120人のメンターはボランティア。Qualcomm Robotics Accelerator体験記 その1。

June 8, 2015 by Tak Miyata

これまで、多くのアクセラレータのDemo Dayに参加をする機会はありましたが、今回、メンターとしてQualcomm Robotics Accelerator (以下、QRA)にスタートから参加しています。

QRAは、Disney、Nikeなどこれまでに様々な企業のコーポレートアクセラレータを手がけてきたTechStarsが、Qualcommと組んで始めた「ロボット専門」のアクセラレータです。今回が第1回で、昨年の10月から募集を開始し、5月の末からプログラムがスタートしました。私も、Placemeter、Noomなどで共同投資をさせてもらっているQualcomm Venturesから声をかけてもらって、メンターとして参加をしています。

参加企業はこちらに発表されていますが、カテゴリーでいうと「ドローン」が最も多く、その他「産業用」「ライト」「ゲーム」などさまざまなものがあります。地域は、かなりバラエティに富んでいて、国外からも、ギリシャ、イタリア、イギリス、シンガポールなどからの参加チームがあります。

先週は、プログラム開始直後ということで、100人以上いるメンターが1日あたり約10人ずつオフィスに集まり、10社の参加企業それぞれと面談をする「Mentor Madness」というイベントでした。

オフィス(写真下)は、San Diegoの巨大なQualcommキャンパスの中に設置されています。非常にゆったりしたいい感じのオフィスで、ロボットをあしらった絵があちこちに描かれていました。ロボットのアクセラレータということで、試作用に3Dプリンターなどの機材もたくさん用意されていました。

QRA01

まず最初にQRAの運営メンバーとの顔合わせです。Disneyなど他のアクセラレータでも同じでしたが、TechStarsの側でアサインするプログラムの責任者が一人いて、その他にサポートメンバーが5人程度いるという構成です。サポートメンバーは、San DiegoのMBAの学生や、他のTechStarsアクセラレータでもサポートの経験のある若いメンバーなどで構成されています。彼らは、海外から参加するメンバーの家を探すを手伝ったりするなど、まさに手取り足取りサポートをしているようです。

オフィスに入っていくと正面にサイン用のサーフボード(冒頭写真)がありました。これは毎回お決まりということでしたが、今回は海の街San Diegoということでサーフボードになったようです。

オフィスの真ん中には大きな掲示板、「紹介してほしい」(写真左)リストと、「メンターに対する依頼」(写真右)があります。

QRA07

私はローカルではないので頻繁に来れませんが、ローカルのメンターも多いので、オフィスに寄った時にこれを見て、自分の専門であればそのスタートアップの席に行ってアドバイスをしたり、知っている会社や個人名が紹介リストにあれば、紹介したりと活用するようです。

QRA08

今回は、すべてのスタートアップと一気に初顔合わせということで、こんな部屋(写真左)を用意してもらって、すべての会社と顔合わせをしました。まだプロトタイプもこれから、ピッチはまだまだという会社も多いですが、一番驚いたのは、各社の事前調査。私のことをLinkedInはもとより検索をしまくっていて(サポートスタッフが事前にリサーチ用のフォームを配布しているようでした)、自分の会社に何をアドバイスしてくれそうかばっちり調べているので、質問が非常に細かい。私がNeven VisionでのComputer Visionの経験があること、GoogleのM&Aの話、Drone投資の話など、よく調べているなと本当に感心しました。

18分×10社のぶっ続けのミーティングが終わると、最後にまとめの会議。そこで改めてTechStars運営のアクセラレータの特徴だなと感じたのが「メンター」。

毎回100名を超えるメンターを集めるということですが、SpaceX、NASA、Makerbotなど関連業界の技術エキスパート、TechStarsのAlumni (以前ブログでDisney Acceleratorの成功例として取り上げたSpheroのFounderも参加しています)、VC、それとローカルのさまざまな起業家、投資家など、本当にバラエティに富んだ方々が参加しています。技術、ビジネス、起業とそれぞれ本当にさまざまな視点からアドバイスがもらえる布陣になっています。

よく、「メンターはどんなアレンジ?」という質問を受けるのですが、答えはシンプルで「完全ボランティア」です。

もちろんメンターのほとんどがエンジェル、もしくは会社、ファンドとして投資家という立場なので、いい会社があれば投資をするというのはありますが、シンプルに同じコミュニティに属するメンバーとして、若い人がチャレンジをしているのを支援したいという思いがあると思います。また、多様なバックグラウンドの人たちが集まっているので、話をすることで自身の知的好奇心が刺激され、新しいことが吸収できるというのも大きなモティベーションになっています。

まだ始まったばかりのQRAですが、これから4ヶ月。Demo Dayまでに参加チームがどう変わっていくのか楽しみにしたいと思います。

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Series C ($50M) Menlo Ventures, Accel Partners, CRV
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