新会社「Alphabet」設立。不老不死から風力発電まで。GoogleのAからZとは。
Googleが、「Alphabet」という新会社を設立し、新たに持ち株会社制に移行することを発表しました。
Googleは、既存のネット事業に加え、M&AやGoogle Xなどのチームなどを通して、スマートホーム、自動運転カー、衛星など次々と新しい事業を展開しています。公式ページには「G is for Google」と書かれており、その他のアルファベットを持つ新しい会社が今後生まれていくことを想像させます。
G (Google)以外はまだほとんど発表されていないのですが、Googleが持つサービスや会社をアルファベットに当てはめたTechCrunchの記事が非常に良かったので以下にご紹介します。
A : Alphabet
「持ち株会社」
実は alphabet.com はBMWが持っていたというネタのような話もあります。
B : Boston Dynamics
「動物型ロボット」
四つ足でものすごいスピードで走る「Wild Cat」やDARPA Robotics Challengeでも使われているヒューマノイド「Atlas」などを開発しているMIT発ロボット企業(2013年買収)。
C : Calico
「不老長寿」
California Life Companyの略で、老化防止や老化にまつわる様々な病気などを研究する。この「人は500歳まで生きられる」というインタビューは話題となりました。
D : DeepMind
「人工知能」
昨年買収したLondonのAI企業。自動運転、Google Now、フォトなど様々なアプリケーションのベースとしての活用が期待されています。
E : Google Earth
「衛星写真地球儀」
最近「宇宙」、「海底」なども追加されています。
F : Google Fiber
「ネット接続」
Kansas、Austinなど一部地域で提供されている超高速ネット接続サービス。
G : Google Glass
「メガネ型コンピュータ」
一旦販売が停止しているが、エンタープライズ向けなどでの復活が期待されている製品。
H : Hangout
「ビデオチャット」
I : Google Ideas
「シンクタンク」
ネット上で起こる様々な問題(ハッキング、犯罪など)に対する研究、ツール開発などを行う。
J : Jump VR
「VR用カメラ」
GoProとのパートナーシップにより発表したVR用カメラプラットフォーム。
他にも、スマート繊維「Smart Jacquard」というプロジェクトもあります。
K : Knowledge Graph
「セマンティック検索」
L : Life Science
「ライフサイエンス」
GoogleXの一部門。糖尿病患者向けのGoogle Contact Lensが有名。
M : Mekani
「発電カイト」
風が強いところに自分で飛んで行って、ブレードを回し、発電するカイト。
N : Nest
「スマートホーム」
大ヒット製品のサーモスタットから始まり、スマートホームプラットフォームに進化(2014年買収)。
O : OK Google
Oだけは思いつかなかったみたいです。
P : Project Loon
「気球ネット接続」
世界中にネット接続を提供するため気球を飛ばし、ネット接続に利用しようというプロジェクト。
Q : QUIC protocol
「ネット接続プロトコル」
動画のバッファリングを減らすなどネット接続をより高速にすることに寄与する技術。
R : Recaptcha
「スパム防止技術」
人であることを判定するオープンソース技術。
S : Skybox Imaging
「衛星」
安価で小型な衛星を開発(2014年買収)。彼らが撮影したBurning Manが出来上がるまでの映像。
T : Titan Aerospace
「ドローン」
ソーラーパワー大型ドローン(2014年買収)。ネット接続用、画像撮影などの利用が想定されている。
U : URL Builder
「URL生成」
Google Analyticsの機能。
V : Vehicle
「自動運転カー」
すでにMountain Viewなどで走り始めている自動運転カー。短期的には一番インパクトの大きい事業になるかもしれません。
W : Wing
「ドローンデリバリー」
ドローンを使った無人宅配。すでにオーストラリアなどでテストされている。すぐには無理だと思われているカテゴリーですが、過疎地や島嶼部などではすぐにでも使えると思います。
X : Google X
「秘密プロジェクト」
Alphabet構想以前の新規プロジェクトの中心。
Y : YouTube
「動画」
言わずと知れたYouTube。
Z : ZygoteBody
「人体モデル」
人体を骨格、血管、筋肉などを細かく3Dで見ることのできる「人体のGoogle Map」
時価総額450B 、昨年のRevenueが$66B、Net Income $14Bで未だにYoY 10%以上の成長と絶好調のGoogleですが、今回の持ち株会社化というのは大きなチャレンジだと思います。今後どんなアルファベットが追加されていくのか、ワクワクしながら見守りたいと思います。
これらの幅広い事業にご興味を持った方は今年のGoogle I/OのKeynote ( 動画 / 2時間)がおすすめです。すべて網羅されているわけではありませんが、Googleが考えている世界観を体感できると思います。ちなみに、最初のスピーカーが今回新生GoogleのCEOになったSundar Pichaiです。こちらに、10分で見られるビデオもあります。
資金調達
「コミュニティコマース」のMassdrop、「デジタル株券」のeShares、「エコロジーブランド」のThe Honest Companyなどが新たに資金調達しました。Massdropは、ガジェット、AV機器、文房具などユーザがモノづくりに参加をし、グループ割引で購入できるコマースサイト。目新しいアイディアではないですが、Amazonから幹部も迎え、成長を続けているようです。eSharesは、最近使用するスタートアップが増えているデジタル株券サービス。Cap Tableの管理などもすべてオンラインで行えるようになっています。
[Commerce/コミュニティ] Massdrop
Series B ($40M) Cowboy Ventures, First Round Capital
「コミュニティコマース」
[Service/株券] eShares
Series B ($17M) Spark Capital, Union Square Ventures
「デジタル株券」
[Commerce/エコ ] The Honest Company
Series D ($100M) Undisclosed Investors
「エコロジーブランド」
[Content/メディア] Vox Media
Corporate Minority ($200M) NBCUniversal
「オンラインメディアグループ」
[Saas/ヘルス] Zephyr Health
Series B ($17.5M) Crosslink Capital, Icon Ventures and KPCB
「ヘルスケアデータベース」