今週の注目5社:スイートプロテイン / 団体向けライドシェア / AI向けGPUクラウド / 低炭素セメント / 医師向けAIチャットボット

March 6, 2025 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「スイートプロテイン」Oobli

カテゴリ:Commerce/フード
ラウンド:Series B-III (NA)
主な投資家:Global Brain

砂糖の代替となる甘いタンパク質の開発。

砂糖や人工甘味料の代替品となる、ヘルシーな甘いタンパク質(スイートプロテイン)を開発するフードテックスタートアップ。精密発酵技術を活用しており、摂取時に血糖値や腸内マイクロバイオームに影響を及ぼさない点が特徴。現在、スイートプロテインを使用したチョコレートなどを販売している。広大な農地を必要とするサトウキビなどを原料とした従来の砂糖と比べ、低コストかつ環境に配慮した方法での生産が可能という。

2014年創業、本社はカリフォルニア州デイビス。Global Brain等から今回調達した資金は、海外展開の加速に活用する予定。

2.「団体向けライドシェア」Fetii

カテゴリ:App/モビリティ
ラウンド:Series A ($7.35M)
主な投資家:Radical Investments, Goodwater Capital, Y Combinator

団体向けのオンデマンドライドシェアサービス。

最大15人まで乗車可能なバンで団体(複数人)を目的地まで輸送するオンデマンドライドシェアサービスを提供するモビリティスタートアップ。各人がQRコードをスキャンするだけで分割された乗車賃を支払うことができ、簡単に支払いを済ませられる。大学生の移動手段や、企業のイベントなどで利用されている。現在、ダラス・ヒューストン・アトランタをはじめ、6州68都市でサービスを展開し、毎月20万人以上の乗客を輸送している。

2019年創業、本社はテキサス州オースティン。Radical Investments等から今回調達した$7.35Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。

3.「AI向けGPUクラウド」Lambda

カテゴリ:Service/AI
ラウンド:Series D ($480M)
主な投資家:Andra Capital, SGW, 1517 Fund, ARK Invest, Andrej Karpathy, Crescent Cove Advisors, Fincadia Capital Partners, G Squared, In-Q-Tel, KHK & Partners, NVentures, Pegatron, Super Micro Computer, US Innovative Technology Fund, Wistron, Wiwynn

AI開発のためのGPUクラウドサービス。

AIエンジニアが簡単かつ手頃な価格で規模に応じたAI製品を構築・テスト・展開できるインフラ構築を目指すAIクラウドプラットフォーム。NVIDIAと提携しており、NVIDIA GPUを搭載した高性能なクラウドGPUに時間単位でアクセスできるサービスを提供している。すでに10万人以上のユーザーを持ち、AIモデルのトレーニングや推論に利用されている。

2012年創業、本社はカリフォルニア州サンノゼ。Andra Capital等から今回調達した$480Mは、新製品の開発に活用する予定。

4.「低炭素セメント」Terra CO2 Technologies

カテゴリ:Others/サスティナビリティ
ラウンド:Series B ($82M)
主な投資家:Eagle Materials, GenZero, Just Climate, Breakthrough Energy

低炭素セメントの開発。

既存の鉱山や廃棄物から得られる安価で豊富かつ、環境に優しいケイ酸塩岩石を原料とした低炭素セメントを開発するサスティナビリティスタートアップ。従来の石灰石を原料としたセメントと同等以上の性能を持つセメント材料(建築資材)を供給すると同時に、炭素排出量を大幅に削減することが可能。ビルゲイツが脱炭素社会の実現を目指して設立した「Breakthrough Energy Ventures」も出資する注目スタートアップ。

2016年創業、本社はコロラド州ゴールデン。Eagle Materials等から今回調達した$82Mは、海外展開の加速に活用する予定。

5.「医師向けAIチャットボット」OpenEvidence

カテゴリ:SaaS/ヘルスケア
ラウンド:Series C ($75M)
主な投資家:Sequoia Capital

AIを活用した医師向けのチャットボット。

AIを活用し、医師が診療現場でより良い判断を下すための医療情報を提供するプラットフォームを開発するヘルスケアテックスタートアップ。医療専門誌などの情報を引用することで正確な情報提供を可能にしている。すでに1万を超える医療機関に導入され、米国の医師の4分の1が使用しているという。今回の資金調達によるバリュエーションは10億ドルを超え、ユニコーン企業の仲間入り。

2021年創業、本社はマサチューセッツ州ケンブリッジ。Sequoia Capital等から今回調達した$75Mは、パートナーシップの拡大に活用する予定。

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