今週の注目5社:持続可能ジェット燃料 / 位置情報分析SaaS / オフィス管理SaaS / 卵巣治療プラットフォーム / 脱炭素工場
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。
1.「持続可能ジェット燃料」LanzaJet
[Biotechnology/サスティナビリティ] LanzaJet
Corporate Minority-III ($50M) Microsoft
持続可能なジェット燃料を製造するクリーンテックスタートアップ。
農業廃棄物やバイオマスなど、廃棄物ベースのエタノールを原料とし、低コストなバイオジェット燃料や再生可能なディーゼル燃料を精製している。現在、2023年に向けて年間1,000万ガロン相当のジェット燃料を生産可能なプラント施設を建設中。日本からは三井物産やANAも出資している。今回新たにMicrosoftが主導する気候イノベーション基金「Climate Innovation Fund」から資金を調達。
2020年創業、本社はシカゴ。Microsoft等から今回調達した$50Mは、プラントの建設費用に活用する予定。
2.「位置情報分析SaaS」Placer.ai
[Enterprise/ロケーション] Placer.ai
Series C ($100M) Array Ventures, Fifth Wall Ventures, WndrCo, Lachy Groom, MMC Technology Ventures
位置情報を分析するプラットフォーム。
匿名化された消費者に関する移動経路や滞在時間などの位置情報データを収集し、分析してくれるプラットフォーム。顧客は、時間や曜日、顧客セグメントなどでフィルタリングすることができるという。Regency Centers、Planet Fitness、BJ’s Wholesale Club、Grocery Outletなど、すでに不動産、小売、CPG、自治体など約1000社を顧客に持つ。今回の資金調達によるバリュエーションは$1Bとユニコーン企業の仲間入りを果たした。
2016年創業、本社はロスアルトス(カリフォルニア州)。Fifth Wall Ventures等から今回調達した$100Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
3.「オフィス管理SaaS」Envoy
[SaaS/オフィス] Envoy
Series C-II ($111M) Andreessen Horowitz, Balyasny Asset Management, Brookfield Growth, Menlo Ventures, Initialized Capital, Haystack, BAM Elevate, Seven Seven Six, Triple Point Capital, Elad Gil
来客や従業員の出入室を管理するオフィス管理プラットフォーム。
新型コロナウイルスとの共存が進む中、自宅とオフィスのハイブリッドワークをサポートするために、従業員が安全かつフレキシブルに働くことができる職場環境を実現するためのオフィス管理プラットフォーム。同僚とのスケジュール調整や、デスク・会議室の予約、来客対応、配達物の受け取り、ワクチン接種・検査結果の確認などを行うことができるという。すでにSlack、Pinterest、Warby Parkerなどを顧客に持つ。
2013年創業、本社はサンフランシスコ。Andreessen Horowitz等から今回調達した$111Mは、チームの拡大に活用する予定。
4.「卵巣治療プラットフォーム」Gameto
[Biotechnology/フェムテック] Gameto
Series A ($20M) Anne Wojcicki, BOLD Capital Partners, Future Ventures, Lux Capital, Overwater Ventures, Plum Alley, Robert Nelsen, and TA Ventures
女性の健康向上を目的とした卵巣治療プラットフォーム。
卵巣の老化を遅らせる技術を開発するフェムテックスタートアップ。5倍早いペースで進むとされる卵巣の老化を、肝臓・脳・皮膚など、他の臓器の老化速度と同等にするための卵巣治療プラットフォームを開発中。まずは不妊治療のプロセス改善から始め、更年期障害による女性の健康状態の悪化の改善も期待されている。
2020年創業、本社はニューヨーク。Future Ventures等から今回調達した$20Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
5.「脱炭素工場」Skyven Technologies
[Service/サスティナビリティ] Skyven Technologies
Seed VC ($4M) Global Founders Capital, SWAN Impact Network, and VoLo Earth Ventures
工場の脱炭素化を推進するサービス。
製造工場などで発生するプロセス熱によって引き起こされる炭素排出量を削減するサービス。ボイラーから冷却装置をはじめ、AIを利用することで化石燃料の消費を大幅に削減可能な機会を特定してくれる。また、リアルタイムのデータを管理するIoTプラットフォームを介して、カーボンアカウンティング(炭素会計)からリスク管理に至るまでコントロール可能。顧客企業は年間20万〜500万ドルのコストを削減できるという。
2013年創業、本社はリチャードソン(テキサス州)。Global Founders Capital等から今回調達した$4Mは、サービスの拡大に活用する予定。
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