挑戦こそがベンチャースピリット。大企業はついて来られるか? [Scrum Connect 2018 Report Vol.2]

December 11, 2018 by Tomoko

注目のヘルスケアは、全世界の人々の生活を変えるチャレンジ

次の登壇者は、活動量計・ウェアラブルセンサーを扱うベンチャーである『Spire』の創業者兼CEOジョナサン・パーレイ氏と、活動データを元にアドバイスをするサービスを行っている『Noom(ヌーム)』の日本のカントリーマネージャーである濱嵜 有理氏です。いずれもScrum Venturesの投資先です。


バーレイ氏率いるSpireは、従来のアクティビティロガーの「取り付けが面倒」「充電しなければならないから、寝てる間は使えない」という課題を解決したデバイス。下着に付けて利用でき、洗濯機や乾燥機に入れても問題ありません。他のアクティビティロガーと違って睡眠中も使えるのも大きなポイント。


Spireは歩数、心拍、呼吸などのログを取って解析してくれます。Spireは中でも呼吸を重視。呼吸を解析することで、緊張状態、ストレス状態など多くのことが読み取れます。日常の緊張状態や、睡眠中の呼吸から分かることはたくさんあります。既存のアクティビティロガーに対して、Spireが持つアドバンテージは大きいといえるでしょう。

日本の事業会社でのSpire Health Tagの導入例として、NTT西日本の睡眠サポートプロジェクトPeelsでの活用が紹介されました。Peelsでは、陸上競技部に在籍するアスリートに対し、睡眠計測を取り入れることによるパフォーマンスの向上を目指しています。競技に集中しながら高い精度の計測をする必要があり、軽く、体への負担もなく、計測の手間もいらないSpire Health Tagは理想的なデバイスです。

ハマサキ氏が日本での展開をハンドリングしているNoomは、世界で4500万人が使う健康管理サービス。これまでNoomを使った人の9割が減量に成功しています。
特徴的なのは専属のコーチがサポートしてくれること。単に食事を減らして痩せるというのではなく、必要なものは摂取し、『ガマン』をせずに痩せることが可能です。

これからセールスはビッグデータやAIで激変する

次に登壇したのは『Aarki(アーキー)』Sr.Director of Sales Japanの小林直樹氏と、『LeadGenius』President & Chairman of the Boardのプリャグ・ナルラ氏。こちらもScrum Venturesの投資先です。

おふたりの話によると、これから一番激変するのが、セールステクノロジーの世界。
もはや、経験や勘の世界ではなく「どうやったら売れるのか?」は緻密に分析され、ビッグデータとAIによって、キッチリと答えが出てしまうということ。


そんなテクノロジードリブンな世界が来れば、他社に勝つにはビッグデータとAIを導入するしかありません。それでいいのかと不安に思うかもしれませんが、それしか道はないのです。
ABテストも、従来とは違い、非常にマルチな変量を持ったテストができます。
とはいえ、「では10年後、人によるセールスマーケティングはなくなってしまうのですか?」という質問にはお二人とも「そんなことはないと思う」との回答。完全に自動化するのは無理で、AIのトレーニングデータなども経験豊かな人が作らないと効果的な運用はできないのだそうです。


テクノロジーが進化して職がなくなるのではなく、テクノロジーを使いこなさないと仕事が成立しなくなるということでしょう。

チャレンジがないと勝利もないのがベンチャーの世界

次なるスピーカーは、サプリメントやビタミン剤をカスタマイズして個別に送るサービスを行う『LemonBox』のCo-Founder &CEOのデレク・ウェン氏と、歩いたり、電車に乗ったり、車に乗ったり……というあらゆる移動にマイルを提供するサービスを立ち上げた『Miles』のCo-Founder &CEOジガー・ジャー氏。


起業前、デレク氏はウォルマートに、ジガー氏はシスコという大企業に勤めていました。それぞれ、その時の経験がベンチャーを起こす時にも活きたといいます。


「ベンチャーとして企業を立ち上げるのなら、何年か給料が出ないかもしれない、仕事を失うかもしれない……と不安に満ちた時期を経なければならないこともある。しかし、挑戦しなければならない」とジガー氏。デレク氏も不安定な時期を経て「はじめは上手くいかなかったとしても、いろんなチャンスがある」と語りました。おふたりともに苦労はしたものの、挑戦することを勧めていたのが印象的でした。


挑戦するスピリットこそが、ベンチャーにとっては大切。大企業に就職した経験から学べることは多い一方で、大企業にいては身に付かない『覚悟』のようなものも必要とされるようです。

日本の大企業は、ベンチャーの活力を取り入れられるか? [Scrum Connect 2018 Report Vol.3]に続く

[Scrum Connect 2018 Report]
Vol.1 日本の大企業に、シリコンバレー流ベンチャーのスピードと活力を!
Vol.2 挑戦こそがベンチャースピリット。大企業はついて来られるか?  
Vol.3 日本の大企業は、ベンチャーの活力を取り入れられるか?

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