今週の注目5社：メタンガス削減飼料 / エイジングケア / ポータブルレントゲン / SaaS契約最適化 / マイクロLEDディスプレイ
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「メタンガス削減飼料」Alga Biosciences
カテゴリ：Biotechnology/アグリテック
ラウンド：Seed VC ($4M)
主な投資家：Collaborative Fund, Cool Climate Collective, Y Combinator, Day One Ventures, Pioneer Fund, Overview Capital
炭素排出量（特にメタンガス）を削減する飼料添加物の開発。
牛のげっぷにより大気中に大量に放出されるメタンガスの排出量を大幅に減らすことができる飼料添加物を開発する気候テックスタートアップ。昆布ベースの飼料は牛の消化機能を変化させることでメタンガスを削減するだけでなく、げっぷに費やすエネルギーも同時に削減でき、農家は牛に与える餌を約20％減らせるという。Y Combinatorが主催する2022年冬のバッチにも参加した注目スタートアップ。
2021年創業、本社はサンフランシスコ。Collaborative Fund等から今回調達した$4Mは、サービスの拡大に活用する予定。
2.「エイジングケア」Tally Health
カテゴリ：Biotechnology/ヘルスケア
ラウンド：Seed VC ($10M)
主な投資家：Christine Diane Teigen, Forerunner Ventures, G9 Ventures, John Legend, Kevin Hart, L Catterton, Pedro Pascal, Rich Roll, Secondsight, Shonda Rhimes, Whitney Cummings, Zachary David Alexander Efron
健康寿命の促進を目指すエイジングケアサービス。
年齢検査、パーソナライズされたライフスタイルの提案、および長寿サプリメントを通じて、健康寿命を延ばすエイジングケアサービスを提供するバイオテックスタートアップ。独自開発した、頬を綿棒で擦る年齢検査を3ヶ月毎に行い、日々の食事やフィットネス、メンタルヘルスに関するアドバイスを提示してくれるという。会員制で、月額199ドルから利用できる。Pedro Pascalなどのセレブが出資者に名を連ねており、すでにウェイティングリストは27万人にのぼる。
2021年創業、本社はニューヨーク。Forerunner Ventures等から今回調達した$10Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
3.「ポータブルレントゲン」OXOS Medical
カテゴリ：HW/医療機器
ラウンド：Series A ($23M)
主な投資家：Intel Capital, Parkway VC
ポータブルレントゲンの開発。
持ち運び可能な小型のレントゲン（X線）装置を開発するメドテックスタートアップ。従来のレントゲンより放射線量が80%少なく安全に利用できる上、救急や在宅医療、スポーツ、軍など、病院外でのさまざまな場面で利用できる。また、撮影したレントゲン画像は即座にクラウド上に保存されるため、どこにいてもどのデバイスからでもオンデマンドに診察が可能という。
2016年創業、本社はアトランタ。Intel Capital等から今回調達した$23Mは、海外展開の加速に活用する予定。
4.「SaaS契約最適化」Spendflo
カテゴリ：SaaS/オペレーション
ラウンド：Series A ($11M)
主な投資家：Accel, Prosus Ventures
SaaSツールの契約を最適化してくれるサービス。
さまざまなSaaSツールの購入や更新手続き、価格交渉などの管理業務を効率化してくれるオールインワンプラットフォーム。ユーザー数などの使用状況をリアルタイムで可視化したり、他社製品のベンチマーク価格などのインサイトを提供してくれる。ユーザーは当プラットフォームを利用することで約30%の支出を削減できるという。顧客数は5倍に拡大し、収益は15倍と急成長中。
2021年創業、本社はサンフランシスコ。Accel等から今回調達した$11Mは、海外展開の加速に活用する予定。
5.「マイクロLEDディスプレイ」Mojo Vision
カテゴリ：HW/ディスプレイ
ラウンド：Series D ($22.4M)
主な投資家：Dolby Family Ventures, Drew Perkins, EDGE, Fusion Fund, Khosla Ventures, Liberty Global Ventures, New Enterprise Associates, Open Field Capital
世界最小かつ高画素密度のマイクロLEDディスプレイの開発。
これまでマイクロLEDディスプレイが内蔵された「スマートコンタクトレンズ」の開発を目指してきたが、事業方針を転換。ARおよびVRなどのウェアラブル機器や自動車などの業界向けにマイクロLEDディスプレイの開発および商用化に注力するという。現在、高性能な量子ドット技術で、非常に小さくて明るく、効率的なRGBピクセルを開発中。
2015年創業、本社はサラトガ（カリフォルニア州）。New Enterprise Associates等から今回調達した$22.4Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
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