今週の注目5社:ドローン警察 / ホームスマートクリニック / ゲームキャラクター生成AI / 妊婦向け合併症診断 / 遺伝子治療プラットフォーム
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「ドローン警察」Brinc
カテゴリ:HW/ドローン
ラウンド:Series C ($80M)
主な投資家:Index Ventures, Next Play Ventures, Sam Altman, Tusk Ventures
ファーストレスポンダーをサポートする警察用ドローン。
Lidarを搭載し、GPSが機能しない屋内でも安全に飛行でき、リアルタイムの双方向通信を通じて警察官や消防士をはじめとするファーストレスポンダーに目と耳の機能を提供するドローン。「LEMUR」と呼ばれるドローンには自動車や住宅のガラスを容易に粉砕するブレードが搭載されており、特殊部隊「SWAT」は、容疑者との交渉に当社のドローンを使用している。「Brinc Ball」と呼ばれ、災害時などに人が入ることが困難な場所での通信用の新製品も開発。
2019年創業、本社はラスベガス。Index Ventures等から今回調達した$80Mは、サービスの拡大に活用する予定。
2.「ホームスマートクリニック」TytoCare
カテゴリ:Service/ヘルスケア
ラウンド:Series D-III ($49M)
主な投資家:Insight Partners, Clal, HOOPP, MemorialCare Health System
自宅でクリニックと同等の診察が受けられる遠隔診療用の検査デバイス。
アプリとFDA認可取得済みの専用検査デバイスを通じて、医師のガイド付き診察(病院と同等)が自宅で受けられるホームスマートクリニック。自宅で体温・喉・耳・心拍や肺などの状態を診察でき、医師とのビデオチャットを通じて処方箋も入手可能。慢性・急性疾患に関わらず、リモートで質の高いプライマリケアが受けられる。直近では、喘息患者向けにAIが搭載された新たな検査デバイスの提供も開始している。
2011年創業、本社はニューヨーク。Insight Partners等から今回調達した$49Mは、サービスの拡大に活用する予定。
3.「ゲームキャラクター生成AI」Inworld AI
カテゴリ:Game/AI
ラウンド:Series A-II ($50M)
主な投資家:First Spark Ventures, LG Technology Ventures, Lightspeed Venture Partners, M12, Samsung NEXT, Stanford University
AIを活用したゲームキャラクター生成プラットフォーム。
大規模言語モデル(LLM)を応用した技術で、ゲームキャラクターの対話を生成するプラットフォームを開発するAIスタートアップ。NPC(ノンプレイヤーキャラクター)と呼ばれるゲーム上でプレイヤーが操作しないキャラクターの声やセリフ、動作、表情など、複数の対話パターンをノーコードで実装でき、性格や思考、行動が異なるさまざまなキャラクターを構築可能。今回の資金調達によるバリュエーションは5億ドルという。
2021年創業、本社はマウンテンビュー(カリフォルニア州)。Lightspeed Venture Partners等から今回調達した$50Mは、チームの拡大に活用する予定。
4.「妊婦向け合併症診断」Mirvie
カテゴリ:Biotechnology/フェムテック
ラウンド:Grant ($4.6M)
主な投資家:Bill & Melinda Gates Foundation
妊婦の合併症を予測する血液検査。
簡単な血液検査を使用して、妊娠の合併症が発生する数か月前に予測し、予防・治療することを可能にする「Mirvie RNA」プラットフォームを開発するフェムテックスタートアップ。機械学習を活用した独自の分析を通じて、妊婦の主な死亡原因となる子癇前症を発症する人の75%を検出できるという。
2018年創業、本社はサウスサンフランシスコ(カリフォルニア州)。Bill & Melinda Gates Foundation等から今回調達した$4.6Mは、引き続き研究開発費用に活用する予定。
5.「遺伝子治療プラットフォーム」Remedium Bio
カテゴリ:Biotechnology/DNA
ラウンド:Grant (NA)
主な投資家:National Science Foundation
次世代遺伝子治療プラットフォームの開発。
「Prometheus」と呼ばれる、新たな遺伝子治療プラットフォームを開発するバイオテックスタートアップ。変形性関節症を患う患者の症状の進行を遅らせると同時に、減少した軟骨の回復を促進する単回注射治療を開発中。今後は、2型糖尿病および肥満治療への適用を目指して開発を進めるという。
2020年創業、本社はニーダム(マサチューセッツ州)。National Science Foundation等から今回調達した資金は、引き続き研究開発費用に活用する予定。
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