今週の注目5社:会話型AIボット / メタンガス漏洩検知 / AIサーキットボード設計 / 宇宙マッピング / AIリスク診断

February 29, 2024 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「会話型AIボット」Sierra

カテゴリ:SaaS/AI
ラウンド:Seed VC-II ($85M)
主な投資家:Sequoia Capital, Benchmark

カスタマーサービス向けの会話型AIボット。

共感力を持つAIエージェントが顧客との自然な会話を通じてコミュニケーションを遂行するAIボット技術を開発するスタートアップ。ダイエットプログラムを提供するWeightWatchersや音響機器のSonosなどを顧客に持つ。Salesforceの元CEOで、OpenAIの会長であるBret Taylorが創業したスタートアップとしても注目されている。今回の資金調達によるバリュエーションは10億ドルに近いという。

2023年創業、本社はサンフランシスコ。Sequoia Capital等から今回調達した$85Mは、引き続き製品開発に活用する予定。

2.「メタンガス漏洩検知」Kairos Aerospace

カテゴリ:Service/クリーンテック
ラウンド:Series D ($52M)
主な投資家:BlackRock, Climate Investment, DCVC, Energy Innovation Capital, Hartree Partners

メタンガスの漏洩検知システムの開発。

エネルギー産業向けに油田やガス田から漏れるメタンガスを検知するための空中モニタリングシステムを開発するクリーンテックスタートアップ。特許取得済みのメタン分光器「LeakSurveyor」を搭載した小型航空機からデータを収集、分析することで漏洩箇所を特定し、迅速に修理対応することが可能。頻繁に飛行でき、1機1日あたり最大100平方マイルをカバーできるという。

2014年創業、本社はカリフォルニア州サニーベール。BlackRock等から今回調達した$52Mは、サービスの拡大に活用する予定。

3.「AIサーキットボード設計」Quilter

カテゴリ:SaaS/製造
ラウンド:Series A ($10M)
主な投資家:Benchmark

AIを活用したサーキットボード(回路基板)の設計プラットフォーム。

生成AIを活用し、部品の配置や配線などのサーキットボード(回路基板)の設計プロセスを完全に自動化する設計プラットフォーム。企業は設計開発プロセスを大幅に加速させることが可能。すでにMeta、TOYOTA、Teslaなどを顧客に持ち、これまでに10万件以上のサーキットボードの設計に利用されているという。現在、無料でオープンベータ版を利用できる。

2019年創業、本社はカリフォルニア州サンタクララ。Benchmark等から今回調達した$10Mは、チームの拡大に活用する予定。

4.「宇宙マッピング」LeoLabs

カテゴリ:SaaS/スペーステック
ラウンド:Series C ($29M)
主な投資家:1941, Dylan Taylor, GP BullHound Sidecar, Insight Partners, MDSV Capital, Space Capital, Velvet Sea Ventures

低軌道エリアの宇宙マッピングサービス。

地上に設置したフェーズドアレイ(位相配列)レーダーのネットワークを利用して、高度2000km以下の低軌道を飛ぶあらゆる物体を観測・追跡し、高解像度データを提供する宇宙マッピングサービス。数千の衛星やロケット、危険な破片などの宇宙ゴミなど2万個以上の物体を常時監視し、AIを活用して分析することで衝突の可能性がある際にはアラートを出してくれる。人工衛星を所有する企業や政府機関などを顧客に持つ。

2016年創業、本社はカリフォルニア州メンローパーク。Insight Partners等から今回調達した$29Mは、引き続き製品開発に活用する予定。

5.「AIリスク診断」Guardrails AI

カテゴリ:SaaS/AI
ラウンド:Seed VC ($7.5M)
主な投資家:Zetta Venture Partners, Bloomberg Beta, Factory, GitHub, Ian Goodfellow, Lip-Bu Tan, Logan Kilpatrick, Pear VC

AIリスクの診断プラットフォーム。

企業向けのAIリスク診断およびモニタリングプラットフォームを開発するスタートアップ。企業や開発者がAIを活用したアプリを開発する際に、バリデーターと呼ばれる高度な検証作業を構築、共有、再利用できるオープンソースプラットフォーム「Guardrails Hub」を開発している。2023年のリリース以降、月間のダウンロード数は1万を超えるという。

2023年創業、本社はカリフォルニア州メンローパーク。Bloomberg Beta等から今回調達した$7.5Mは、チームの拡大および製品開発に活用する予定。

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