今週の注目5社:スマートコンタクトレンズ / 自動掃除ロボット / 食品デリバリー / 医療データAPI / UIデザインツール

May 11, 2020 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白い米国のスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「スマートコンタクトレンズ」Mojo Vision

[HW/レンズ] Mojo Vision
Series B-II ($51M) Dolby Family Ventures, Gradient Ventures, Khosla Ventures, Liberty Global, Motorola Solutions Venture Capital, New Enterprise Associates and Struck Capital

ディスプレイが内蔵されたスマートコンタクトレンズ。

AR技術が内蔵され、目の動きを検知しユーザーの視界に必要な情報を表示してくれる。高密度のマイクロディスプレイの他にも、ワイヤレス通信機能やアイトラッキングのためのモーションセンサーなどが埋め込まれている。これまでステルスだったが、2020年1月に世界初のスマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」の開発を公表。開発段階だが、今後はFDAとも共同で安全性を検証するという。

Apple, Amazon, Googleの出身者らが創業、本社はサラトガ(カリフォルニア州)。NEA等から今回調達した$51Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

2.「自動掃除ロボット」Brain Corp

[HW/ロボット] Brain Corp
Series D ($36M) ClearBridge Investments, Qualcomm Ventures, Satwik Ventures and SoftBank Group

AIを活用した自動掃除ロボット。

床洗浄機などの掃除ロボットと「BrainOS」と呼ばれる自動掃除システムを開発。既存の掃除ロボットにソフトウェアを搭載することで自動化も可能。すでに、Walmart, Krogerなど何十ものスーパーや小売店、空港、医療機関、教育機関を顧客に持つ。直近は、新型コロナウイルスの影響で小売店などを除菌する需要が拡大し、3月の利用は14%増。さらに今後30日間で25万時間以上の作業を予定しているという。

2009年創業、本社はサンディエゴ。SoftBank Group等から今回調達した$36Mは、海外展開の加速に活用する予定。

3.「食品デリバリー」Cheetah

[Commerce/フード] Cheetah
Series B ($36M) Eclipse Ventures, Floodgate, Hanaco Venture Capital and ICONIQ Capital

食品や生活用品のデリバリーサービス。

レストラン向けに食材などの卸売サービスを提供していたが、新型コロナウイルスの影響で売上高が80%減に。B2Bから消費者向けのD2Cサービスに業態転換し、パンや乳製品、肉などの食材、生活用品を卸売価格(低価格)で販売開始。ユーザーはアプリで注文すると、指定の受け渡し場所まで配送してくれる。さらに接触を避けるため、ユーザーの車のトランクに商品を直接入れてくれるという。新サービス開始後、1ヶ月の売上高は$1Mを達成。また、Impossible Foodsと提携し、アプリで注文ができる。

2015年創業、本社はサンフランシスコ。Eclipse Ventures等から今回調達した$36Mは、サービスの拡大に活用する予定。

4.「医療データAPI」Particle Health

[SaaS/データ] Particle Health
Series A-II ($12M) Collaborative Fund, Company Ventures, Menlo Ventures, Story Ventures, and Undisclosed Angel Investors

分散された医療データへの包括的なアクセスを可能にするAPI。

遠隔医療や薬局などのサードパーティは、これまでEpicやCernerなどの電子カルテシステムの医療データへのアクセスが難しかったが、本APIを利用することで医療データを容易に取得可能。すでに45,000以上の医療機関と連携し、約3億人のデータにアクセスできるという。直近では、新型コロナウイルスの問題解決に挑む遠隔医療など8社と契約し、140万人の患者の記録を提供。

2018年創業、本社はニューヨーク。Menlo Ventures等から今回調達した$12Mは、引き続き製品開発に活用する予定。

5.「UIデザインツール」Figma

[SaaS/コラボレーション] Figma
Series D ($50M) Andreessen Horowitz, Founders Fund, Greylock Partners, Henry Ellenbogen, Index Ventures, Kleiner Perkins Caufield & Byers, Sequoia and Undisclosed Angel Investors

UIデザインを共同編集できるツール。

UIデザインをリアルタイムで複数のメンバーが共同作業でき、チームでの開発に欠かせないデザインツール。Windows, Mac, Linux, Chromebookなど、様々なOSに対応する使い易さも特徴。すでに、 Airbnb, Slack, Twitter, Uberに加え、大手メディアや金融機関に活用されている。CEOのDylan FieldはPeter Thielの若手起業家育成プログラム「Thiel Fellowship」に採用された実績をもつ。$2Bのバリュエーションでユニコーンの仲間入り。

2012年創業、本社はサンフランシスコ。Andreessen Horowitz等から今回調達した$50Mは、買収やアクハイヤーに活用する予定。

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