今週の注目5社:リニューアブル水素 / どこでもインターネット / AI細胞分類 / 仮想通貨取引プラットフォーム / スマートグリッド

April 1, 2022 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。

1.「リニューアブル水素」Raven SR

[Biotechnology/サスティナビリティ] Raven SR
Unattributed VC (NA) Samsung Ventures

都市ごみからリニューアブル水素・燃料を製造する技術。

都市ごみなどの廃棄物から、水素と一酸化炭素を含む合成ガスを製造する技術を開発するクリーンテックスタートアップ。水蒸気と化学反応を利用して燃焼させずにガス化する特許取得済みの同社の技術により、生成した合成ガスからクリーンで安価なリニューアブル水素や燃料の製造が可能。電気自動車用の燃料やジェット燃料などへの利用が期待されている。

2018年創業、本社はパインデール(ワイオミング州)。Samsung Ventures等から今回調達した資金は、アジア圏への海外展開の加速に活用する予定。

2.「どこでもインターネット」Kymeta

[Enterprise/通信] Kymeta
Unattributed VC-II ($84M) Andreessen Horowitz, Bill Gates, Hanwha Systems, and Undisclosed Investors

持ち運び可能なフラットタイプのアンテナ開発。

僻地などを移動中でも衛星経由でインターネットに接続し、モバイル通信を行うことができる次世代型のフラットパネルアンテナ。メタマテリアル・ベースのアンテナは持ち運び可能かつフラットタイプのため、自動車や船舶、航空機などの移動体にも設置することが従来より容易という。すでに軍事や自治体などの緊急時対応、海洋調査など幅広く利用されている。Bill Gatesが出資する注目スタートアップ。

2012年創業、本社はレドモンド(ワシントン州)。Andreessen Horowitz等から今回調達した$84Mは、製造設備の拡大に活用する予定。

3.「AI細胞分類」Deepcell

[Biotechnology/ヘルスケア] Deepcell
Series B ($73M) Andreessen Horowitz, Bow Ventures, Bridger Healthcare Partners, Casdin Capital, Horizons Ventures, Jeff Dean, Koch Disruptive Technologies, and Matt Mcllwain

AIを利用して細胞を識別・分類する技術の開発。

機械学習、マイクロフルイディクス(マイクロ流体工学)、イメージング、ゲノミクスなどの最先端の技術を組み合わせて、細胞を識別・分類する技術を開発するバイオテックスタートアップ。10億分の1の頻度で発生する特異な細胞も識別できるといい、研究開発だけでなく診断や予防など、プレシジョンメディシン(精密医療)の分野での利用が期待されている。スタンフォード大学からのスピンアウト。

2017年創業、本社はメンローパーク(カリフォルニア州)。Andreessen Horowitz等から今回調達した$73Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

4.「仮想通貨取引プラットフォーム」Optimism

[Others/金融] Optimism
Series B ($150M) Andreessen Horowitz, and Paradigm

仮想通貨「イーサリアム」のL2(レイヤー2)ソリューションの開発。

NFTなどの普及で急拡大するイーサリアムの取引をスケール化するためのレイヤー2ソリューションの1つである「Optimistic Rollup」を開発するスタートアップ。イーサリアムブロックチェーンの外部で取引処理を行い、1つにまとめてからメインチェーンに記録する仕組みで、ネットワークの処理能力向上(高速化)、手数料削減につながると期待されている。これまでにユーザーにとって$1Bの手数料を削減した実績を持つ。

2019年創業、本社はサンフランシスコ。Paradigm等から今回調達した$150Mは、チームの拡大に活用する予定。

5.「スマートグリッド」SparkMeter

[SaaS/エネルギー] SparkMeter
Unattributed VC ($10M) Alitheia Capital, Breakthrough Energy Ventures, and Clean Energy Ventures

スマートグリッドソリューションの開発。

電力へのアクセスに問題がある地域向けに、グリッド管理のためのスマートメーターならびにソフトウェアを開発。グリッドシステムのパフォーマンスはリモートで監視でき、メンテナンスの必要性を可視化したり、ローカルでの支払いプロセスを自動化したりできる。すでに25ヶ国でメーターを販売した実績を持つ。ビルゲイツのBreakthrough Energy Venturesも出資している。

2013年創業、本社はワシントン。Clean Energy Ventures等から今回調達した$10Mは、海外展開の加速に活用する予定。

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