今週の注目5社:ドローン解析 / AIインテリア相談 / モビリティプラットフォーム / ヘルシーミールキット / データウェアハウス
今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「ドローン解析」PrecisionHawk
[SaaS/ドローン] PrecisionHawk
Series D ($75M) Comcast Ventures, Constellation Technology Ventures, DuPont, Intel Capital, Third Point Ventures, USAA and Verizon Ventures
ドローンを活用した効率的なデータ収集・解析サービス。
ドローン及び、センサー・収集したデータ分析などトータルサービスを提供している。半年程前から、ドローンで撮影した画像データをマッピングし、3Dモデルなどを作成できるPrecisionMapperのサービスも開始。2017年には100人の新規採用を行い、急成長している。エクソンモービルやUSAAなどの大手顧客に加え、農業・エネルギー・建設・保険業界など幅広い顧客を持つ。2017年7月にトランプ大統領がホワイトハウスに招聘したドローン企業4社のうちの一つ。
2011年創業、本社はローリー(ノースカロライナ州)。Third Point Ventures等から今回調達した$75Mは、海外展開を加速させるために活用する予定。
2.「AIインテリア相談」Havenly
[Marketplace/デザイン] Havenly
Series B ($12.5M) Chicago Ventures, Foundry Group, Industry Ventures and Kickstart Seed Fund
インテリアデザイナーと顧客をつなげるマーケットプレイス。
引っ越しや模様替えの際に、気軽にインテリアデザイナーに相談できるサービス。デザイナーは49のデータポイントを活用して、利用者にあった家具やインテリアをレコメンドしてくれる。価格は$79-199と、従来のデザイナーの平均的なフィー($5,000)と比較すると格安の値段設定。更にチャットでの初期相談は無料。200人以上のデザイナーに加え、400以上の 家具会社と提携しており、相談から家具の購入まで一括してサポートしてくれる。
2014年創業、本社はデンバー(コロラド州)。Foundry Group等から今回調達した$12.5Mは、チームの拡大及び、引き続きプラットフォームの開発費用として活用する予定。
3.「モビリティプラットフォーム」Autonomic
[SaaS/モビリティ] Autonomic
NA by Ford Motor Company
自動車やトラック・歩行者など交通インフラに関するデータを共有するクラウドサービス。
収集したデータを用いて、モビリティに関する新しいアプリやサービスを構築できるプラットフォーム。例えば、ロケーションベースのサービス、移動ルートの決定や支払機能の提供、データ分析など。Amazon Web Serviceのモビリティー版とも言われており、今後は今回買収されたFordのスマートモビリティ事業を推進するという。更にAutonomicのCEO兼共同創業者であるSunny Madraが、「Ford X」と名付けられたモビリティやテック分野のスタートアップとの協業を図るインキュベーターの責任者に就任するとのこと。
2016年創業、本社はパロアルト。買収額は非公表。
4.「ヘルシーミールキット」Sun Basket
[Commerce/食品] Sun Basket
Series D ($42.8M) August Capital, Correlation Ventures, Founders Circle Capital, Sapphire Ventures, Unilever Ventures and Vulcan Capital
オーガニック食材とレシピが届くミールキットサービス。
メニューから好きな料理を選択すると、必要な食材とレシピが自宅に届けられるサービス。後は、自宅の調理器具を使ってレシピ通りに作るだけでシェフ顔負けの料理を作ることができる。価格は、一食あたり$11-12。IPOしたBlue ApronやAmazon・Walmartなども参入し競争は激化しているが、オーガニック食材に加え、グルテンフリーやベジタリアンなど健康を意識した食材で差別化を図っている。今月の売上高は$275Mに到達する模様で、昨対比280%で成長しているとのこと。
2014年創業、本社はサンフランシスコ。August Capital等から今回調達した$58Mは、流通センターの建設及び、全米でのサービス拡大のために活用する予定。
5.「データウェアハウス」Snowflake Computing
[SaaS/クラウド] Snowflake Computing
Series E ($263M) Altimeter Capital, Capital One Growth Ventures, ICONIQ Capital, Madrona Venture Group, Redpoint Ventures, Sequoia Capital, Sutter Hill Ventures and Wing Venture Capital
大企業が大量のデータを効率的に管理できるクラウドサービス。
Amazon Web Services上に構築されたバーチャルなデータウェアハウス。大企業は機械学習などの膨大な量のデータを格納し、素早く分析できる。価格は使った分を支払うシスムで、標準プランはストレージが$40/TB/月、システム利用料は$2.00/時。Adobe、Sony Picturesなど1000以上の企業で導入されている。3年連続で前年比3倍増の売上を記録しており、平均的な顧客が預けるデータ量はこの1年で4倍に成長しているとのこと。今回の調達で企業価値が$1.5Bに到達し、ユニコーンの仲間入り。
2012年創業、本社はサンマテオ、現在の従業員は330人で、2019年初までに600人体制を目標にしている。Sequoia Capital等から今回調達した$263Mは、ヨーロッパとアジアでの事業拡大に活用する予定。