今週の注目5社:代替油脂 / デジタルショッピング / 代替マグロ / 次世代放射線治療 / レジなし自動決済

March 23, 2022 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。

1.「代替油脂」Lypid

[Biotechnology/フード] Lypid
Seed VC-II ($4M) Big Idea Ventures, Foodland Ventures, Green Generation Fund, IndieBio

植物性の油脂を開発するフードテックスタートアップ。

人工添加物やトランス脂肪酸などを含まず、パーム油とココナッツ油を利用したヘルシーな代替油脂「PhytoFat」を開発中。高温で調理した際にも動物性油脂のような風味を維持でき、代替タンパク質を使った肉料理を本物の味に近づけることが可能という。2022年内には製品をローンチ予定。バイオテックに特化したアクセラレーター「IndieBio」も出資する注目スタートアップ。

2020年創業、本社はサンフランシスコ。Green Generation Fund等から今回調達した$4Mは、ローンチに向け引き続き開発費用に活用する予定。

2.「デジタルショッピング」Swiftly

[SaaS/リテール] Swiftly
Series B ($100M) Bramalea Partners, Gaingels, Liquid 2 Ventures, PROOF, Sand Hill Angels, Silicon Ventures, The Martin Family, Western Technology Investment, and Wormhole Capital

小売店舗向けのデジタルショッピングプラットフォーム。

スーパーマーケットなどのリアル店舗でのショッピング体験をデジタル化できるプラットフォームを開発するリテールテックスタートアップ。日用品などを実店舗で買い物をする顧客に、アプリを通じて店舗の製品ラインナップ(カタログ)を通知したり、パーソナライズされた広告やお得なクーポンを提供したり、購入後のデリバリーオプションなども提供してくれる。

2017年創業、本社はシアトル。Wormhole Capital等から今回調達した$100Mは、チームの拡大及び開発費用に活用する予定。

3.「代替マグロ」Finless Foods

[Biotechnology/フード] Finless Foods
Series B-II ($34M) At One Ventures, Dainichi Corp., Draper Associates, Gaingels, Hanwha Solutions, Humboldt Fund, Justin Kan, Olive Tree Capital, SOSV, and Sustainable Ocean Alliance

植物性や細胞培養のマグロを開発するフードテックスタートアップ。

アメリカで最初に細胞培養技術を活用した代替シーフードを開発する企業で、本物のマグロの細胞から培養マグロの開発に取り組んでいる。また、マグロ資源の回復に向け、植物ベースのマグロも同時に提供している。今後は2022年内に植物ベースのマグロを全米で発売し、細胞培養クロマグロのパイロット工場も建設予定という。日本からは水産加工企業のダイニチが出資している。

2017年創業、本社はエメリービル(カリフォルニア州)。Hanwha Solutions等から今回調達した$34Mは、研究開発および製造設備の拡大に活用する予定。

4.「次世代放射線治療」RefleXion

[Service/ヘルスケア] RefleXion
Series E ($80M) Ally Bridge Group, Ascension Ventures, Catalio Capital Management, Hillenbrand, Johnson & Johnson Innovation, KCK, Pfizer Venture Investments, Public Sector Pension Investment Board, Sixty Degree Capital, T. Rowe Price, The Rise Fund, and Venrock

がん治療のための次世代放射線治療システム。

PET-CT検査と放射線治療を組み合わせることで、リアルタイムに複数あるがん腫瘍の位置を特定し治療する次世代がん治療システムを開発するヘルステックスタートアップ。転移する位置を特定して治療できるため、5年生存率が31%未満と言われる末期がん患者を対象とした放射線治療の選択肢を拡大する可能性を秘めている。現在2000人以上の患者に利用されているという。

2009年創業、本社はヘイワード(カリフォルニア州)。Johnson & Johnson Innovation等から今回調達した$80Mは、開発費用に活用する予定。

5.「レジなし自動決済」AiFi

[Service/リテール] AiFi
Series B ($65M) Aldi, HP Tech Ventures, Mithril Capital Management, Qualcomm Ventures, REWE Group, Verizon Ventures, and Zabka

非接触型のレジなし店舗システムの開発。

カメラ・センサー・AIを駆使することで、顧客が棚からとった商品を判別して自動で決済してくれるプラットフォームを開発するリテールテックスタートアップ。最大1万平方フィートのスペースで数万のSKUをトラッキング可能。食料品店やコンビニエンスストア、スタジアム内の店舗などを対象としている。重量を検知する棚などは不要なためシステムを導入する期間も短く、費用も安いという。

2016年創業、本社はサンタクララ(カリフォルニア州)。Verizon Ventures等から今回調達した$65Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。

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