モバイルニュース革命か?Facebookの“Instant Article”
ニュース消費におけるソーシャルメディア、そしてモバイルの役割が加速度的に大きくなる中、”Paper “という独自ニュースアプリを1年前に投入し、盛大に失敗したFacebookですが、次のステップとして “Instant Article ”という新しいサービスを発表しました。
New York Timesなど大手9メディアをローンチパートナーとして迎えたこの新サービスは、世界二位を誇るインドの人口とほぼ同じ規模の12億人に達したFacebookのモバイルユーザのニュース消費を大きく変える可能性がありそうです。
Instant Articleの特徴はその名の通り「スピード」です。
これまでは、ニュースフィードで気になったニュースをクリックすると配信元メディアのページに飛ぶため、読み込みに平均8秒かかっていたのが、すべてのコンテンツをFacebook側に置くことで、約10倍早くなっているということです。その他、動画の自動再生、写真のズームイン、写真毎のコメント、撮影場所地図の表示など、モバイルでニュースを消費しやすくするための機能がたくさん盛り込まれています。インターフェースも、SnapChatが二月に発表した同様のサービスDiscoverほど奇をてらった感じでもありません。
メディアに対しては9ヶ月も前から話をし始めていたようですが、今回の発表後も様々な反応があるようです。メディアはInstant Articleに参加をすると、当然これまでのFacebook Pageのように自社モバイルサイトにユーザを誘導できなくなるわけですが、広告を自社配信する場合、Instant Articleの中での広告収入は100%メディア側に渡ります。もちろん、FacebookのAudience Networkを使うこともでき、その場合は70%がメディア側の収入となります。現状、ローンチパートナーのメディアでも、Instant Articleを使っている記事とそうでないものが混在しており、それぞれの効果などをテストしている段階のようです。
eMarketerの調査によれば、米国におけるFacebookのモバイル広告シェアは今後も伸び続け、2017年には約30%にまで達するとしています。人が集まり、データが溜まり、広告の精度があがる。Facebookは確実にこのループの高みに上っていきます。Netflixが動画配信から始まり、データを集め、そのデータからドラマのヒット作を連発するようになった。これと同じ道をFacebookがたどるのか。いずれにせよメディアにとっては大きな分水嶺となるような気がします。
「デジタル署名」のDocuSign、「ソーシャル与信管理」のVouch Financial,「スポーツチケット直前割引」のGametime Unitedなどが新たに資金調達しました。デジタル署名サービスのリーダー DocuSignが、$3Bの時価総額で$233Mの調達をしました。日本では馴染みのないカテゴリーですが、ビジネス文書の電子化が急速に進む米国では大きな市場となっています。Vouch Financialは、友達がソーシャルメディア上でVouch(保証)をしてくれるとローンの利率が低くなるという新しいタイプの個人ローンを提供しています。
資金調達
[Saas /オペレーション] DocuSign
Series F ($233M) Wasatch Advisors, Brookside Capital, Wellington Management
「デジタル署名」
[Service/金融] Vouch Financial
Series A ($6M) Greylock Partners, First Round Capital, IDG Ventures USA
「ソーシャル与信管理」
[App/チケット] Gametime United
Series A ($13.3M) Accel Partners, Aaron Levie, Jeff Mallett
「スポーツチケット直前割引」
[Service/セラピー] Talkspace
Series A ($9.5M) Spark Capital and Softbank Capital
「オンラインセラピー」
[Marketplace/自動車] Lyft
Series E – II ($150M) Icahn Enterprises
「ライドシェア」
M&A
[SaaS/マーケティング] Zubhium
N/A by Marketo
「モバイルA/Bテストプラットホーム」