今週の注目5社:在宅介護サポートアプリ / 廃棄物管理SaaS / 衣料リサイクル / 法律文書検索SaaS / バイオシミュレーション
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。
1.「在宅介護サポートアプリ」ianacare
[App/介護] ianacare
Series A ($12.1M) Greycroft, 8VC, SemperVirensVC, Able Partners, Brown Alumni Group, Slow, Founder Collective, Indicator Ventures, Entree Capital, Cue Ball, Service Provider Capital, and AARP
家族介護者をサポートするアプリ。
家族介護者が投薬や食事の管理に加え、病院や施設への予約・訪問など、介護に関する情報伝達やアレンジを家族・知人と簡単にできるアプリ。専門家のコンテンツにアクセスしたり、企業の福利厚生も利用可能。また、介護者のコーチングやコミュニティへも無制限にアクセスできる。Anthem, Inc.などとのパートナーシップを通じて、2021年3月のローンチ以降、40万人以上の生活をカバーしているという。
2017年創業、本社はボストン。Greycroft等から今回調達した$12.1Mは、チームおよびパートナーシップの拡大に活用する予定。
2.「廃棄物管理SaaS」Roadrunner Recycling
[SaaS/サスティナビリティ] Roadrunner Recycling
Series D ($70M) BeyondNetZero, Adams Capital Management, and Headline
廃棄物の管理およびリサイクルプラットフォーム。
段ボールや紙、プラスチック、ガラスなど、企業活動から排出される廃棄物の種類や量、場所をAIを活用して予測・管理し、適切なコンテナで回収することで新たに利用可能な場所でリサイクルしてくれるプラットフォーム。顧客企業は、毎月の廃棄物とリサイクルのコストを平均20%節約可能。これまでに20万トン以上の廃棄物を埋め立て地から8,000以上の場所で再利用し、企業は$50M以上を節約しているという。
2014年創業、本社はピッツバーグ。BeyondNetZero等から今回調達した$70Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
3.「衣料リサイクル」Ambercycle
[Others/材料] Ambercycle
Series A ($21.6M) H&M CO:LAB, Invest Fwd, KIRKBI, Temasek, and Zalando
衣料品のリサイクルテクノロジー。
使用済みで廃棄される衣料品を分子レベルで分離し、新たに精製することでブランドやデザイナーが原材料として再加工できるようにする技術。同社の「Cycora」と呼ばれる最初の再生材料は、ポリエステルの代替品として活用可能で、すでに循環型ファッションの推進を掲げるH&Mなどとコラボレーションしている。毎年大量に廃棄されるファッション業界のサーキュラーエコノミー構築に向けて期待されている。
2015年創業、本社はロサンゼルス。H&M CO:LAB等から今回調達した$21.6Mは、生産能力の拡大に活用する予定。
4.「法律文書検索SaaS」Casetext
[SaaS/リーガル] Casetext
Series C ($25M) Canvas Ventures, and Union Square Ventures
判例などの法律文書を検索できるプラットフォーム。
膨大な判例データベースからキーワード検索で必要な法律文書を探し出せるプラットフォームを提供するリーガルテックスタートアップ。また「CARA AI」と名付けられた検索エンジンでは、自然言語処理を利用してユーザーがアップロードした判例を読み取り、シチュエーションや文脈を解析して類似する別の判例を提示してくれる。すでに8500以上の法律事務所の実務に活用されているという。
2013年創業、本社はサンフランシスコ。Union Square Ventures等から今回調達した$25Mは、開発費用に活用する予定。
5.「バイオシミュレーション」VeriSIM Life
[SaaS/バイオテック] VeriSIM Life
Series A ($15M) Colorcon Ventures, Debiopharm Investment, Intel Capital, Morpheus Ventures, OCA Ventures, Serra Ventures, and Susa Ventures
AIを活用したバイオシミュレーションプラットフォーム。
医薬品の開発プロセスで治験前に必要となる動物実験にかかるコスト・時間を回避・削減できるバイオシミュレーションプラットフォーム。当社の「バーチャル創薬エンジン」は、AIを活用することで特定の病気や治療に期待される価値を提供する化合物の数を絞り込むことができるため、医薬品を市場に投入するためにかかる時間とコストを大幅に削減することができるという。
2017年創業、本社はサンフランシスコ。Morpheus Ventures等から今回調達した$15Mは、販売およびマーケティングの強化に活用する予定。
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