今週の注目5社:デジタルギフトカード / サスティナブル培養土 / 会話型音声AI / 炭素除去ソリューション / AI動画編集

December 19, 2024 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「デジタルギフトカード」On Me

カテゴリ:App/ギフト
ラウンド:Pre-Seed ($1.7M)
主な投資家:Lerer Hippeau, Mastercard

デジタルギフトカードを贈るアプリ。

テニスやランニングなどのスポーツ、コーヒー、美容をはじめ、70種類以上のさまざまなジャンルが用意されたデジタルギフトカードを開発するスタートアップ。ユーザーは贈られた人や自分の趣味・興味に関連するジャンルと金額を選択してメールで贈るだけ。受け取った人はジャンルに関連したブランドや店舗から好みの商品を選んで購入できる仕組み。デジタルカードにより、毎年廃棄される数十億枚のプラスチックカードを削減することが可能という。

2022年創業、本社はサンフランシスコ。Lerer Hippeau等から今回調達した$1.7Mは、サービスの拡大に活用する予定。

2.「サスティナブル培養土」Rosy Soil

カテゴリ:Commerce/アグリテック
ラウンド:Seed VC-II ($3.6M)
主な投資家:Boost VC, Climate Capital, Draper Associates, Superorganism

泥炭を含まない持続可能な培養土の開発。

バイオ炭を原料としたガーデニング用の高品質な培養土を開発するアグリテックスタートアップ。炭素を蓄える生態系として重要な役割を持つ従来の泥炭に代わり、バイオ炭を活用することで、環境への影響を軽減しながら植物の生育をサポートすることが可能。観葉植物や多肉植物、苗木など、さまざまな植物の栽培に適しており、直近ではオンラインに加え、Targetなどの小売店舗でも購入できる。

2022年創業、本社はニューヨーク。Climate Capital等から今回調達した$3.6Mは、製品開発およびチームの拡大に活用する予定。

3.「会話型音声AI」PlayAI

カテゴリ:SaaS/音声
ラウンド:Seed VC-II ($21M)
主な投資家:500 Global, Kindred Ventures, Pioneer Fund, Race Capital, Soma Capital, TRAC, Y Combinator

開発者やクリエイター、企業向けの会話型音声AIプラットフォーム。

音声クローンの生成や、リアルタイムの音声エージェント機能を通じて、人間のような自然な会話が可能な音声AIプラットフォームを提供するスタートアップ。数億件の会話を基にトレーニングされた「PlayDialog」と呼ばれる音声モデルは、イントネーションや感情、会話のペースをリアルタイムで調整でき、カスタマーサポートなどの分野で利用されている。すでに4万人以上のユーザーを持つ。Y Combinatorが主催する2023年冬のバッチにも参加した注目スタートアップ。

2016年創業、本社はカリフォルニア州パロアルト。500 Global等から今回調達した$21Mは、引き続き製品開発に活用する予定。

4.「炭素除去ソリューション」Heirloom

カテゴリ:HW/サスティナビリティ
ラウンド:Series B ($150M)
主な投資家:Future Positive Capital, Lowercarbon Capital, Ahren, Breakthrough Energy, Carbon Direct Capital, H&M Group, Japan Airlines, MCJ Collective, MOL Switch, Mitsubishi, Mitsui, Quantum Innovation Fund, Siemens Financial Services

石灰石を利用した炭素除去ソリューション。

安価かつ世界中に豊富に存在する吸着剤である、石灰石の炭素鉱物化プロセスを利用したDAC(Direct Air Capture)ソリューションを開発するサスティナビリティスタートアップ。自然界では石灰石が二酸化炭素を吸収するのに数年かかるが、Heirloomが開発した設備内ではわずか3日に短縮でき、地中に永久貯蔵できるという。ビルゲイツが脱炭素社会の実現を目指して設立した「Breakthrough Energy Ventures」も出資する注目スタートアップ。

2020年創業、本社はサンフランシスコ。Lowercarbon Capital等から今回調達した$150Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

5.「AI動画編集」Lica

カテゴリ:SaaS/動画編集
ラウンド:Seed VC ($4M)
主な投資家:Accel, Amjad Masad, Balaji Srinivasan, Michele Catasta, South Park Commons, Village Global

AIを活用した動画編集プラットフォーム。

カスタマーサクセスやセールスチーム向けに、チュートリアルやプロダクトのデモ動画などを簡単に制作できるAIツールを開発するスタートアップ。スクリーンショットや画面録画を数分の動画に編集するだけでなく、AIアシスタントにテキストや音楽の追加、言語の変更などの編集作業も依頼できる。現在、3分のビデオを10本まで作成できる無料プランに加え、月額49ドルを支払うと、10分のビデオを無制限に作成できるプランが用意されている。

2023年創業、本社はサンフランシスコ。Accel等から今回調達した$4Mは、サービスの拡大に活用する予定。

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