テスラのネット販売を支えるEコマース支援のShopifyがIPO
電気自動車のテスラのホームページに行くと、他の自動車メーカーにある「見積もり」や「問い合わせ」ではなく、いきなり「ORDER」というボタンがあり、そこから実際に自分の好きなモデルを選んで注文することができます。上位モデルでは1000万円以上もする自動車の注文が、すべてネットで完結する時代です。
自動車メーカーであり、Eコマースの専門家でないテスラがこのネット販売の仕組みとして活用しているのがEコマース支援のShopifyです。
Shopifyは、ショッピングカート、決済、在庫管理、データ分析、SEOなど、Eコマースの運営に必要な機能をすべて提供しています。費用は月額$29から。
この2006年創業のカナダ トロント発のスタートアップが、先週ニューヨーク証券取引所にIPOし、$130M(約156億円)を調達しました。株価は50%以上も急騰し、$1.89B (約2,300億円)の時価総額をつけました。
2014年の売上は前年から約倍増の$105M ( 約130億円)と順調に成長しています。現在150カ国、中小企業からテスラなどの大企業まで約16万もの店舗が利用しています。スタートアップと話をすると、大体がこのShopifyかeBay傘下のMagentoを使っているというトップブランドです。IPO以前に、Bessemer Venture、Felicis Venturesなどから$122M(約150億円)を調達していました。
米国のEコマース市場は、2014年の時点ですでに$304B ( 約37兆円)の規模になっているものの、今も二桁成長(15.5%増)を続けています。Eコマースが全体の小売の売り上げに占める割合も日本 (2013年 3.7%)に比べて高く、現時点で6.4%、2018年までには8.9%にまで達するとみられています。Eコマース支援のトップブランドとなっている
Shopifyは、この規模になってもいまだに40%の新規店舗はOrganicに獲得できているといい、成長を続けるEコマース市場の中、弱冠34歳のCEO Tobias Lutkeの率いるSaasスタートアップはまだまだ大きな伸びしろがありそうです。
「モバイルショッピング」のSpring、「モバイルショッピング」のWish、「モバイルチェックアウト」のFetch Rewardsなどが新たに資金調達しました。Springは、その増資の引受先がSnapchatであることで話題となっています。Snapchatは、昨年個人間の送金サービスを開始しており、今後コマース分野に進出をしたとしても不思議ではありません。Wishは、2011年創業のショッピングサイトですが、今回$3B(約3,600億円)の時価総額で、$500M(約600億円)新たに調達をしました。MAUが3100万人いると言われているこのサイトですが、中国の安い商品が米国で非常によく売れているのが成長の最大の要因のようです。
資金調達
[App/ショッピング] Spring
SeriesB-II (非公開) SnapChat
「モバイルショッピング」
[Commerce/ソーシャル] Wish
Series C ($500M) Founders Fund, GGV Capital and DST
「モバイルショッピング」
[App/ショッピング] Fetch Rewards
SeriesA ($6.5M) Great Oaks
「モバイルチェックアウト」
[SaaS/データ] Magnetic
SeriesC ($25M) CRV
「リテールデータ分析」
[Enterprise/インテグレーション] MuleSoft
SeriesG ($128M ) New Enterprise Associates
「アプリインテグレーション」
M&A
[Service/ロケーション] Coherent Navigation
N/A by Apple
「GPSナビゲーション」
[SaaS/コマース] WooThemes
N/A by Automattic
「WordPressテーマ&プラグイン」
[SaaS/アナリティクス] Next Big Sound
N/A by Pandora Media Inc.
「音楽データ解析」