今週の注目5社:稲作メタン排出削減 / 空間知能AI / 防衛用自律航行船舶 / 児童障害保険 / 医療データ保護

August 1, 2024 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「稲作メタン排出削減」Mitti Labs

カテゴリ:Others/サスティナビリティ
ラウンド:Seed VC ($3M)
主な投資家:Lightspeed, Voyager Ventures, Harvard Innovation Labs

稲作におけるメタン排出削減技術の開発。

稲作のメタン排出量および水の消費量を大幅に削減する技術を開発するアグリテックスタートアップ。高解像度の衛星画像を利用したリモートセンシング技術で稲の生育をモニタリングし、水の使用量を最小限に抑える技術。これにより土壌を定期的に乾燥させることでメタンの排出量を50%、水の使用量を40%以上削減できるという。削減したメタンは炭素クレジットとして農家の新たな収益源となる仕組み。

2023年創業、本社はニューヨーク。Lightspeed等から今回調達した$3Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。

2.「空間知能AI」World Labs

カテゴリ:SaaS/AI
ラウンド:Series A ($100M)
主な投資家:Andreessen Horowitz, Radical Ventures

空間知能を備えたAIモデルの開発。

コンピューターが人間と同じように3次元で解釈することを可能にする空間知能を備えたAIモデルを開発するスタートアップ。公開情報は少ないが「AIのゴッドマザー」と呼ばれる著名なFei-Fei Liが創業したスタートアップとして注目されている。創業からわずか4ヶ月でバリュエーションは10億ドルを超え、すでにユニコーン企業としての評価を受けている。

2024年創業。Andreessen Horowitz等から今回調達した$100Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

3.「防衛用自律航行船舶」Saronic Technologies

カテゴリ:HW/防衛
ラウンド:Series B ($175M)
主な投資家:Andreessen Horowitz, 8VC, Caffeinated Capital, Elad Gil, NightDragon

防衛用の自律型水上艦艇の開発。

海軍向けに自律航行する防衛用無人船舶を開発する防衛テックスタートアップ。高度なセンサーを備え、通信やGPSが利用できない環境下でもさまざまな積荷を運ぶことが可能という。全長約2メートルの「Spyglass」、約4メートルの「Cutlass」という2つのタイプを開発しており、艦隊のサポート役として機能する自動航行船を製造することを目指している。今回の資金調達によるバリュエーションは10億ドルを超え、ユニコーン企業の仲間入り。

2022年創業、本社はテキサス州オースティン。Andreessen Horowitz等から今回調達した$175Mは、製造能力の拡大に活用する予定。

4.「児童障害保険」Juno

カテゴリ:Service/保険
ラウンド:Series A ($8.5M)
主な投資家:Spero Ventures, Floating Point Ventures, Newark Venture Partners, WVV Capital

働く親向けの児童傷害保険サービス。

子供が希少疾患をはじめとする重度の病気や怪我、重い障害を患った場合に家族を金銭的にサポートする保険を福利厚生の一環として提供するインシュアテックスタートアップ。養子、里子、継子を含む0~26歳までのすべての子供を対象とし、最長10年間、子供1人につき年間最大50万ドルまでの現金が支給される仕組み。従業員がキャリアを断念することなく職場復帰するためにパーソナライズされたサポートも併せて提供する。

2021年創業、本社はデラウェア州ウィルミントン。Spero Ventures等から今回調達した$8.5Mは、サービスの拡大に活用する予定。

5.「医療データ保護」Freshpaint

カテゴリ:SaaS/ヘルスケア
ラウンド:Series B ($30M)
主な投資家:Threshold Ventures, Intel Capital, SignalFire, Y Combinator, Zero Prime Ventures

医療データの保護・管理プラットフォーム。

医療機関や保険会社、薬局を含む医療業界全体が機密データを保護しながら、効率的なマーケティングを実現するプラットフォームを開発するヘルスケアテックスタートアップ。HIPAAに準拠していないツールに対して機密データの共有を自動的にブロックすることで人為的エラーを排除しながら患者のプライバシーを守ることが可能という。Y Combinatorが主催する2019年夏のコホートに参加した注目スタートアップ。

2019年創業、本社はサンフランシスコ。Threshold Ventures等から今回調達した$30Mは、製品開発に活用する予定。

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