNECT 2023 たくさんの皆さまにご来場&オンライン視聴いただきました。会場は370名超、オンラインは330名超ということで、総勢700名を超える方にご参加いただきました。ありがとうございました。

当日は、宮田のKeynoteに続き、スタートアップ4社のCEOによるFIRESIDE CHAT、来日した4社のSTARTUP PITCH、そして日本企業による2つのPANEL DISCUSSIONを行いました。またセッション会場横のホワイエにて16社がデモブースを出展しました。

実際に、みなさんにお会いできるカタチでSCRUM CONNECTを開催するのは2018年以来、5年ぶりです。しばらくみなさんに直接お会いする機会が持てなかったのは残念でしたが、5年ぶりのSCRUM CONNECTは、その間のScrum Ventures、Scrum Studioの進化をお見せできる機会になったのではないかと思います。

Scrum Ventures、これまでの10年とこれからの10年

Scrum Venturesは2023年2月5日に10周年を迎えました。オープニングは、10年間の活動を振り返るビデオを上映、そして今回はScrum Ventures創業者兼ジェネラル・パートナーの宮田拓弥のKeynoteからスタートしました。

10年と少し前の2012年頃、宮田はAirbnbやDropboxを産んだYCombinatorというシリコンバレーのインキュベーターのデモデーに参加しました。そこでは、ベンチャー企業の起業家、VC、エンジェル、研究者などが集まって、カジュアルにディスカッションしながら投資を決めたり、コラボレーションを考えたりしていました。

『スタートアップのもたらすこの活力を日本に持ち込みたい!』それが、宮田がScrum Venturesを立ち上げた理由です。

以来10年で、AUM(運用資産残高)230億円、投資先110社、投資先時価総額合計2兆540億円、投資先総資産調達額2860億円、IPO 2社、投資先によって生み出された仕事8336 JOBS、M&A 20社、パートナー企業数100社超、メンター数200人超……という成果を上げることができました。

宮田拓弥が予想する、この10年に注目すべき技術

Keynoteでは、この10年テクノロジーの進化を見つめてきた宮田が、これからの10年で、どんなテクノロジーに注目しておくべきかをお話ししました。テーマは通信、デバイス、ソフトウエア、医療、小売り、スポーツ、脱炭素、宇宙の8つ。で、宮田が挙げた注目すべきテクノロジーは以下の通り。

  1. 通信――6G通信、超高速、低遅延、多接続、カバレッジ、レインテック
  2. デバイス/IoT――スマートファブリック、非侵襲血糖モニター、ナノマシン、XRグラス、エアモビリティ、パーソナルロボット、XRモニター
  3. ソフトウエア/AI――AGI(汎用人工知能)、AI映画、AI兵器、診断AI、自動運転、量子コンピュータ
  4. 医療/ヘルスケア――再生医療、遠隔手術、ウェルビーイング、AlphaFold(タンパク質の構造予測をするAI)、ゲノム編集、アンチエイジングワクチン
  5. 小売り(Retail)――EC冷蔵庫、パーソナライズコマース、インバウンドサブスク、メタバース店舗、スマートコントラクト、メルカリ2.0
  6. スポーツ/エンタメ――デジタル劇場、サスケ2.0的、バーチャルアイドル、スポーツメタバース、超人スポーツ、センサーベッティング
  7. 脱炭素――CCUS(大気中のCO2を固定する仕組み)、再生可能エネルギー、代替タンパク、マイクログリッド、マイクロモビリティ、サーキュラーエコノミー
  8. 宇宙――アルテミス計画、宇宙旅行、宇宙ゴミ、火星移住、宇宙通信、宇宙ビッグデータ

宮田は、2033年までの10年間に、これら8つのカテゴリーに分けられるテクノロジーが、メタバース、グリーンバース、マルチバースという3つのユニバースにおいて展開していくだろうと考えています。

参考記事: 2023年も厳しい冬は続く、次のフロンティアは3つの「バース」[Forbes Japan]

政府が1000億円のSBIRを計画

来賓としてご挨拶してくださったのは、内閣府の鈴木英敬大臣政務官。

政府としてもスタートアップ施策は非常に重要だと考えており、『グローバル』『イノベーション』という軸を中心に考えていきたいとのこと。もちろん、Scrum Venturesグループの取り組みは非常に参考になるし、今後とも支援していきたいとのことです。

とりわけ、政府の取り組みとして今後5年間で1000億円のSBIRを考えているとのこと。SBIRとは、Small Business Innovation Researchの略で、政府がベンチャー企業の顧客となることで、ベンチャー企業の事業化を推進する施策。つまり、今後5年間は日本でもベンチャーへの政府の支出が大きくなるということで、非常に力強い施策です。さまざまな後押しが期待できます。

『考えただけで操作できる』驚異のブレインテック

続いて最初のFIRESIDE CHATに登壇したのは、MindPortalの共同創業者兼CEOのEkram Alam氏と、同CTOのJack Baber氏。お二人が研究されているのは、脳波を外部から読みとって、その信号によってデバイスを操作する装置。お話のテーマは『脳が直接操作する、ブレインインターフェースが変える世界』。モデレーターはScrum Studioの大嶋紗季です。

イーロン・マスクが実用化を目指しているニューラリンクは、外科的手術を行って、端子を脳に埋め込まなければなりませんが、MindPortalは非侵襲型。つまり、頭の外部から脳波を感知してデバイスを操作できるのです。

プレゼンテーションでは、VR空間でMindPortalを使っている様子が映像で紹介され、Ekram Alam氏とJack Baber氏が、その技術について語りました。また、MindPortalの技術は、会場に設けられた体験ブースで実際に体験することができました。体験できた人の数は限られていましたが、実際に体験した人は『考えただけで操作できる』ということに、一様に驚かれていました。

>> 次のレポートに続く
 
SCRUM CONNECT 2023 Report

 

ブログの更新情報をメールでお届けしています。

米国の注目スタートアップ情報 テックトレンド スクラムベンチャーズの投資先インタビュー
などをブログで発信しています。合わせてメールでもお届けしていますので、お気軽にご登録ください。

ニュースレター登録

でも情報発信しています。

関連ポスト