今週の注目5社:ゼロエミッション航空機 / コレクターズアイテム投資 / ウェアラブル視覚診断 / コミュニティ学習 / 核融合エネルギー

June 1, 2021 今週の注目スタートアップ

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「ゼロエミッション航空機」Beta Technologies

[HW/モビリティ] Beta Technologies
Series A ($368M) Fidelity Investments, RedBird Capital Partners, and The Climate Pledge

電動の垂直離着陸航空機(eVTOL)の開発。

貨物配送および、防衛、医療物資の輸送などに焦点を当てた電動垂直離着陸機。6人乗りもしくは、パイロット1人と1500ポンドまでの貨物を輸送でき、急速充電システムも同時に提供。すでに貨物輸送大手のUPSやアメリカ空軍、移植用の人工臓器輸送のためにUnited Therapeuticsとの提携を発表している。将来的にはAmazonプライムの配送にも活用予定という。バリュエーションは$1.4Bとユニコーンスタートアップの仲間入り。

2014年創業、本社はサウスバーリントン(バーモント州)。The Climate Pledge等から今回調達した$368Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

2.「コレクターズアイテム投資」Rally Rd.

[App/ファイナンス] Rally Rd.
Series B-II ($13M) Accel, Social Leverage, and Upfront Ventures

コレクターズアイテムへの投資アプリ。

希少性が高く高価な収集品を小口証券化することで、少額から売買できるオルタナティブ投資アプリ。クラッシックカーからスタートし、今ではポケモンカードなどのカード類、スポーツ選手のユニフォームやシューズ、サインなど幅広いラインナップを取り揃えている。アプリは無料で利用でき、ユーザーの平均年齢は27歳と若者に多く利用されている。

2017年創業、本社はニューヨーク。Accel等から今回調達した$13Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。

3.「ウェアラブル視覚診断」Heru

[SaaS/ヘルスケア] Heru
Series A ($30M) SoftBank Group, Krillion Ventures, D1 Capital Partners, Maurice Ferre, and Frederic Moll

AIを活用した視覚診断および治療プラットフォーム。

ウェアラブルデバイスを活用したリアルタイムの視覚診断および視力矯正サービス。FDA認可取得済みのAIによる自動診断に加え、患者によって異なる症状に合わせてパーソナライズされた治療(視力矯正)を提供。MagicLeap「MagicLeap1」やMicrosoft「Hololens2」などの市販のヘッドセットで使用可能なため、病院だけでなく薬局や自宅でも診察を受けることができる。

2018年創業、本社はマイアミ。D1 Capital Partners等から今回調達した$30Mは、製品開発に活用する予定。

4.「コミュニティ学習」Maven

[Contents/教育] Maven
Series A ($20M) Andreessen Horowitz

コミュニティベースのオンライン学習プラットフォーム。

世界最高峰のインストラクターによるリアルタイム、コミュニティーをベースとしたオンライン学習プログラムの提供。Mavenはコンテンツ作成のサポート料として、インストラクターの売上から10%を徴収する仕組み。現在、2000人以上がインストラクターに応募しているという。UdemyやaltMBA、Socraticなどエドテックスタートアップの共同創業者によって設立された。

本社はオースティン(テキサス州)。Andreessen Horowitz等から今回調達した$20Mは、ネットワークおよびサービスの拡大に活用する予定。

5.「核融合エネルギー」ZAP Energy

[HW/エネルギー] ZAP Energy
Series B ($27.5M) Chevron Technology Ventures, Global Asset Capital, Energy Impact Partners, Lowercarbon Capital, Addition, and Fourth Realm VC

核融合炉の開発。

磁石ではなく、せん断流を用いてプラズマを安定させる技術を用いた核融合炉の開発。最もコンパクトで低コストかつスケーラブルな商用核融合炉を目指している。同社の技術が実用化されると、安価かつカーボンフリーのエネルギー供給が可能になるという。ワシントン大学とローレンス・リバモア国立研究所の共同研究プロジェクトからのスピンアウト。

2017年創業、本社はシアトル。Chevron Technology Ventures等から今回調達した$27.5Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

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