スピード感を持って、新しい事業を創造していく――渡部優也[Staff Interview]

November 15, 2023 スタッフインタビュー

Scrum Studioで、Well-BeingXと、SPORTS INNOVATION STUDIOを中心に、AgeTechXも含めて3つのスタジオに関わる渡部優也。これらスタジオプログラムの担当として、パートナー企業とスタートアップのビジネスマッチング・新規事業の価値創造、検証サポートを担当している。またExchange Program第1号として、Scrum Venturesの投資業務にも参加。渡部が、Scrum Studioで成し遂げたいこととは?

スタジオ事業で、新規事業の価値創造をサポート

渡部さんは、Scrum Studioで何の領域を担当されているんですか?

スタジオプログラムの担当として、日本のパートナー企業の方々と、スタートアップのビジネスマッチング・新規事業の価値創造、検証サポートに携わっています。

Well-BeingXというウェルビーイング関連のスタジオの担当として入社しました。今は、SPORTS INNOVATION STUDIOと、AgeTechXと合わせて3つの領域に関わっています。それから、これは発表段階ではないのですが『日本の課題解決スタジオ』的なスタジオの立ち上げも計画しており、そこに携わっています。

SPORTS INNOVATION STUDIOは、スポーツ庁と一緒に行っているチャレンジで、日本のスポーツ分野にもっとテクノロジーを持ち込んで、新たな価値創造・成長産業化を行っていこうという取り組みです。AgeTechXは博報堂と一緒に、エイジング・ロンジェビティの領域をテーマに事業共創を行うスタジオです。

Well-BeingXとSPORTS INNOVATION STUDIOでは、渡部さんご自身は、主に何を担当しているんですか?

主に、事業会社の方々に、ご紹介するスタートアップのリサーチ、デューデリジェンス、事業共創に関するサポートをしています。

スタートアップって、多産多死の世界です。事業会社さんに上手くマッチングできて、価値を創造していけるスタートアップは100社の中に1社あるかないかです。そして、その見つけた1社が成功する可能性もまた1/100ぐらい。まさに金の卵のようなもので、そう簡単に見つかるものではない。我々も世界中の多くのスタートアップをリサーチして、足を運んでお会いして、コミュニケーションを取って探っていく。容易には見つからない。だからこそエキサイティングな仕事だと思っています。

といっても殺伐としている感じではなくて、結果として、成功する、成功しないはあるけれども、そこには「未来を創っていこう!」というような人が集まっている。これは、私がこれまでに携わった仕事では考えられなかったことです。すごくポジティブな人が多くて、すごく清々しい。

事業会社は日本の会社が中心だと思うのですが、スタジオに参加するスタートアップ企業は、どこの国の会社が多いのですか?

アメリカをはじめ、世界各国のスタートアップが参画してくれているのですが、中でもWell-BeingXの場合は、日本のスタートアップが多いですね。

Well-BeingXに採択した日本のスタートアップでは、今まで、大企業の中で研究開発をしていた方が、スピンアウトして起業というようなケースもたくさんあります。国としてもそういうカタチを後押ししているというのはあります。大きな事業会社としては挑戦できないけど、その技術を持って独立することをサポートする「出向起業」というやり方ですね。そういった技術を独立してまでも社会に広めたいと思う、熱いスタートアップの創業者がWell-BeingXにはいます。

同じ分野において海外ではどういった事例があって、それが成功してるかどうか?といったことについては我々がしっかりと調べます。ワールドワイドな情勢を把握しているのはScrum Studioならではの価値と認識していただいています。

スポーツ庁とタッグを組んだSPORTS INNOVATION STUDIO

SPORTS INNOVATION STUDIOの取り組みについて教えて下さい。

アメリカではスポーツというのは、しっかりとテクノロジーと融合して、大きなビジネスになっているのですが、日本ではまだまだ不十分なところがあります。

たとえばアメリカでは競技自体にも、ジャッジや記録にテクノロジーが活かされていますし、選手のトレーニングについてもそう。さらに、興行として、多くのお客さんに楽しんでいただく、スタジアムを上手に運営するという意味でも、テクノロジーがしっかりと入ってきていて、大きなビジネスになっています。

日本のスポーツは、まだまだそういう状態にない。アメリカのやり方を見習うべきところがあるんですね。

そこで、スポーツ庁さんにScrum Studioが協力して、そういったムーブメントを作っていこうというわけです。

初年度に取り組む、FリーグとJAF(日本自動車連盟)について教えて下さい。

Fリーグというのは、フットサルのプロリーグです。1部リーグは12チーム、2部リーグは9チーム。合計21チームがありますが、まだまだ専業で取り組めている人が少ない。別の仕事で働きながらやっている人が大半ということですね。

フットサルはサッカーなどに比べればまだまだマイナーではあるものの、屋内など狭いコートで、スピード感あふれるプレイを堪能できるなど、エンターテイメントとして独自の可能性があります。このフットサルのFリーグを、テクノロジーの力で、もっとポピュラーな収益性のあるスポーツにしていくのが目標です。

SPORTS INNOVATION STUDIOプログラム説明会にて

JAFと協業されることについて教えて下さい。

JAFは一般道でロードサービスなどを行っている他、サーキットで行われる四輪レースの統括団体でもあります。サーキットライセンスの交付などもJAFが行っています。私はプライベートで、F1観戦なども趣味としているので、このプロジェクトにはぜひ関わりたいと手を挙げました。

このJAFに関しても、モータースポーツという多くの観客が入るイベントを行っていながら、テクノロジーを十分に活用できていない側面があります。

スポーツ庁とのプロジェクトは、単年度でどんどん結果を出していかないといけないので、スピード感が要求されています。

ルイジアナで過ごした小学生時代に感じた人種差別

前職は、外資系銀行(フランス)で、海外経験も豊富とうかがったのですが、経歴について教えて下さい。

生まれたのはカナダのモントリオールです。母が「国籍の自由がある方がいい」ということで、私をカナダで産み2カ月をカナダで過ごしました。だから、私は、カナダと日本の両方の国籍を持っています。そして、父の仕事の都合で小学校の2年生から4年生までアメリカのルイジアナ州シュリーブポートで暮らしました。

当時のアメリカ南部は、まだまだ人種差別が色濃く残っていました。たとえば、クラスでグループ分けをしたら、自然と白人の組と、有色人種の組に分かれるというような感じで、いじめられたりもしていました。学校に行くのがつらい時期も多かったです。今でも覚えているのが、母がランチボックスに抹茶のゼリーを入れた時に、「日本人が緑色の不気味なモノを食べている」と笑われたことです。つらい体験でしたが、今となっては、世界にはそういう差別があるんだということを肌で知る、貴重な体験だったように思います。

その後、日本に戻って、大学は早稲田大学の国際教育学部に進みました。

1年間の留学が必須の学部だったので、ドイツのベルリン・フンボルト大学に留学しました。日本ではあまり知られていないかもしれませんが、日本との歴史は深くて、森鴎外や北里柴三郎が在籍した学校でもあります。

その時はドイツの政治に興味がありました。日本では民主党が政権を取った時期で、道州制の議論がなされていたのですが、ちょうどドイツはその道州制を採用していたのです。国全体より、地方自治体がいろいろ大きな判断をできる体制ですね。

ベルリンは旧東ドイツのエリアにある東西に分割された街です。東ベルリンだった土地は社会インフラも貧弱で、西ベルリンだった場所とは今でも大きな差があります。反面、古い建物なども残っていましたし、物価が安いエリアもあったので、ヨーロッパのスタートアップが多く集まる土地になっており、そういう気風にも触れることができました。

ルイジアナ時代。仲良くなった同級生と

ソシエテ・ジェネラルで、金融に感する知見を得る

その後、フランスのメガバンクに就職されたんですね?

今後、ビジネスを進めていくうえで、まず金融の知識を持ちたいと思いました。大きなビジネスを動かしていくためには、基本的な金融の知識は不可欠だと考えたのが理由です。

就職したのは、フランスに本社を持つソシエテ・ジェネラルでした。

日本におけるソシエテ・ジェネラルは、大きく分けて4つの業務を行っていました。ひとつは証券業務。株や債権などの売買を行う仕事ですね。それから銀行業務。これは日本の大企業にお金を貸している。3つめがアセット・マネージメントですね。4つ目はちょっと特殊で、エアクラフト・リーシング。航空会社が使っている旅客機というのは、実はその価値を分割して他の企業や人が保有しているんです。それを日本の個人投資家向けに販売していました。

実は、海外の投資銀行っていうのは、それなりのスキルがある、経歴のある人を採るので、新卒で投資銀行に入れるというのは、ほとんど日本にしかないチャンスなんです。最初はもちろん、大変プレッシャーがかかりましたし、すごく競争社会というか、最初からスキルを要求されるイメージがあるかと思うのですが、入ったチームに恵まれていたというのもあるかもしれませんが、学んでいく機会もありましたし、努力していれば受け入れてもらえる感じでした。証券部門にいた時は、仕組債という複雑な金融商品の法人営業を担当し、銀行部門にいた時は、日本の大企業営業や支店長サポートを行っていました。

ソシエテ・ジェネラル時代、ラグビーワールドカップ2019の決勝大会にて

ScrumのExchange Program第1号としてチャレンジ

そこからScrum Studioへ。銀行からベンチャー企業の支援へ。大きな転身ですね。

Scrum Studioには、それまでに得た職能を活用して、新たな事業を作りたいと思い入社しました。投資家、事業会社、スタートアップの目線で、新規事業の立ち上げに携わりたかったのです。宮田CEOを一方的に知っていたというのもあります。

現在は、Scrum Studioにおいて3つのスタジオのビジネスマッチングに取り組んでいるのですが、一部Scrum Venturesの仕事にも関わりました。

Scrum StudioとScrum VenturesのExchange Programの第1号だと聞きました。

Scrumには、投資をするScrum Venturesと、事業共創をするScrum Studioというふたつのエンティティがあります。その中で、別の視点から見ることで、また新たな側面が見えてくるということがあります。そこで、相互交流を行うのが、Exchange Programです。その第1号として、投資を行うためのスタートアップのソーシング業務、デューデリジェンスの業務などを行いました。

Scrum Studioと、Scrum Ventures両方の仕事に関わっているわけですが、Scrumの魅力とはなんでしょうか?

Scrum Venturesも、Scrum Studioも、なんでも新しいことができるというのが、一番の強みだと思いますね。たとえば、SPORTS INNOVATION STUDIOでは、僕はモータースポーツというのが個人的にとても好きなんですけれども、チームの中にはモータースポーツをスポーツの一分野として捉えていない人も多かったんですね。それでも、僕が「やりたい、やりましょう!」と、プッシュしていったことで、SPORTS INNOVATION STUDIOの大きなテーマになりました。

この大きく、スピード感を持ってビジネスを動かしていけるという点が、Scrum最大の魅力だと思います。個々の管掌領域も広く、それぞれの意見も大きく反映されますし、非常に充実した日々を送っています。

撮影場所: WeWork 日比谷FORT TOWER

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