B Dash Camp:Sphero Founderが語ったBB-8誕生秘話。

September 22, 2015 by Tak Miyata

秋の京都で開催されたアジア最大規模のテック系経営者イベント「B Dash Camp」で、米国から招いたハードウェアスタートアップ経営者二人とのパネル、「IoTの開発に求められるアイデア」のモデレータをいたしました。

今回、米国からのゲストは、「ロボット」スタートアップ、SpheroのFounder & CTOのIan Bernsteinと、「画像認識」スタートアップ、PlacemeterのCo-Founder & CEOのAlex Winterの2名でした。

スタートアップとしてハードウェアを開発、販売している二人の起業家と、製造の裏側、求められるスキル、流通、マーケティング、そしてハードウェアの未来、などについて非常に幅広い話しで盛り上がりました。

中でも、SpheroのIanが語ってくれたBB-8の誕生秘話、TechStarsでの経験が非常に面白かったので紹介をしたいと思います。

以前「スターウォーズ新作のロボットはDisney Acclerator発」というエントリでも紹介をしていますが、Lucas FilmがDisneyに買収されてから初めてとなる、12月公開のスターウォーズ最新作「フォースの覚醒」で登場する新ロボット BB-8を開発しているのがSpheroです。

「たった1日」で作ったプロトタイプ

映画は封切り前ですが、BB-8は今月の初めから発売が開始されており、発売初日は世界中で数時間で売り切れるほど人気が殺到しているようです。

このBB-8が生まれるきっかけは、ちょうど1年前に遡ります。

Disneyは、スタートアップが生み出す新しいイノベーションとの連携を加速するため、独自のアクセラレータプログラム「Disney Accelerator」を2014年7月にスタートしました。その最初の10社に選ばれたIanとSpheroのメンバーは、その初日にDisneyのCEOのBob Igerとの面談に臨んだといいます。

Bobは、Ianたちに会うと、いきなりスマホを取り出しました。

「これを作れるか?」

Ianたちが見せられたのは、まだDisney以外の部外者には誰も見せていないという、スターウォーズ次回作の様々な写真。その中にあったのが、あの球体の上に頭が乗ったBB-8のデザインだったといいます。

そこから、Ianたちは徹夜をし、なんとたった一晩!で、ほぼ今の形と同じBB-8のプロトタイプを完成させてしまったといいます。実際にパネルディスカッションではその翌日のプロトタイプの動画も見せてくれましたが、デザインこそまだ透明でしたが、動きは今販売しているものとほぼ同じものがそこにはありました。すでに原型となるロボットSpheroがあったとは言え、1日でプロトタイプを作り上げたその熱意と技術に感服しました。

CEO自らスタートアップに映画の企画の相談をするという柔軟さ。そして、一晩でそれに答えるスタートアップ。それがたった1年で、これだけのBuzzを生み出すハードウェアを生み出したスピード感ということでしょう。BB-8は、現在はラインを10倍以上に拡大し、1日に数千台を製造する大ヒットになっているといいます。

メンターがCEOに

もう一つ面白いと思ったのが、彼らのTechStarsでの経験です。

Disney Acceleratorは、アクセラレータを本業とするTechStarsが運営しているのですが、Spheroは2010年にTechStars自体のBoulderのプログラムにも参加しています。

120人のメンターはボランティア」というエントリでも書きましたが、TechStarsの運営するアクセラレータの特徴の一つはその「メンター」です。メンターは基本的にボランティアで、テーマに関係のある起業家、経営者、専門家が、それぞれ担当するスタートアップに対して、経営、技術など様々な視点からアドバイスをします。

Spheroの現在のCEOのPaul Berberianは創業メンバーではなく、もともとはTechStars BoulderでSpheroの担当となった「メンター」だったということです。

Ianによれば、当初は本当にスタートアップとメンターという関係だったということなのですが、経験のあまりない若い二人の友人で始めたSpheroと、経験豊富なシリアルアントレプレナーのPaulとの相性は抜群だったということで、トントン拍子で正式にCEOに就任をしてもらったということです。

私もQualcomm Robotics Acceleratorで実際にメンターをしてみて、そのサポートの丁寧さ、クオリティの高さに感銘を受けていましたが、さすがにメンターがCEOになるというケースは初めて聞いたので驚きました。米国のスタートアップのエコシステムの層の厚さを感じさせるエピソードです。


資金調達

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Series A ($12.5M) Sam Altman and Spark Capital
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[Service/ファイナンス] Aspiration
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