「ドローンによる配送」はもう未来じゃない。新Amazon Prime Airの動画は必見。
すぐにでも実用化できそうなレベルに来たAmazonの「ドローン配送」
2013年に、Amazonが初めてドローンによる配送、Amazon Prime Airを発表した当初は「すごい!」「これは未来だ!」というポジティブな声があがる一方で、「でも実用化は先だよね」「10年後の話でしょ」という印象を持たれた方も多かったと思います。
そこからちょうど2年が経ち、Amazonは新しいPrime Airの動画を発表しました。まずはぜひ動画を御覧ください。1分で概要が把握できます。
Amazonは今回FAQのページを用意していますが、機能など主なポイントは以下の通りです。
- Amazonで注文された荷物を、倉庫から指定先までドローンで配送する。
- 運べる荷物の重量は5lbs(約2.3kg)まで。
- 配送時間は30分以下。
- 飛行する高度は400feet(約122m)以下。
- ドローン自体の重量は55lbs(約24.9kg)以下。
- ハイブリッドシステム:上昇用のプロペラと前進用のプロペラがついており、前進時には最高88km/hの速度が出る。
- ”Sense and avoid”機能:障害物を避け安全に飛行する技術
- 指定先に近づくとユーザは通知を受け取り、着陸用の「目印」を安全な場所に置く。ドローンはこの「目印」を認識し、自動で着陸する。
- これまでに10以上のドローンのプロトタイプをテスト。
- テストは主に、米国、英国、イスラエルで行われている。
- サービス開始は未定。
2年前の動画と比較するとよくわかりますが、様々な面で大きく進化を遂げていて、細部まで詳細に設計されている印象を受けます。今回の動画は編集などはなく、あくまで全てリアルなものであるということです。
もちろんFAAでの認可という大きなハードルはありますが、今すぐにでもトライアルサービスは開始できそうな完成度を感じます。「10年」というスパンの話では決してなく、これから1-2年、長くとも3年の間には身の回りで起こる「現実」になると感じています。
世界で最も遠くまで飛べる Top Flight Technologies
Scrum Venturesでもドローン分野に投資を実行しています。
MIT初のハイブリッドドローンメーカーのTop Flight Technologies社です。MIT Media Lab所長のJoi ItoさんやNew Yorkの有力VC ff Venturesなどとともに投資をしております。
2016年ボストンエリアの注目スタートアップTOP7にも選ばれています。
ドローンは、VR、衛星と並んで「フロンティアテック」と呼ばれて注目されており、昨年一年間で58の案件に$285Mの投資が集まっています。
市場の拡大は間違いないのですが、最大のボトルネックになっているが、テスラが切り開いた電気自動車市場と同じ「航続時間」の問題。
一般的なドローンは、パソコンなどと同じ「バッテリー」が用いられているため、空を飛ぶために大きなエネルギーを消費し、「30分」程度しか飛ぶことができません。
一方、Top Flightは、プリウスなどと同じガソリンとバッテリーを併用する独自のハイブリッドエンジンを搭載しているため、現時点で「2時間半」という圧倒的な航続時間を誇ります。距離にすると150km以上飛び続けることが可能となるため、応用の幅もぐんと広がります。
今回Amazonが示したように、すぐそこに来ている「配送」での利用以外にも、「防災」「農業」「医療」「メディア」など非常に幅広い用途が想定されているドローン。
来年以降どの応用分野から花が開いてくるか、今から楽しみです。