移動リワードプログラム「Miles」創業者インタビュー: Jigar Shah

December 22, 2020 by Scrum Staff
TAG:

このコンテンツはスクラムベンチャーズの米国投資チームの Ryan Mendoza によるMedium Founder Spotlight: Miles を翻訳したものです。

今回のスタートアップ創業者インタビューでは、サンフランシスコ・ベイエリアを拠点とするMilesのJigar Shah氏に話を聞きました。Milesは航空会社のマイレージプログラムのような移動に応じたリワードポイントを、飛行機だけでなく、徒歩、バス、電車など全ての移動に対して付与するサービスです。ユーザーは旅行や通勤など、日常的な移動で自動的にポイントを貯めることができます。

移動手段によってポイント数が異なり、Milesはユーザーにとってより健康で、より環境にやさしい移動手段の選択を促します。貯めたポイントは、コーヒーショップやデリバリーサービス(Garmin、 Chewy.com、 Postmates、Peet’sなど)で使うことができます。

またMilesは、ユーザーへのサービスだけでなく、サクラメントやサンフランシスコ・ベイエリア、シアトルの公共交通機関に対して、事業の提案やプロモーションに利用できるデータを提供しています。

スクラムベンチャーズは、Milesが今後、交通、環境、ブランドマーケティング、健康など様々な領域のビジネスに影響を及ぼす可能性があると確信し、2018年のシードラウンドで投資を行いました。

Q. Milesについて教えてください、Milesのミッションは?

Milesのミッションは交通手段を問わず、移動した距離1マイルごとに価値を与えることです。あるデータによると消費者は年間25兆マイルの移動を行っているそうです。経済学者の研究によると、一般的な消費者は地上の交通手段に年間$18Trillionを費やしています。こういった状況にも関わらず、誰もこの移動に対して価値を与えていませんでした。移動に価値を与えることをミッションとし、Milesを創業しました。

Q. 経歴について教えてください、Miles創業以前のキャリアは?

USCでコンピュータサイエンスの修士号を取得した後、Cisco Systemsにソフトウェア・エンジニアとして就職しました。働き始めて4年でテクニカル・リードとして昇格し、プロダクト・マネージメントを行うようになりました。Ciscoでは9年以上働いた後、起業家精神を知りたい思い、2つのスタートアップのアドバイザーとなりました。アドバイザーを行っていた会社の1つは、後にBoxに買収されました。この経験を機に親友のParesh JainとParin Shahと共にMilesを立ち上げることを決断しました。

Q. インスピレーションについて。 「あ、これだ!」と思った瞬間はありますか?

私、Paresh、Parin(Milesの共同創設者)は、まず交通や移動について深掘りすることから始めました。2〜3ヶ月にわたり調べていく中で、業界全体がものすごい変革の中にあることに気付きました。Mobility 2.0(電気自動車と自動運転技術の普及)が今後の業界全体に大きく変化をもたらすことに気づき、Mobility 2.0と共にビジネスモデルも大きく変わるに違いないと感じました。この変革によってA地点からB地点への移動の考え方が変わると確信しました。

航空会社はマイレージプログラムを提供していますが、地上の交通手段ではこういったことは行われていません。何人もの業界の専門家と話す中で、インセンティブとゲーミフィケーションを活用し、地上でもマイルプログラムを運営したら面白いのではないか?点と点がつながり線になった「あ、これだ!」となった瞬間でした。

Q. 創設者としてこれまで遭遇したチャレンジは?

当たり前ですがビジネスを立ち上げる際には、多くの困難が待っています。数え切れないほどのチャレンジがありましたが、私のトップ3は以下です。

1. チームづくり

アイディアがあっても、それをどう実現するか?チームづくりには、時間、お金、リソースがかかります。ファウンダーである私たちが自らの安定したキャリアから離れ、チームづくりにイチから時間をかけ、自らの手で築き上げないといけません。それまで培ってきたキャリアを捨てることは、不安定であり、大きなリスクがありました。しかしながら、行動しないことには、ビジョンを実現させることはできません。私たちはリスクを背負い一歩踏み出すことにしましたが、本当のチャレンジはそれからでした。

2.プロトタイプの開発

チームとビジョンが固まったら、次はそれを実現するためのプロトタイプづくりです。世の中に存在しないものを作るわけなので、多くのチャレンジがありました。全く新しいものを作り上げることは、やりがいがある反面、本当に大きなチャレンジでした。

3.資金調達

最初の資金調達も大きなチャレンジでした。他人に自分のビジョンを信じてもらう必要があるわけです。調達したお金で何を作ろうとしているのか、その価値を明確に、正直に伝えることが重要なポイントです。

Q. 起業を考えている人、会社を始めて間もない人に一つアドバイスを挙げるとしたら?

資金調達を待たずに起業しましょう。時間は有限です。一瞬も無駄にはできません。起業を考えているなら、ビジネスの土台づくりをはじめるのが先です。99%の起業家が、資金調達に固執してしまい、ビジネスの全体像を見失っています。ビジネスのゴールや、プロダクトの提供価値など、本質に集中することで、資金は後からついてくるはずです。

Q. Milesの次のステップは何ですか?

資金調達を経て、いくつかのことを計画しています。まず第一に、ユーザーベースの拡大を計画しています。ユーザーによりよい体験を提供できるよう、サービスのUX改善にも力を入れていきたいと考えています。またチームの拡大も検討していますし、海外での事業拡大も視野に入れています。

Q. Milesの社風について教えてください – 他のスタートアップと比べてどう違いますか?

Milesの社風は他のスタートアップとは似ておらず、あらゆる点で最高です。チーム全員が「リスクをとる」という心構えを持っています。Milesのミッションを根っから信じ、これまでに存在しない新しい事業を創造するということに、チーム一丸となって取り組んでいます。チーム全員が発明家・イノベーターであり、常に成功のために日々励んでいます。

私達はフランスの哲学者のヴォルテールの“Don’t let the perfect be the enemy of the good”という言葉を信じています(「完璧を追い求めて良いことを逃すな」という意味)。

スピードがすべてです。常に新しいアイディアを話し合い、新しい視点からの議論を行い、切磋琢磨しています。一人一人が自分の仕事に責任を持ち、互いに貢献することができているMilesのチームメンバーは、卓越した団結力を発揮できてると思っています。私たちはチームではなく、家族のような存在です。

Q. ファウンダーとして、これまでに印象に残っている出来事は?

最初から素晴らしい瞬間がたくさんありました。その中でも特に印象に残っている2つは、

・2016年3月24日 – Milesを法人化した日です。アイディアを考えついてから427日後にMilesを法人化しました。

・2018年7月19日 – ポルシェがMilesへの投資を決定した日です。私にとってポルシェは憧れのブランド、ドリームカーだったので、ポルシェがMilesの投資家として加わることは夢のような瞬間でした。

Milesは、さらなる成長のため、エンジニアやデザイナー、マーケティングなど多くの職種で積極採用中です。詳しくはこちらのウェブサイトをご覧ください。

ブログの更新情報をメールでお届けしています。

米国のスタートアップトレンドやテック情報、スクラム主催のイベント情報をメールでお届けしています。お気軽にご登録ください。

でも情報発信しています。