今週の注目5社：不眠症改善アプリ / AI写真画像補正 / AI月経管理アプリ / 医療用マイクロロボット / 地中水素掘削
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「不眠症改善アプリ」Stellar Sleep
カテゴリ：App/睡眠
ラウンド：Seed VC-II ($6M)
主な投資家：Initialized Capital, 8vdX, Goodwater Capital, LombardStreet, Moonfire, Scrum Ventures, Switch VC, Y Combinator
不眠症患者向けのデジタル睡眠療法アプリ。
慢性的な不眠症に悩む患者向けに、心理学をベースにした睡眠改善クリニックを提供。実際の睡眠データを元に、不眠症に悩むユーザーにパーソナライズされた認知療法を提供してくれる。表面的なアドバイスではなく実際に行動できる内容で不眠の解消を促す点が特徴。価格は月額60ドル。すでに1万人以上のユーザーを抱えている。Y Combinatorが主催する2023年夏のバッチにも参加。弊社も出資する注目スタートアップ。
2021年創業、本社はサンフランシスコ。Initialized Capital等から今回調達した$6Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
2.「AI写真画像補正」Glass Imaging
カテゴリ：SaaS/AI
ラウンド：Seed VC-II ($9.3M)
主な投資家：Google Ventures, Abstract Ventures, Future Ventures, LDV Capital
AIを活用したスマホ写真画像の補正技術。
独自のニューラルISP（画像信号処理）技術を活用した「GLASS AI」と呼ばれるソフトウェアがスマホで撮影した写真の解像度を大幅に改善し、鮮明な写真に復元してくれる技術を開発するAIスタートアップ。カメラの性能を10倍に高めることができるソフトウェアに加え、デジタル一眼レフカメラと同等レベルの画像品質をスマホに搭載可能なハードウェアも提供している。
2019年創業、本社はカリフォルニア州ロスアルトス。GV等から今回調達した$9.3Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
3.「AI月経管理アプリ」Essence App
カテゴリ：App/フェムテック
ラウンド：Seed VC ($0.6M)
主な投資家：Berkeley SkyDeck, Davidovs Venture Collective, Elena Enache, Elena Zhigalina, Eugenia Dunaeva, Growing Well Partners, Jana Gashkova, Konstantin Siniushin, Ksenia Kapoor
AIを活用した月経管理アプリ。
生理周期に応じて女性が仕事のスケジュールや運動、栄養を管理し、心身の健康および仕事のパフォーマンスを向上させるアプリを開発するフェムテックスタートアップ。ホルモンバランスやサイクルによって異なるエネルギーレベルに応じてスケジュールを最適化したり、マインドフルネスのツールを提供することでメンタルヘルスを改善することができるという。企業の福利厚生として導入することで従業員の職場満足度を向上させることが可能。
2023年創業、本社はデラウェア州ルイス。Berkeley SkyDeck等から今回調達した$0.6Mは、サービスの拡大に活用する予定。
4.「医療用マイクロロボット」Bionaut Labs
カテゴリ：Biotechnology/ロボット
ラウンド：Series B-II (NA)
主な投資家：Gates Ventures, Khosla Ventures, Mayo Clinic, OurCrowd, Upfront Ventures
医療用マイクロロボットの開発。
重度の脳障害を抱える患者向けに、遠隔コントロールで薬剤を局所的に届ける医療用ロボットを開発するバイオテックスタートアップ。数ミリのマイクロサイズながら強力なマイクロマグネットを内蔵し、磁場を使用して体内の標的部位に正確に誘導することが可能。使用後は回収できるという。パーキンソン病や水頭症などの治療に期待されている。AppleのFace IDを開発したチームが創業したことでも注目されている。
2016年創業、本社はロサンゼルス。Khosla Ventures等から今回調達した資金は、臨床試験に活用する予定。
5.「地中水素掘削」Koloma
カテゴリ：Others/気候テック
ラウンド：Unattributed VC ($246M)
主な投資家：Khosla Ventures, Climate Pledge Fund, Sustainable Flight Fund
地中にある水素を掘削する技術。
機械学習を駆使して衛星写真を解析することで、地下深くに埋蔵されている地中水素（Geologic Hydrogen）と呼ばれるカーボンフリーな水素を採掘するクリーンテックスタートアップ。従来の天然ガスを分解して製造するプロセスよりも二酸化炭素を排出しないことに加え、石油や天然ガスよりも水の使用量が少なく環境へのリスクも低いため、脱炭素社会の実現に向けて期待されている。
2021年創業、本社はコロラド州デンバー。Khosla Ventures等から今回調達した$246Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
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