今週の注目5社:パーソナル健康診断 / AIモデル特化型チップ / タンパク質生成AI / デジタル糖尿病治療 / バックグラウンドチェック

July 10, 2024 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「パーソナル健康診断」Function Health

カテゴリ:Service/ヘルスケア
ラウンド:Series A (NA)
主な投資家:Andreessen Horowitz, Ara Katz, Ari Emanuel, Blake Griffin Enterprises, Casey Means, Colin Kaepernick, Draft Ventures, Embiid Ventures, Fifty Three Stations, G9 Ventures, Harpreet Singh Rai, Harvey Spevak, Jay Shetty, Jimmy Rollins, K5 Ventures, Kevin Hart, Matt Damon, Pedro Pascal, Wisdom VC, Zac Efron

予防医療と長寿のための健康診断サービス。

100種類以上の検体検査を受けることができる健康診断サービスを提供するヘルスケアテックスタートアップ。会員制のサービスで、年間499ドル(月額約42ドル)を支払うと心臓やホルモン、甲状腺、栄養、がん、免疫、老化など、一般的な健康診断の5倍以上の項目を検査できる。人類が健康的に100歳まで生きることを使命に掲げ、すでに約5万人の有料会員を獲得し、ウェイティングリストは20万人以上という。

2022年創業、本社はテキサス州オースティン。Andreessen Horowitz等から今回調達した資金は、サービスの拡大に活用する予定。

2.「AIモデル特化型チップ」Etched

カテゴリ:HW/チップ
ラウンド:Series A ($120M)
主な投資家:Positive Sum, Primary Venture Partners, Balaji Srinivasan, Earthshot Ventures, Fontinalis Partners, Fundomo, HummingBird, Kyle Vogt, Lightscape Partners, Peter Thiel, Skybox Capital, Stanley Druckenmiller, Thomas Dohmke, Two Sigma

特定のAIモデル向けに設計されたカスタムチップ。

OpenAIのChatGPTなど最新のAI技術の基盤となる「Transformer」アーキテクチャーに特化したAIチップを開発するスタートアップ。「Sohu」と呼ばれるチップは、汎用性は低いが特定のタスクにおいて非常に高い性能を発揮し、NVIDIAの最新GPUと比べて10〜20倍以上の処理速度を実現すると同時に消費電力も抑えられるという。Peter Thielも出資する注目スタートアップ。

2022年創業、本社はカリフォルニア州クパチーノ。Primary Venture Partners等から今回調達した$120Mは、生産能力の拡大に活用する予定。

3.「タンパク質生成AI」EvolutionaryScale

カテゴリ:Biotechnology/ヘルスケア
ラウンド:Seed VC-II ($142M)
主な投資家:Daniel Gross, Lux Capital, Nat Friedman, Amazon Web Services, NVentures

タンパク質を生成するAIモデルの開発。

生物学研究向けに「ESM3」と呼ばれるAIモデルを開発するバイオテックスタートアップ。タンパク質の特性を明らかにすることで効果的な治療法を開発したり、新たなタンパク質を生成することでこれまでにない治療薬(新薬)の開発が可能になるという。MetaのAI研究部門出身メンバーが創業したことでも注目されており、NVIDIAのCVC「NVentures」やAmazonも出資者に名を連ねている。

2023年創業、本社はニューヨーク。Lux Capital等から今回調達した$142Mは、引き続き研究開発費用に活用する予定。

4.「デジタル糖尿病治療」Endo Health

カテゴリ:Service/ヘルスケア
ラウンド:Pre-Seed-II (NA)
主な投資家:Andreessen Horowitz, Anne Wojcicki

ゲーミフィケーションを活用した糖尿病治療。

糖尿病患者および糖尿病予備群患者向けに、AIを活用したデジタル治療サービスを開発するヘルスケアテックスタートアップ。持続血糖モニター(CGM)を利用し、血糖値と活動データをリアルタイムに収集することに加え、ゲーミフィケーションを用いることで患者が自分の病状を楽しみながら効率的に管理できるよう工夫されている。遺伝子検査サービス大手「23andMe」のCEOであるAnne Wojcickiも出資者に名を連ねる。

2024年創業、本社はサンフランシスコ。Andreessen Horowitz等から今回調達した資金は、ローンチに向けた準備に活用する予定。

5.「バックグラウンドチェック」KarmaCheck

カテゴリ:SaaS/HRテック
ラウンド:Series B ($45M)
主な投資家:Parameter Ventures, GC1 Ventures, NextView Ventures, PruVen Capital, Velvet Sea Ventures

採用候補者のバックグラウンドチェックに特化したプラットフォーム。

採用候補者のバックグラウンドチェックおよび資格認定を迅速に処理するプラットフォームを開発するHRテックスタートアップ。AIを活用することで正確性を維持しながら競合他社よりも3倍早いスピードでスクリーニングプロセスを終えることができるという。売上高は昨年対比600%増と急成長中。LinkedInの共同創業者であるEric Lyが創業したことでも注目されている。

2019年創業、本社はサンフランシスコ。Parameter Ventures等から今回調達した$45Mは、製品開発およびサービスの拡大に活用する予定。

ブログの更新情報をメールでお届けしています。

米国の注目スタートアップ情報 テックトレンド スクラムベンチャーズの投資先インタビュー
などをブログで発信しています。合わせてメールでもお届けしていますので、お気軽にご登録ください。

ニュースレター登録

でも情報発信しています。