今週の注目5社:デジタル資産マーケットプレイス / 生鮮食品需要予測 / オンライン自動車販売 / コードレスデータベース / セキュリティ格付

March 29, 2021 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白い米国のスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「デジタル資産マーケットプレイス」OpenSea

[Marketplace/NFT] OpenSea
Series A ($23M) Mark Cuban, Tim Ferris, Naval Ravikant, Andreessen Horowitz, Alexis Ohanian, Ben Silbermann, and Belinda Johnson

デジタル資産(NFT)を売買できるマーケットプレイス。

ブロックチェーン上のデジタルデータである非代替性トークン(Non-Fungible Token)の取引ができるマーケットプレイス。デジタルアートや「CryptoKitties」などのゲームアイテム、ドメイン名など2000万点以上のNFTを取り扱う最大のNFTマーケットプレイスの一つ。取引量は過去6か月で100倍以上に増加しているという。2018年のY Combinatorに参加。

2017年創業、本社はニューヨーク。Andreessen Horowitz等から今回調達した$23Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。

2.「生鮮食品需要予測」Shelf Engine

[SaaS/食料品] Shelf Engine
Series B ($41M) Foundation Capital, Founders Co-op, General Catalyst, GGV Capital, Correlation Ventures, Initialized Capital, Firebolt Ventures, Soma Capital, and 1984 Ventures

AIを活用した生鮮食品の需要予測プラットフォーム。

POSデータに加え、近隣にある学校のスケジュール、地域のイベント、休日、天気などの様々なデータを分析することで生鮮食品の需要を正確に予測し、受発注プロセスを効率・自動化してくれる。同社によると、プラットフォームを導入した食料品店は食品廃棄物を30%以上削減でき、利益率も50%以上改善されるという。コロナ禍で需要は急拡大し、現在アメリカ国内2000店舗以上に導入されている。弊社が運営するオープンイノベーション・プログラム「SmartCityX」にも参加する注目スタートアップ。

2015年創業、本社はシアトル。General Catalyst等から今回調達した$41Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。

3.「オンライン自動車販売」Prodigy

[SaaS/モビリティ] Prodigy
NA by Upstart

カーディーラー向けのオンライン販売プラットフォーム。

自動車の下取りや買い替え、自動車保険、ローンなどの一連の流れをリアルタイムで管理できるオールインワン販売プラットフォーム。ディーラーの営業担当者はiPad上で全てのプロセスをシームレスに管理可能。既存のソフトウェア(CRMや在庫管理システムなど)とも連携できるため、スムーズに導入できる。また、顧客はプラットフォーム上でローンのオプションを選択したり、購入した車の配達日を指定したりできる。Stanford StartX Acceleratorを卒業したスタートアップ。弊社スクラムベンチャーズの投資先でもある。

2015年創業、本社はサンフランシスコ。AI融資のフィンテックスタートアップ「Upstart」が買収した。Upstartは今回の買収を通じ、自動車ローン市場に参入。

4.「コードレスデータベース」Airtable

[SaaS/開発] Airtable
Series E ($270M) CRV, Thrive Capital, Greenoaks Capital Management, Caffeinated Capital, and WndrCo

コードレスのリレーショナルデータベース。

Excelのスプレッドシートのようなインターフェイスが特徴で、ドラッグ・アンド・ドロップでリレーショナルデータベースを構築できる。また、SDK(ソフトウェア開発キット)によりプログラミングなしで独自のアプリを開発可能。NetflixやAutodeskをはじめ、25万社以上の顧客を持ち、有料版を利用する企業数は、昨年1年間で約350%増加。フリーミアムモデルでプロ版は一人当たり月額$20〜。今回の調達によるバリュエーションは$5.7Bを超えるという。

2013年創業、本社はサンフランシスコ。CRV等から今回調達した$270Mは、チームの拡大および製品開発に活用する予定。

5.「セキュリティ格付」SecurityScorecard

[Enterprise/サイバーセキュリティ] SecurityScorecard
Series E ($180M) Google Ventures, Intel Capital, T. Rowe Price, NGP Capital, Riverwood Capital, Silver Lake, BOLDstart Ventures, AXA Venture Partners, Accomplice, Evolution Equity Partners, Fitch Ventures, and Kayne Anderson Rudnick

企業のサイバーセキュリティリスクを分析・評価するプラットフォーム。

企業のシステムを分析し、セキュリティ対策が万全かA-Fのランクで格付けしてくれる。ハッカーの視点から外部システムも含めたクラウドシステムの脆弱性を診断してくれるだけでなく、10の主要リスク要因に関するレポートも提供。これまでに200万社以上のセキュリティリスクを格付・モニタリングしており、企業は自社が使うベンダーのセキュリティ状況も調べることが可能。大手製薬企業などすでに1万7000社を顧客に持つ。

2013年創業、本社はニューヨーク。Google Ventures等から今回調達した$180Mは、引き続き製品開発に活用する予定。

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