今週の注目5社:サラダレストラン / 廃棄木材再利用 / セキュリティトレーニング / 合成繊維リサイクル / 産業用炭素回収技術
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「サラダレストラン」Just Salad
日本語読み:ジャストサラダ
カテゴリ:Service/フード
ラウンド:Unattributed-II ($200M)
主な投資家:Wellington Management, D1 Capital Partners, Neuberger Berman, Stripes Group
ヘルシーかつ環境に配慮したサラダレストラン。
ヘルシーで環境に配慮したファストカジュアルレストランを展開するフードテックスタートアップ。サラダに加え、ラップやボウル、スープ、スムージーなどにメニューを拡大。直近導入された「Salad AI」と呼ばれるツールは、ライフスタイルや栄養、味の好みに基づいてカスタマイズされたサラダレシピを提案してくれる。すでに100店舗にまでサービスを拡大している。今回の資金調達によるバリュエーションは10億ドルを超え、ユニコーン企業の仲間入り。
2006年創業、本社はニューヨーク。Wellington Management等から今回調達した$200Mは、サービスの拡大に活用する予定。
2.「廃棄木材再利用」Cambium Carbon
日本語読み:カンビウム カーボン
カテゴリ:SaaS/サスティナビリティ
ラウンド:Series A ($18.5M)
主な投資家:VoLo Earth Ventures, Alumni Ventures, Dangerous Ventures, Groundswell Ventures, MaC Venture Capital, New Enterprise Associates, Revolution Rise Of The Rest Seed Fund, Soma Capital, The 81 Collection, Tunitas Venture, Ulu Ventures, Understorey Ventures, Woven Earth
廃棄される木材の再利用プラットフォーム。
木材産業のDX化を通じ、廃棄木材を再利用するサプライチェーンプラットフォームを構築するサスティナビリティスタートアップ。AIを活用し、植林会社や製材工場、建築会社をはじめとする企業を繋ぎ、サプライチェーン全体を一括管理できるプラットフォームを開発。加えて、病気や腐敗、災害、開発などの影響で廃棄される木材を加工し、「Carbon Smart Wood」と呼ばれる家具用木材や建築資材を販売することで炭素排出量の削減に貢献している。
2021年創業、本社はメリーランド州ボルチモア。VoLo Earth Ventures等から今回調達した$18.5Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
3.「セキュリティトレーニング」Anagram
日本語読み:アナグラム
カテゴリ:SaaS/セキュリティ
ラウンド:Series A ($10M)
主な投資家:Madrona Venture Group, Bloomberg Beta, General Catalyst, Operator Partners, secure octane
企業向けのセキュリティトレーニングプラットフォーム。
AIを活用したセキュリティトレーニングプログラムで従業員のサイバーセキュリティに関する意識と行動を変革させるプラットフォームを開発するスタートアップ。AI駆動のフィッシングシミュレーションやインタラクティブかつ短時間(数分)の動画を活用することで、フィッシング攻撃による被害を大幅に低減できるという。すでにFortune 500を含む企業に導入され、50万人以上のユーザーをサポートしている。
2021年創業、本社はニューヨーク。Madrona Venture Group等から今回調達した$10Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
4.「合成繊維リサイクル」Tereform
日本語読み:テリフォーム
カテゴリ:Service/サスティナビリティ
ラウンド:Seed VC ($1.25M)
主な投資家:Accelr8, Toyota Ventures
合成繊維のリサイクル技術。
酸素とバイオベースの溶剤を利用し、再利用が難しい素材であった合成繊維(主にポリエステル)をケミカルリサイクルする技術を開発するスタートアップ。衣服の製造に使用された素材のうち、新しい衣服としてリサイクルされるのは1%未満と言われており、Tereformの技術を活用することで繊維廃棄物の削減が期待されている。米エネルギー省傘下の国立再生可能エネルギー研究所からのスピンアウト。
2022年創業、本社はコロラド州デンバー。Accelr8等から今回調達した$1.25Mは、サービスおよびチームの拡大に活用する予定。
5.「産業用炭素回収技術」Mitico
日本語読み:ミティコ
カテゴリ:Others/サスティナビリティ
ラウンド:Seed VC-IV ($4.3M)
主な投資家:Exergon, AP Ventures, Alliance for Southern California Innovation, Deepbright Ventures, Freeflow Venture Builders, Gore Ventures, Halliburton Labs, SOSV
産業用炭素回収技術の開発。
炭酸カリウムを利用した独自の化学吸着剤で、産業用炭素回収技術を開発するサスティナビリティスタートアップ。Miticoの粒状吸着剤をプラント施設に配備することで、火力発電所や製油所のボイラー、バイオマス発電施設などの産業用施設から燃焼後に排出される排気ガスに含まれる二酸化炭素の95%以上を回収可能という。カリフォルニア工科大学で開発された技術で、脱炭素化の推進が期待されている。
2022年創業、本社はカリフォルニア州パサデナ。Exergon等から今回調達した$4.3Mは、技術開発に活用する予定。