今週の注目5社:植物肉 / インタラクティブ動画 / スマートナレッジ / 保険申請 / 派遣社員マネジメント
今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「植物肉」Beyond Meat
[Food & Beverages/代替たんぱく質] Beyond Meat
$240M @ $3.8B
植物性由来の材料で作られた人工肉ハンバーガー。
牛肉を使ったハンバーガーの味と触感を完全に再現するために、えんどう豆由来のたんぱく質や圧搾キャノーラ油・ココナッツオイルなど22の材料を使って作られているという。現在、スーパーマーケット、レストラン、ホテルなど33,000箇所以上で販売・使用されている。2018年の売上高は$87.9M(前年対比170%増)。ビル・ゲイツやレオナルド・ディカプリオらも出資し注目を集めている 。
2009年創業、本社はエル・セグンド(カリフォルニア州)。今回ナスダックに上場し、初日の時価総額は$3.8Bを記録。
2.「インタラクティブ動画」KERV
[SaaS/広告] KERV
Series A ($11M) Bessemer Venture Partners, Blume Ventures, Lightspeed Venture Partners, Magma Venture Partners, Samsung Ventures and Vestech Partners
AIを活用したインタラクティブ動画。
機械学習を利用することで、動画の1シーン毎のオブジェクトを認識可能。動画再生中にオブジェクトをクリックすると、動画は再生されたままで静止したシーンが画面左側のタブに保存される。オブジェクトをクリックするだけで、関連する詳細情報を表示したり、購入サイトに移行したりできる。eBay, HP, Lamborghiniなどを顧客に持つ。
2014年創業、本社はオースティン(テキサス州)。Vestech Partners等から今回調達した$11Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。
3.「スマートナレッジ」Golden
[Contents/ナレッジ] Golden
Seed VC ($5M) Andreessen Horowitz, Founders Fund, Gigafund, Liquid 2 Ventures and SV Angel
ナレッジデータベース。
最新技術やスタートアップの動向に焦点を当てたナレッジデータサービス。「DNAシークエンシング」や「Space X」など、分野・トピック毎に整理されているUIが特徴。関連する動画や学術論文、他のマルチメディアコンテンツを簡易に埋め込めるという。AIと実名での投稿を活用し、情報の信憑性を担保している。最新情報が更新されるとアラームで通知してくれる。価格はユーザー1人当たり$99/月。
2017年創業、本社はサンフランシスコ。Andreessen Horowitz等から今回調達した$5Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。
4.「保険申請」Indio Technologies
[SaaS/Insurtech] Indio Technologies
Series B-II ($20M) 8VC and Menlo Ventures
保険の申請プロセスをデジタル化するプラットフォーム。
紙ベースが主流の保険申請プロセスをデジタル化してくれる。複数の保険会社から聞かれる同様(基本的な)の質問には、一度回答するだけで全て反映される。また、ユーザーは関連するドキュメントをクラウド上にアップロードするだけで、必要なデータを抽出して保存してくれる。オンライン署名も導入しているため、印刷した文書をスキャンしたり、メールで送信する必要もない。主なターゲットは保険代理店。
2016年創業、本社はサンフランシスコ。Menlo Ventures等から今回調達した$20Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。
5.「派遣社員マネジメント」Sense Talent Labs
[SaaS/HR] Sense Talent Labs
Series B ($13.5M) Google Ventures
派遣社員のマネジメントプラットホーム。
マニュアルタスクの自動化だけでなく、派遣社員との双方向のコミュニケーションツール(チャット)を提供。NPS(顧客ロイヤルティ)などの測定結果も提供し、人材派遣会社や雇用元の企業はリテンションを高めることで採用費用を抑えられるという。既に顧客は200社以上。ギグワーカー やフリーランスなどの「派遣労働者」は、2020年までにアメリカの労働力全体の約43%を占めと言われており、注目のマーケット。
2016年創業、本社はサンフランシスコ。Google Ventures等から今回調達した$13.5Mは、引き続き開発費用に活用する予定。