今週の注目5社:AIロボットアーム / ドローンバッテリー交換 / AIプロ動画生成 / AI臨床診断 / AI動画編集
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「AIロボットアーム」Standard Bots
カテゴリ:HW/ロボット
ラウンド:Series B ($63M)
主な投資家:General Catalyst, 468 Capital, Amazon Industrial Innovation Fund, BoxGroup, Lachy Groom, Lightscape Partners, Quiet Capital, Samsung NEXT
AIを活用したロボットアームの開発。
「RO1」と呼ばれるロボットアームは約1.3mのリーチを持ち、最大18kgの物体を持ち上げることができる。作業員が「RO1」に内蔵された3Dカメラの前で特定のタスク(部品の溶接など)をデモンストレーションするだけで、従来の複雑なコーディングなしでもワークフローを自動的に学習してくれる。価格は37,000ドルと他社製品に比べて安価な上、ポータブル式で工場のコンクリート床への埋め込み作業を必要としないため設置コストも削減できる。
2011年創業、本社はニューヨーク州グレンコーブ。General Catalyst等から今回調達した$63Mは、新製品の開発に活用する予定。
2.「ドローンバッテリー交換」Hextronics
カテゴリ:HW/ドローン
ラウンド:Seed VC ($2M)
主な投資家:Founders Fund
ドローンのバッテリーを自動で交換するソリューション。
自律飛行するドローンのバッテリーを自動で交換し、再び飛行できるようにセットアップする専用ステーションを開発するスタートアップ。ポータブルで持ち運びが可能なステーションには最大8個のバッテリーを収容でき、6分以内にバッテリーを自動で交換できるという。農業やインフラの設備点検、災害時や事件などの緊急対応の現場ですでに利用されている。
2020年創業、本社はフロリダ州マイアミ。Founders Fund等から今回調達した$2Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
3.「AIプロ動画生成」Odyssey
カテゴリ:SaaS/動画
ラウンド:Seed VC ($9M)
主な投資家:Air Street Capital, DCVC, Google Ventures
AIを活用したプロ仕様の動画生成ツール。
プロの映画製作者やアニメーター向けに「ハリウッド級」の動画を生成するAIツールを開発するスタートアップ。現在構築中のプラットフォームは、ユーザーがカスタマイズおよび編集することで、美しい風景やキャラクター、照明、モーションなどをこれまでのツールよりも細かく正確に制御できるという。今回の資金調達によりステルスモードから脱却。自動運転車の開発に従事していた幹部が創業したことでも注目されている。
2023年創業、本社はサンフランシスコ。GV等から今回調達した$9Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
4.「AI臨床診断」Regard
カテゴリ:SaaS/ヘルスケア
ラウンド:Series B ($61M)
主な投資家:Oak HC/FT Partners, Calibrate Ventures, Cedars-Sinai Health Ventures, Techstars, TenOneTen Ventures
AIを活用した臨床診断プラットフォーム。
AIを活用してEHR(電子医療記録)内の何千もの患者のデータを分析し、臨床診断の精度を向上させるプラットフォームを開発するヘルステックスタートアップ。医師の業務効率を改善するだけでなく、燃え尽き症候群の軽減や見逃されていた新たな病気の発見により収益の増加にも寄与するという。今回の資金調達によるバリュエーションは3億5000万ドル。
2016年創業、本社はロサンゼルス。Oak HC/FT Partners等から今回調達した$61Mは、製品開発の加速に活用する予定。
5.「AI動画編集」Captions
カテゴリ:SaaS/動画
ラウンド:Series C ($60M)
主な投資家:Index Ventures, Adobe Ventures, Andreessen Horowitz, HubSpot Ventures, Jared Leto, Kleiner Perkins Caufield & Byers, Sequoia Capital
AIを活用した動画編集プラットフォーム。
クリエイターが直接カメラに向かって話すトーキングビデオの編集に特化したプラットフォーム。ワンクリックで字幕を自動的に生成したり、動画を数秒で28以上の言語に翻訳することが可能。また、自動的にカメラ目線に調整する機能をはじめ、動画制作を効率化する様々な機能を提供する。これまでに1000万人以上のクリエイターに利用され、月間のアクティブユーザーは10万人以上にのぼるという。今回の資金調達によるバリュエーションは5億ドル。
2021年創業、本社はニューヨーク。Index Ventures等から今回調達した$60Mは、研究開発費用に活用する予定。