高校&大学生向けカウンセリング「Empowerly」創業者インタビュー: Hanmei Wu

March 31, 2021 by Scrum Staff

このコンテンツはスクラムベンチャーズの米国投資チームの Rya Mendoza による Medium Founder Spotlight: Empowerly を翻訳したものです。

今回のスタートアップ創業者インタビューでは、EmpowerlyのCEOであるHanmei Wu氏に話を聞きました。彼女はどのようにして、高校&大学生向けのオンラインキャリアカウンセリング事業をスタートさせたのか、そしてEmpowerlyが現在のサービスの形になるまでの話をお聞きしました。

Empowerlyの創業チームは、UCバークレー、プリンストン、スタンフォードの卒業生たちです。大学に出願するための最適なアプローチ方法を、チームメンバー自身が実体験を通じて理解しています。もちろんそのストレスも。

革新的でパーソナライズされたアプローチを通じて、Empowerlyは、強力なバーチャルコミュニティを作りあげました。さらには、サービスに満足したロイヤルカスタマーからの紹介により、サービスを大きく成長させています。現在はサンフランシスコ・ベイエリアに焦点を当て、非常に質の高いサービスを提供しています。2020年以降は、さらにエリアを拡大していく予定です。テクノロジーがさらに進化する現代において、Empowerlyはオンラインプラットフォームとして急激に成長する可能性を秘めています。

スクラムベンチャーズがEmpowerlyに投資したきっかけは、2019年のUCバークレーのアクセラレータープログラムSkyDeckでの、Hanmei氏との出会いでした。まだベンチャーキャピタルといった外部からの投資を受けておらず、自己資金での事業開発にも関わらず、収益とユーザー規模の両方のトラクションに感銘を受けました。

Empowerlyには、プロダクトマーケットフィット、そして事業を遂行するメンバーが揃っています。またバーチャルカウンセリング、カウンセラーと生徒のマッチング、大学への出願プロセスを管理するためのユニークなツールなどを提供し、ローテクな分野を見事にオンライン最適化しています。

Empowerlyのプラットフォームの使いやすさと拡張性は、学生とカウンセラーの両方から強い支持を得ています。さらに、Empowerlyは学生が卒業した後も、インターンシップ、大学院、仕事探しなどのキャリアに焦点を当てたカウンセリングで価値を提供することが可能です。Empowerlyは、長い顧客エンゲージメントにより、高校から大学までの学生のパフォーマンスをフルに理解することができるようになっています。スクラムベンチャーズは、Empowerlyを投資先として支援できることを嬉しく思います。

Q. なぜEmpowerlyを始めようと思ったのですか?

Empowerlyを設立したのは、15歳の頃から自分が「あったらいいな」と思っていたものだからです。この10年間、私は何十校もの学校や仕事に応募しましたが、そのプロセスで様々なストレスを感じました。アドバイスが必要なのに、私が通っていた高校には、400人の生徒に対してカウンセラーが1人しかおらず、必要な時に受けられない。大学に入ってからも、カウンセラーと生徒の比率は改善しませんでした。

大学卒業後、Teach for America(NPO団体)に参加したのですが、私の教師としての仕事のほとんどは、生徒のカウンセリングでした。その時に、個人に合わせた大学相談やキャリアガイダンスが、学生を変える可能性がある。中退するか、情熱を燃やすかは、カウンセリングで大きく変わると気がつきました。

Q. Empowerlyについて詳しく教えてください。

私たちのミッションは、学生が最高の自分(the best version of themselves)になれるようにサポートすることです。私の時と同じように、2000万人以上の高校生がカウンセリングを受けていません。カウンセリングを受けられるようにすること、そして、もう一つの重要な要素は、適切なカウンセラーとマッチングすることです。

Empowerlyは幅広い層のカウンセラーを集めています。特に最近は、大学入試の競争が激化しているため、多くの学生は、個人の成長のためにハッカソンに挑戦したり、非営利団体を立ち上げたりといった履歴書に加えることができる経験を求めています。そういったアクティビティについて、詳しくアドバイスしてくれる専門的なカウンセラーが求められています。

Empowerlyのアルゴリズムは、こういったことを考慮に入れて、学生の強みを見出し、伸ばしつつ、目標を達成できるようなマッチングを実現しています。

Q. コロナ禍での現状はどうですか?どのように対処しているのでしょうか?

カウンセラーと協力して奨学金制度を設けたり、オンラインツールを追加したり、この状況にどう対処するかについてのウェビナーを開催したりしました。生徒が学校に通学していたら、普通に行っていたであろう課外プログラムを、オンラインで行ったりもしています。

春学期は、試験や入学決定通知が届くこともあり、大学進学を目指す学生にとっては特に重要でストレスの多い時期ですが、コロナ禍でさらに複雑な状況になっています。そんな中、これに何とか対処しようとする学生の利用が増加しています。2020年の4月からは、無料カウンセリングの提供をスタートしました。ユーザー体験の質を保ち、時には向上させながら、迅速に対応しています。

このプラットフォームには、マーケットプレイスもあるので、学生のために新しいメニューを立ち上げることもできます。カウンセラーの中には、長年学生をサポートしてきた人もいるので、引き続き学生の目標に向かってサポートし続けるために、できることは何でもやっていきたいという方もいます。

Q. 会社を立ち上げるときに 「あ、これだ!」と思った瞬間はありますか?

少人数のカウンセラーでスタートしたのですが、生徒たちが第一志望校に合格し始めた時には、「これは何かが始まる」と思いました。そして、生徒たちがカウンセラーを絶賛し、カウンセラーを信頼し、進路相談だけでなく、様々な側面でカウンセラーをたよっているという話を聞いた時が、本当の「あ、これだ!」の瞬間でした。Empowerlyは、ユーザーの紹介により徐々に拡大しました。会社が大きくなる中でも、常につながりを維持するように気をつけています。

実は、定期的なメンテナンスのため、土曜日に数時間サービスが停止したことがありました。その際に、いつサービスが稼働するのかを心配したユーザーから何十件もの電話やメールをいただきました。この経験から、サービスが使えなくなったときのユーザーの気持ちを実感しました。

またEmpowerly Scoreを作った時のことも印象に残っています。学生の長所と短所を特定するツールで、学生の成長を支援するために、パーソナライズされたオススメを提供しています。私たちのプラットフォームを通じて、内気な学生が課外活動でリーダーシップを発揮するようになったり、集中力のない学生が自分の情熱を発見して切磋琢磨したりするのを支援してきました。

Q. 創設者としてこれまで遭遇したチャレンジは?

たくさんあります。当初ベンチャーキャピタルなどの外部からの投資を受けておらず、自己資金での事業開発をしていたので、サービスの伸長と共にほとんど資金を使い果たしてしまいました。そして資本効率の良い方法を学ばざるを得ませんでした。

データを駆使して、どうすればうまくいくか?に集中することを学びました。当初は、より多くの学生にサービスを提供するために、サービスエリアを拡大すべきと考えていましたが、データによると、ベイエリアに集中して、サービスをチューニングした方がよいことがわかりました。また、初期のユーザーから貴重なフィードバックを得ていたので、ユーザーの率直なフィードバックを真剣に聞くことの重要性も学びました。

Q. Empowerlyの、他のスタートアップとの違いは何ですか?

私たちのテクノロジーは以下のことを可能にします。

(1)学生が希望大学に合格する可能性を最適化する。

(2)多様でデータに基づいたカウンセラーのネットワークを構築し、ツールやクラウドソースのリソースを活用して、最適なカウンセラーと学生をマッチングできるようにする。

他のカウンセリング・プラットフォームとは異なり、大学のレベルでわけたり、大学のカテゴリを絞っていません。それは、私たちがよりインクルーシブで、幅広い層の学生に使ってもらいたいと考えたからです。学生の出発点がどこであろうと、そこから成長していくことが私たちが大切にしていることです。大学進学を目指す高校生を主な対象としていますが、ターゲット層は15歳から25歳までと幅広く、就職活動、面接、大学院進学などのサポートを行っています。

Q. これから会社を立ち上げて資金調達しようとしている他の起業家に、アドバイスをお願いします。

アドバイザーや経験豊富な起業家からコーチングを受けたり、率直なフィードバックを受けたりすること。100%の準備が整うまで資金調達をしないようにしましょう。プロセスには時間がかかり、わからない事がたくさんあります。準備が整うまでは、アドバイスをもらうことに時間をかけましょう。

一方で、すべてが完璧である必要はありません。例えば、私たちの最初のウェブサイトは、形よりも機能にフォーカスする必要がありました。それは当時、私たちが、そういった必要に迫られていたからです。最終的に品質を達成するためには、すべてのものが最初から完璧である必要はないということだと思います。

Q. 最後にスクラムベンチャーズの投資を受けた理由を教えてください。

スクラムベンチャーズは、私たちが最初に受け取った投資です。スクラムは私たちの会社を信じてくれました。スクラムはEmpowerlyにとって大きなリソースであり、チームは非常に親しみやすく、可能な限りのサポートをしてくれます。

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