再び、日本から食のイノベーションを巻き起こせ!日本の大企業と国内外のスタートアップが前代未聞のコラボレーションに取り組む

May 13, 2021 イベントレポート

『Food Tech Studio – Bites! 』フェーズ1 プログラム先行事例発表会レポート

世界18カ国のスタートアップ85社とのミーティングを重ねて見えてきたものとは?

4月22日、スクラムスタジオは、昨年9月30日にローンチした、日本の食産業を代表するパートナー企業と世界中のスタートアップと共に「新“食”産業」を創出するグローバル・オープンイノベーション・プログラム『Food Tech Studio – Bites! 』の「フェーズ1 プログラム先行事例発表会」を、新大久保のフードラボ「キムチ, ドリアン, カルダモン,,, 」(以下、K, D, C,,, )(運営:JR東日本)にて開催しました。

こちらの発表会は、現在芽吹いている多くの新たなコラボレーションの中から一部の実例をご紹介し、参加したパートナー企業がオープンイノベーションの過程で得た「学び」の生の声をお届けするものです。

また、会場となった「K, D, C,,, 」は、食に関わる様々な人の交流を促進するとともに、新たなフードビジネスや食文化を創発する拠点となることを目指し、プロ仕様のキッチンや、食に特化したコワーキングスペースを備えた注目のスポット。まさに、今回のプログラムを発表するのにベストな場所と言えるでしょう。

当初、パートナー企業6社でスタートしたこのプログラムは、今までにない取り組みとして注目され、規模も拡大。現在、18社3自治体が参加しています。プログラムへのスタートアップ応募数は218社(世界30カ国)。その中から選ばれた世界18カ国85社のスタートアップと、約3ヵ月の間に重ねたミーティングは210回にも及びました。

冒頭では、外村仁(Scrum Venturesパートナー)が、「今回の発表会がフェーズ1における先行事例の報告であると同時に、食産業の元祖イノベーターである日本の大企業が、スタートアップとミーティングを重ねるなかで得た多くの気づきや学びをシェアする場であり、さらには、食産業に限らず、何か新しいことにチャレンジしようとしているすべての方々にとって役に立つ機会になれば」と述べ、発表会は幕を開けました。

続いて早嶋諒(Food Tech Studio – Bites! マネージングディレクター)から、これまでのプログラムの歩みを紹介。国内外の総勢30名にも及ぶ豪華なメンターの顔ぶれや、競合という枠を越え、食品会社同士の横のつながりを生かしたワークショップを開催し、このプログラムならではの活発な議論が生まれたことを報告しました。

大企業を刺激する、スタートアップの魅力と新鮮な発想

発表会は、パートナー企業からの注目が特に高かったスタートアップ7社を紹介する「スタートアップ紹介」と、事業共創の事例やプログラムから得た学びを語る「パネルディスカッション」の2部構成で行われました。スタートアップ紹介」では、スタートアップに寄せるパートナー企業のコメントもハイライトでお届けします。

半生肉を常温で2年間保存「IXON Food Technology」(香港)

最初のスタートアップは、半生肉を常温で2年間保存可能な技術「真空無菌包装」(ASAP)を特許出願中の「IXON Food Technology」。こちらにコメントを寄せてくれたのは、ハウス食品グループ本社株式会社・大野裕子氏と、日立グローバルライフソリューションズ株式会社・田岡敬氏、株式会社伊藤園・矢野弘子氏です。「(技術を聞いて)正直、とても驚きました。生ものを流通させるのが難しいとされる宇宙空間や、砂漠などに展開できる可能性が期待できる」(大野氏)、「弊社の冷蔵庫と競合するという見方もあるかもしれないが、消費者の視点からすると常温で流通できるのは興味深い」(田岡氏)、「従来の自販機のままではいられない時代。災害対策の自販機として肉とお茶と調味料などを販売することも考えられる」(矢野氏)と、口々に、その衝撃と可能性についてコメントしました。

45秒で調理する小型無人ラーメン店「Yo-Kai Express」(アメリカ)

2社目に登場したのは、最短45秒で調理する小型無人ラーメン自販機を全米各地に展開する「Yo-Kai Express」です。CEOのAndy Lin氏より、この日の会場である「K, D, C,,, 」4Fのコワーキングスペースに日本本社を登記し、ここを拠点に今夏、日本市場に本格進出するとの発表がありました。JR東日本株式会社で「K, D, C,,, 」の立ち上げを担当した服部暁文氏は、「(Yo-Kaiが拠点を置くことは)このプログラムによって生まれた事例の第1号で、3階のシェアダイニングでテストマーケティングし、最終製品が確定した後は、新大久保駅1階のエキナカ店舗、さらには山手線の他の駅などへの横展開が期待されている。このように、海外のフードテックスタートアップにとって障壁が高かった、日本市場へのスムーズな参入を支援するフローが設計されている点が『K, D, C,,,』の強み。今後も次々に成功例を増やしていきたいと思う」と期待を寄せました。

ストレス解析アプリ「Mindcurrent」(アメリカ)

3社目に登場したのは、ストレス解析アプリを開発した「Mindcurrent」。企業が抱える従業員の健康維持は、日本の企業にとっても重要な課題です。株式会社ニチレイ・関屋英理子氏は、「我々には食嗜好を分析する“このみる”というサービスがあるが、“Mindcurrent”と話して、サービスそのもの以外にも、サービスを浸透させていくプロセスも勉強になった」と語りました。

微細藻類を用いた食品残渣の価値化「AlgaleX」(日本)

4社目は、通常50日ほどかかるパーム廃油処理が、藻類を用いた技術により2~4日に短縮されるうえに、副産物としてDHA製造技術も合わせ持つ「AlgaleX」です。株式会社伊藤園・松本真澄氏は、「当社は、大量の茶殻が排出されるが、そこにはカテキンなど有効成分が含まれている。廃棄物から価値を生み出す取り組みは、何か面白いことができるのではないか」と興味を示しました。

定額制パーソナルスムージー&スープ「Greenspoon」(東京)

5社目に登場したのは、定額制パーソナルスムージー及びスープを企画・製造・販売する「株式会社Greenspoon」。CEOの田邊友則氏は、アジアで一番のウェルネスブランドを作っていきたいとのこと。日立グローバルライフソリューションズ株式会社・加瀬谷茉莉氏は、「今年3月に自動発注機能付き冷蔵庫を発売したが、冷蔵庫は、生活者へのタッチポイントとなる。家電と食品で、QOL向上に貢献していきたい」と関心を寄せました。

やわらか食(介護食)調理機器「ギフモ」(京都)

6社目は、嚥下障害のある方向けに、見た目はそのままでメニューを柔らかくできるキッチン家電「DeliSofter」の企画・製造および販売を手がける「ギフモ株式会社」です。不二製油グループ本社株式会社・長島慎氏は、「料理を柔らかくするだけではなく、みんなで同じ食卓を囲むという点が面白いと思った。今後、高齢者向けの植物性素材を使ったもので何かできるかもしれない」と期待を述べました。

健康な食事の支援サービス「おいしい健康」(東京)

採択スタートアップ紹介の7社目は、健康な食事の支援サービス「おいしい健康」です。管理栄養士監修レシピをもとにしたパーソナライズ食事支援アプリや、糖尿病患者の食事療法を目的とした「ごはんカメラfor糖尿病」などを手がけています。株式会社伊藤園・矢野弘子氏は、「食のバリアフリー化に感銘を受けた。当社の世界の人々を健康にしたいという考えとマッチしている」と共通のテーマを見出していました。

博報堂「一人ひとりのウェルビーイングをスタートアップとともに」

「おいしい健康」が抱えるビッグデータを活用して、ウェルビーイング事業を拡大したいと語ったのは、株式会社博報堂の堂上研氏です。「私たちは、生活者一人ひとりのウェルビーイングをどう作っていくか、そういう社会を作るための事業をどう考えていくかにトライしているところ。中でも、食事を通したウェルビ-イングはとても大切な要素だと位置づけている。しかしながら、糖尿病や高血圧、ロコモティブシンドロームなど、食事を制限されている方にとって、おいしい食事をとることは重要な課題。『おいしい健康』は、そういった食事制限がある方たちのデータを持っていることに魅力を感じた。『You are what you eat』、あなたはあなたが食べたものでできている、という考えのもと、食を通したウェルビーイングを作り、一人ひとりのデータを通して、一人ひとりの生きるをつなげる、そんな世界を作っていきたいと考えている」と、スタートアップと組んだ背景とこれからの展望を語りました。

日清食品「スタートアップのポジティブな姿勢は『仕事を戯れ化せよ』に通じる」

最後に、日清食品株式会社の中川正浩氏は、スタートアップとのミーティングから、日ごろから企業として大切にしている「創業者精神」に通じる情熱を感じたと語りました。

「今回、新規事業に関する協業や、パートナーシップの機会をいただいたのはもちろんのこと、スタートアップの皆さんから実に多くのことを学んだ。特に刺激を受けたのは、創業者やご担当の方々の熱意。私たちは、『仕事を戯れ化せよ』という安藤百福の創業者精神を日々意識している。その意味は、文字通り、『楽しんで仕事に臨もう』ということだが、まさに遊ぶ感覚で仕事をすれば、我を忘れて没頭し、仕事が自分事化できる上に、(楽しいため)何より疲れないということ。このプログラムで、スタートアップの創業者の皆さんや担当者の方の話を聞いていると、口々に『仕事が楽しい、新しいことをどんどんやりたい』とお話しされていた。ビデオ会議の画面越しからも、ポジティブなオーラが伝わってくるようなミーティングばかりで、見習わなければならないと思った。

また、次世代のフードテックを紹介してもらったり、サステナビリティといったような新しい観点と連携した取組みに触れることができた。

今後、共創という観点においてはこういった新しい視点や発想、これらをうまく組み合わせて新しい食文化を作ることや、食文化全体をどうしたらいっしょに盛り上げられるか、を考えていくことが我々の使命だと思っている」と、スタートアップの熱意に大いに触発された様子でした。

パネルディスカッションは、各社の「学び」を共有する貴重な場に

後半の「パネルディスカッション」には、メンターとしてプログラムに参加した株式会社シグマクシス、リサーチ/インサイトスペシャリスト・岡田亜希子氏がモデレーターとして加わり、パートナー企業をゲストに迎え、今回プログラムに参加して得た学びを掘り下げていきました。7社の企業と3つの自治体が登壇したなかから、ダイジェストでお送りします。

大塚食品「スタートアップの独創性が大いに刺激に」

ZEROMEATを使った「ブッダボウル」を手に登場したのは、大塚食品株式会社の嶋裕之氏。青山一丁目のレストラン「The Burn」米澤文雄シェフが作り、店舗で提供している料理を手に、セッションが始まりました。

今回のプログラムへの参加を振り返って、「アメリカの『New Age Meats』は培養脂肪+大豆ミートのハイブリッド肉やソーセージを開発していたり、シンガポールの『Next Gen Foods』は植物肉由来の鶏肉を生産していたりと、技術や特長の振れ幅も国内とはまったく異なり、各社の独創性が刺激になった」と語る嶋氏。「私たちの『ZEROMEAT』も、2018年の4月にキックオフして同年11月に商品化というロケットスタートでした。そこから、事業を広げていきましたが、ちょうど2年たったいま、このプログラムでスタートアップの方たちとお会いする機会があって、改めて、衝撃を受けました。やはりスタートアップの方たちは少人数でクイックに動かれているということ。あのころの熱い気持ちを思い出して非常に強い刺激を受けました。このスピード、この熱さが大切だと思いました。」

『Food Tech Studio – Bites! 』は、経産省が主催する『STEAMライブラリー』のフードテック教材制作にも協力したのですが、日清食品、不二製油、そしてこちらの大塚食品にもご登場いただいています。その取り組みについても嶋氏は「教育を通して社会貢献するというのは新しい経験でした。そもそもZEROMEATを立ち上げた際は、健康や環境などの社会的問題の解決をしたかったという背景もあります。そういったことをわかりやすく教育カリキュラムでお話できたことはよかったと思います。」と話しました。

フジッコ「新たな企業間コラボの機会を得た」

続いての登場は、フジッコ株式会社の丸山健太郎氏です。丸山氏が手にしていたのは期間限定で「K,D,C,,,」にて提供される特別コラボメニュー「雄勝の海の幸 ロカボ パエリア」。メニューを考案したのは、東日本大震災をきっかけに、宮城県石巻市雄勝町に生まれた豊かな自然の中でサステナブルに生きる力を育む学びの体験施設「モリウミアス」のシェフで、フジッコの「ダイズライス」を使用しています。

「この『ダイズライス』は、ある程度ターゲットを絞っているためテスト販売の手段として、今年1月、初めてクラウドファンディングに挑戦しました。3月より直販ECサイトで販売をスタートし、このプログラムに参加したことで、今回の会場でもある『K,D,C,,,』に出店しているモリウミアスのスペイン料理のシェフとのコラボメニュー・テスト販売が決まりました」と丸山氏。海外のスタートアップとのやり取りは、今後の海外展開への布石にもなると感じたといいます。

また、社内横断的に参加した若手社員の意識に変化が出てきたことも、今回得た大きな学びだったとのこと。

「コロナ禍で新しいコラボ―ションの機会が限られるなかで、このプログラムに参加したことは非常にいい機会になりました。会社としては初めて、国内外のスタートアップの皆さんとやり取りをしてみて、やはり発想やスピード感など、旧来の食品メーカーとはかなり違うなと思いました。スタートアップの皆さんは一点突破型なので、私たちのように1,2年ステップを踏みながら、ウォーターフォール型で開発するのではなく、いわゆるアジャイル型で大変刺激を受けました。また、私を除くと、今回参加したのは平均年齢30半ばくらいの社員。スタートアップのCEOと同じくらいの世代なんですね。この貴重な機会で受けた刺激を、今後、弊社だけでなく、食産業の発展にもつなげていってもらえたらと思っています。」

カゴメ「スタートアップが持つスピード感を実感」

「ベジチェック」という野菜摂取量を測定できる機器を持って登場したのは、カゴメ株式会社の吉見信彦氏です。「こちらは、ドイツのベンチャーとの協業により生まれた製品です」と、すでにスタートアップとの協業に乗り出しているカゴメでは、事業成長の種の探索と育成を目的に、研究部門傘下に「新規事業開発ラボ」、社長直轄組織として「事業開発室」を新設するなど、もともと新しいことに対応する土壌はありました。

「とはいえ、やはり、今回参加して改めて、スタートアップとのディスカッションを重ねることで、彼らが持つパワーとスピード感を実感し、経験値が上がったと思います。スピーディに事業を回していくことができる成果が出てきました。ウェルネスの分野で、プログラムで出会ったスタートアップ複数社と、ディスカッションをしているところです」と、具体的なコラボレーションについて語りました。

辻調グループ「過去に例のないチャレンジに取り組み中でワクワクしている」

9月のプログラムスタートからメンターとしても参加している辻󠄀調グループ代表、辻󠄀芳樹氏からは、力強いメッセージビデオが届きました。

「参加時に『フードテック』をカリキュラムに組み込み、その最前線で活躍できる料理人を輩出することを目指すと宣言するとともに、個人としても、『これからあらたに立ち上がる食産業領域の発展や課題解決に貢献したい』という自分の思いをお伝えしました」と切り出した辻󠄀氏は、プログラムに参加したことで、前例のないチャレンジの機会を得たといいます。

アメリカのスタートアップから辻󠄀調グループの学生や卒業生とアメリカで何かコラボレーションできないかというような問い合わせをいただいたり、さらには、今春、東京大学の大学院で、調理ロボットの研究開発をしている学生が1年間休学して、私たちの学校に『おいしさ』作りを学ぶために入学してきたりと、食の分野での領域横断的な交流や学びの機会が確実に増えてきていることを実感しています」とのこと。

フードテックの分野に、「ガストロノミー」という概念を持ち込みたいという辻󠄀氏の意気込みと、その新しいチャレンジに”ワクワク”している氏の様子がが大いに伝わってきました

東京ガス「食事業を通じた社会問題の解決を実現したい」

食と関係の深いエネルギー会社として食領域における新事業の創出、そして食事業を通じた社会課題の解決を目的に参画した東京ガス株式会社。登壇した同社の太田茜氏は、「私自身、学生時代アメリカでサステナビリティを勉強したこともあって、食糧問題や水不足の社会問題に非常に強い想いがあり、エネルギー事業をコアとしている東京ガスにおいて、お仕事でこういった課題に取り組めるというのは非常にうれしく思っております。今回生まれたアイデアを実現できるようがんばりたい」と抱負を語りました。

三菱ケミカル「短期間でも勉強会やミーティングから感銘を受けた」

食品包装材料や食品機能材などの「食」関連の製品・サービスを提供している三菱ケミカル株式会社の佐野知美氏は、「総合化学ならではの多様な製品と技術の組み合わせを活かし、今回のプログラムに参加した方々と、オープンイノベーションによる新しいソリューションと価値を創造し、自らも持続的に成長できるよう取り組んできました」と語り、大きな学びのポイントとしては、「今年1月から参画という短い期間にもかかわらず、いくつかのパートナー企業やリソースパートナー企業の方たちと新たな取り組みについてミーティングしたり、スクラムベンチャーズ主催の勉強会に参加したりしたことで、食を通した持続可能な社会の実現に向けて、皆さんが、複数の視点をもって挑戦されていることを知り、非常に感銘を受けるとともに刺激となりました」と述べました。

ユーハイム「1社だけではなく、複数社が協力することで生まれる価値を感じた」

今年3月、名古屋に「食の未来」をテーマにした複合施設「バウムハウス」をオープンした株式会社ユーハイムからは、神戸本社から代表取締役社長の河本英雄氏が登壇。「『バウムハウス』では、熟練の職人技を学習した世界初のAIバウムクーヘン職人『THEO(テオ)』くんの焼きたてのバウムクーヘンを提供しています。今回、初めてフードテックに関わってみて思ったのは、これは我々一社だけではできないな、たくさんの人と集まって、初めて世の中に出るのだなと感じました。その時に思いを共有できるかが重要です」と語りました。

リソースパートナーの東京建物や、加賀市、神戸市、新潟市の3自治体も、今後に向けて熱いメッセージを発信

「食」に関わる社会課題解決のための実証実験・社会実装の拠点として、シェアキッチンスペースなどの施設を東京・京橋に開設した東京建物株式会社。登壇した沢俊和氏は、「今後、このプログラムに参加している皆さんの、実証実験の場として私たちの施設を活用していただき新しい食産業の創出に貢献したい」と、リソースパートナーとして心強い支援を表明しました。

加賀市、神戸市、新潟市の3自治体からは、「国のスーパーシティ構想に手を挙げている加賀市としては国内外のベンチャー企業と積極的に交流し、関係人口を増やしたい」(加賀市加賀市長、宮元陸氏)、「今回参加している地元企業のフジッコ株式会社や株式会社ユーハイムはもちろんのこと、その2社と取り組むスタートアップとのコラボレーションも期待している」(神戸市医療・新産業本部、武田卓氏)、「昨年度から新しい食産業の創出のため、スタートアップのマッチングイベントなどを積極的に開催し、徐々に協業案件の実績も出始めてきた。今年度はさらに、協業アクセラレーション事業を新規で行っていく」(新潟市経済部、中島修一氏)と、いずれも未来につながる熱い抱負を語りました。

次のフェーズ2へ向けて、ここからが実装への正念場! 

2時間を超える白熱したセッションとなった今回の発表会。モデレーターとしてパネルディスカッションに参加した岡田氏は、「企業に加えて、自治体に興味を持ってもらえるのはとてもいい傾向。地域で新しい食産業の循環が生まれたり、大塚食品のように教育への貢献にまで領域が拡がっていったりすることで、将来的にも層に厚みが出る。わくわくするセッションだった」と振り返りました。

プログラムに参加した日本を代表する食の大企業各社が、スタートアップのスピード感と熱量に触発され、様々な事例が生まれたと同時に、新たな学びを共有する非常に有意義な場となった今回の発表会。しかし、報告された事例は、実際に進行しているごく一部。この瞬間も、大企業とスタートアップは歩みを止めず、新たなチャレンジに向けて疾走中です。

スクラムスタジオでは、今後もパートナー企業とスタートアップの協業をサポートしながら、次の段階として、テクノロジーが社会に実装されるよう貢献していきます。ご興味を持った企業や自治体の方、ご連絡をお待ちしております。人々の食生活がいっそう豊かに健やかになるよう、テクノロジーの力でともにイノベーションを起こしましょう!

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今回の『Food Tech Studio – Bites! 』フェーズ1 プログラム先行事例発表会の様子を、多くのメディアでご紹介いただきました。ありがとうございます。

 

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