新年明けましておめでとうございます。

January 4, 2021 by Tak Miyata

新年明けましておめでとうございます。

2021年が始まりました。一年前は、自国開催のラグビーW杯の興奮冷めやらぬ中、いよいよ東京にオリンピックがやってくると言う高揚感にあふれていたことを記憶しています。

それから一年で、世界がこれほどまでに変わってしまうとは全く予想していませんでした。

東京オフィスは春先に一ヶ月半の非常事態宣言を経験しましたが、サンフランシスコオフィスは三月から今に至るまでほぼずっとロックダウンという状況です。

大変厳しい状況ながらも、Scrum Venturesは、投資活動、新しいスタジオの立ち上げ、オンラインサービスの立ち上げとアクティブな一年を過ごしました。

新しい年のスタートにあたり、昨年一年間の活動を振り返っておきたいと思います。

投資事業

多くの投資先も、コロナの影響を受けました。ビジネスそのもの、組織運営、資金調達などその影響も様々です。

まずポジティブな影響を受けたのは、「アメリカ人が一気にオンラインで車を買い始めた」ことで流通量が劇的に増加したProdigyや、「ライブを開催できない大物アーティストが一気にストリーミングを始めた」ことで利用が劇的に拡大したMaestro、「ソーシャルディスタンスを保つために無人店舗ニーズが増大した」ことでスタジアムなどで導入が一気に増えたZippin、などです。

基本的には、ニューノーマルは様々な経済活動のさらなるオンライン化を加速させることになったので、デジタル系の事業を運営するスタートアップにとっては追い風でした。

一方でネガティブな影響を受けた投資先もあります。一番劇的だったのが、LeTote。2013年のSeedでの出資からファッションのレンタルで急成長して、2019年には老舗の百貨店を買収しOMO戦略を突き進めていました。その直後にコロナがやってきて全店舗を閉鎖せざるを得ず、結果Chapter11となってしまいました。彼らにとっては大きな攻めの決断をした直後だっただけに本当に不運でした。

こんな状況下ですが、嬉しい投資先のEXITもありました。

コロナが広がってすぐにPCR検査用のSwab(上の写真)の印刷に乗り出した3DプリンタのOriginは、同業最大手のStratasysに$100Mで買収、そして、クレジットカードデータ分析のSecondMeasureは、Bloombergにより買収されました。

いずれもシリコンバレーで、創業直後のSeedラウンドで出資した会社なので、本当に嬉しいです。

面談やイベントが全てにオンラインになるという状況でしたが、米国と日本合わせて新規投資8件実行しました。

米国では、バッテリー技術の TeraWatt Technology、eSportsコーチングのLegionFarm、医療機器VRトレーニングのOsso VR、オンライン会議のmmhmm、ステルスの5件、日本では、スマートロックのPhotosynth、病院の訪問管理の HCMJ、カレーD2CのFoodCode、3件に投資しました。

シリコンバレーの最初のロックダウンが始まった時に、急遽Yコンビネーターのデモデーが全面オンラインに切り替わったときはどうなることかと思いましたが、慣れてみれば、移動の時間を分析や創業者との面談に使うことができるようになり、投資活動のニューノーマルもできつつあるなと感じています。

年末に日経産業新聞の連載で「21年の5つの注目点」という記事を書きました。社会が大きく変わる今のタイミングは、起業家に取って大きなチャンスだと思います。世界で勝負をしたい日本の起業家の皆さんも資金調達の際はぜひご連絡ください。

スタジオ事業

ここ数年力を入れているスタジオ事業(世界のスタートアップと大企業のオープンイノベーション支援事業)とっても大きな変化の年でした。

「コロナで社会が大きく変わる」ということで、ニューノーマル時代を意識した二つの新しいスタジオプロジェクトを立ち上げました。

一つ目が「スマートシティ」のプログラムです。

SmartCityXは、モビリティ、住宅、金融、通信などの大手企業のパートナーの企業の方々と一緒に「ニューノーマル時代のスマートシティ」をテーマに、コロナで大きく変わる我々の暮らしを支えるような技術、サービスを持った世界中のスタートアップと事業を共創するプログラムです(発表会の動画 / リリース)。

二つ目は、「フードテック」のプログラムです。

Food Tech Studio Bitesは、食品関連の事業を展開するパートナーの企業の方々と一緒に、新素材、IoT、パーソナライゼーションなどテクノロジーを活用した新しい食分野の価値を共創していくプログラムです(リリース)。

従来のようにリアルなイベントやマッチングなどの開催が難しいという状況ではありますが、世界中から有望なスタートアップが多数集まってきている状況です。

こうした状況だからこそ生み出せる新しい価値を作り出していきたいと思っています。

オンライン事業

昨年もう一つ新たな挑戦としてスタートしたのがオンラインサービス、Scrum Connect Onlineです。

投資活動、スタジオ活動を通して、シリコンバレーのスタートアップから「日本市場参入のパートナーを紹介して欲しい」、日本の大企業からも「シリコンバレーのスタートアップを紹介して欲しい」という要望を多数もらうようになりました。

そこで、これをつなげられるプラットフォームを作ろう!ということで開発したのがScrum Connect Onlineです。シリコンバレーの様々なニュースやスタートアップ情報を収集、ディスカッション、そして実際にスタートアップと繋がれるプラットフォームとなっています。

5月にリリースをして、大手の金融機関、政府機関、製薬、通信、など様々な方々にご活用いただいています。今年も様々な機能を追加していく予定ですのでご興味ある方は、ぜひご連絡ください。

イベント / 講演

イベントも昨年大きく変わったことの一つです。ほぼ全てがオンラインになりました。数百人が参加する講演で、参加者の顔が全く見えないというのはなかなか難しいですが、ウェビナーというフォーマットも新しいスタンダードになりそうですね。

上の絵は、今年の講演でよく使った「場の概念」が変わったというスライドです。

ウィズコロナとポストコロナである程度は分けて考える必要はあると思うのですが、家、オフィス、お店という我々の生活の中心をなすキーデバイスのあり方、使われ方が大きく変わったのがニューノーマルのベースです。この周辺の変化には大きなビジネスチャンスがあります。

以下は、弊社のメンバーが登壇した、昨年のイベント、講演の一覧です。

Tackle!

6年前から開催している「シリコンバレーの動向を一時間で知る」勉強会 Tackle!ですが、こちらもオンラインをメインとし計6回実施しました。オンラインで一回あたりの人数制限がなくなったこともあり、のべの参加人数は、3,300人を越えました。

2021年もニューノーマルなフォーマットを模索しながら開催を続けていきますので、ぜひご参加ください。

寄稿 / インタビュー

昨年も引き続き様々な媒体で寄稿をさせていただきました。弊社がデータ提供をしている日経新聞さんの連載「Early Stage」も好評です。

 

年初の期待が大きかっただけに、やはり振り返ると厳しい一年間でした。

しかしながら「ピンチはチャンス」、ニューノーマルを形作る新しい製品、サービスを世界中の起業家たちと一緒に生み出していきたいと思います。

2021年も一年間、Scrum Venturesグループをよろしくお願いします。

皆様も、ご健康に気をつけて、良い一年をお過ごしください。

2021年元旦
スクラムベンチャーズ
ジェネラルパートナー
宮田拓弥

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