今週の注目5社:ロボット家具 / マイクロLED / 自然派製品D2C / 日焼け止めD2C / 政府向けSaaS

September 16, 2019 今週の注目スタートアップ

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「ロボット家具」Ori

[HW/家具] Ori
Series B ($20M) Geolo Capital, INGKA Investments, Khosla Ventures and Sidewalk Labs

電動で開閉するスライド式のロボット家具。

ソファやベッド・クローゼット・机などが一体となったロボット家具。ボタンを押すとベッドやクローゼットがスライドして出てくる仕組み。使わない時は収納できるため都市部の狭い住居スペースも有効活用できる。価格は$5,990〜。専用アプリやAIスピーカーとも連動しており音声操作も可能。現在、天井から降りてくる「Cloud Bed」も開発中。2020年に予定しているアジア進出を見据え、IKEAとの提携を発表。

2015年創業、本社はボストン。Sidewalk Labs等から今回調達した$20Mは、製品開発および建築家や建設業者とのパートナーシップ拡大に活用する予定。

2.「マイクロLED」iBeam Materials

[HW/半導体] iBeam Materials
Unattributed VC (NA) Samsung Ventures

極小のLEDを基板上にコーティングする技術。

イオンビームを用いることで、薄くて柔らかい金属箔を含む様々な基板上にLEDをコーティングできるテクノロジー。従来のLCD(液晶ディスプレイ)やOLEDの100倍の輝度と10倍のエネルギー効率を実現。本技術により、大面積ディスプレイの製造コストを大幅に削減できるという。折りたたみ式のディスプレイや、植物工場の天井照明、ディスプレイが装着されたシューズ(ウェアラブルデバイス)など、新たな使途が期待されている。

2011年創業、本社はサンタフェ(ニューメキシコ州)。Samsung Ventures等から今回調達した資金は、引き続き開発費用に活用する予定。

3.「自然派製品D2C」Grove Collaborative

[Commerce/日用品] Grove Collaborative
Series D-II ($73.6M) General Atlantic, Glynn Capital Management, Greenspring Associates, Heron Rock, Lone Pine Capital, Mayfield Fund, MHS Capital, NextView Ventures and Norwest Venture Partners

環境に配慮した自然派製品のオンラインセレクトショップ。

ハンドソープなどの日用品やリップなどのパーソナルケア製品、おむつなどのベビー用品・ペット用品など幅広いラインナップを揃える。竹とサトウキビを使った「Tree-Free」トイレットペーパーなど、自社製品も販売している。急成長しており、2019年の売上高は昨年($104M)の3倍を見込んでいるという。今回の調達でユニコーン企業の仲間入り。環境に配慮した企業であることを証明する「B Corporation」認定も取得している。

2012年創業、本社はサンフランシスコ。General Atlantic等から今回調達した$73.6Mは、チームの拡大および環境に配慮したパッケージなどの製品開発に活用する予定。

4.「日焼け止めD2C」Lumasol

[Commerce/コスメ] Lumasol
Seed VC ($3M) Founders Fund and Greycroft

日焼け止めスプレーのD2C。

メイクの上からスプレーするだけの無臭日焼け止めミスト。SPF50+のプロダクト(FDA認可済)で紫外線を98%カットできるという。また、スプレーの容器が紫外線を検知して色を変え、再度塗る必要があるタイミングを教えてくれる。サブスクリプションモデルで、2020年初めにプロダクトをローンチ予定。ターゲットはミレニアル世代。

23歳のSophia Hutchinsが2019年に創業、本社はロサンゼルス。Founders Fund等から今回調達した$3Mは、チームの拡大および製品開発に活用する予定。

5.「政府向けSaaS」OpenGov

[SaaS/GovTech] OpenGov
Series D ($51M) 8VC, Andreessen Horowitz and Weatherford Capital Management

政府および地方自治体向けの分析プラットフォーム。

過去の歳出・歳入や来期の予算編成など、主に財務データに関する分析プラットフォーム。分析結果はソーシャルメディアやWebsiteを通じて市民も閲覧できるため、業務の効率性だけでなく運営の透明性も担保可能。既に2000以上の政府・地方自治体で活用され、$10Tを超える財務データを分析。Palantirの共同創業者であるJoe Lonsdaleも共同創業者(現会長)に名を連ねる。

2012年創業、本社はレッドウッドシティー(カリフォルニア州)。8VC等から今回調達した$51Mは、事業拡大に活用する予定。

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