今週の注目5社:オンラインイベント / 書類スキャンロボット / 自動運転 / クレジットスコア管理 / コードレス開発
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白い米国のスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「オンラインイベント」Run the World
[Marketplace/イベント] Run the World
Seed VC ($4.3M) 122WEST, Andreessen Horowitz, GSR Ventures and Pear
オンラインイベントの開催に特化したプラットフォーム。
オンラインイベントの開催に必要な参加者の登録、ビデオ会議システム、質問などの双方向のやりとり、参加者同士のネットワーキング機能などを一気通貫で提供してくれる。そのため、ユーザーはイベントの「トピック決め」と「スピーカーの手配」、「チケット販売」に注力するだけで良い。Run the Worldはチケット収入の25%を徴収する仕組み。コロナウイルスの影響もあり、サービス提供開始からわずか4か月で数十回のイベントで利用され、すでに数百以上のイベントが予定されているという。
2019年創業、本社はマウンテンビュー(カリフォルニア州)。Andreessen Horowitz等から今回調達した$4.3Mは、引き続き開発費用に活用する予定 。
2.「書類スキャンロボット」Ripcord
[HW/ロボット] Ripcord
Series B-III ($45M) Baidu Ventures, CDK Global, Google Ventures, Icon Ventures, Kleiner Perkins Caufield & Byers, Lux Capital, Silicon Valley Bank, Steve Wozniak and Tyche Partners
書類をスキャンしてデジタル化してくれるロボット。
ロボット工学やコンピュータービジョンなどのAIを活用したロボットで高性能カメラ、レーザーなどを含む50個以上のセンサーが搭載されている。ユーザーは書類などの大量の紙をセットするだけで、ホッチキスも自動で外してスキャンしてくれる。データは即座にクラウド上に格納され、インデックス付けや分類もしてくれるため検索も可能。Coca Cola, Chevron, MUFG Bankなどを顧客に持つ。Appleの共同創業者であるSteve WozniakやGV、Baiduなどが出資。
2015年創業、本社はヘイワード(カリフォルニア州)。CDK Global等から今回調達した$45Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。
3.「自動運転」Pony.ai
[Enterprise/自動運転] Pony.ai
Series B ($462M) IDG Capital, Sequoia Capital China and Toyota
自動運転システムを開発するスタートアップ。
レベル4の自動運転システムを開発中。これまでに複雑な環境下で数百万キロにのぼる実証実験を行い、2018年から広州でロボタクシーサービスのパイロットプログラムを開始。2019年11月にはカリフォルニア州でも同様のプログラムを開始し毎日数百人以上の乗客にサービスを提供しているという。現在Pony.aiの自動運転システムを搭載したレクサスで実証実験を継続し開発を加速中。バリュエーションは$3B。
2016年創業、本社はフリーモント(カリフォルニア)。Toyota等から今回調達した$462Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
4.「クレジットスコア管理」Credit Karma
[Service/金融] Credit Karma
$7.1B by Intuit
クレジットスコアを管理できるアプリ。
個人のクレジットスコアレポートを無料で提供するフィンテックユニコーン。同時にスコアの改善に向け、ユーザーに適したクレジットカードやローン商品も提案してくれるパーソナル金融アシスタントの機能も持つ。収益は、クレジットカードを発行する金融機関やローンの貸し手から手数料を徴収する仕組み。登録ユーザー数は1億人を超え、月間のアクティブユーザー数は3700万人。直近年度の売上高は$1B以上という。
2007年創業、本社はサンフランシスコ。今回大手会計ソフト「Intuit」が$7.1Bで買収した。
5.「コードレス開発」Unqork
[SaaS/金融] Unqork
Series B-II ($51M) Aquiline Technology Growth, BlackRock, capitalG, Goldman Sachs and World Innovation Lab
金融機関向けのアプリケーション開発プラットフォーム。
ユーザーはコードを1行も書くことなく、直感的な「ドラッグアンドドロップ」インターフェースで複雑なアプリケーションを構築できる。例えば、保険証券の発行や口座開設などのシステムを構築可能。また、新しいAPIだけでなく、レガシーシステムとも統合可能。Goldman Sachs, Prudential, Manulife, HSBCなどを顧客に持つ。Deloitte, EY, KPMGなどとパートナーシップを結んでいる。
2017年創業、本社はニューヨーク。Goldman Sachs等から今回調達した$51Mは、販売およびマーケティング機能の強化に活用する予定。