今週の注目5社:ハードのStreetView / ペットDNA診断 / ロボット貯蓄 / コンテンツBlockchain / 忘れ物追跡タグ
今週も一週間の資金調達のニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「ハードのStreetView」Qadium
[Enterprise/HW] Qadium
Series B ($23.3M) Centerview Capital, New Enterprise Associates and Susa Ventures
インターネットに接続された「ハードウェアの脆弱性」を監視するプラットフォーム。
元DARPAのコンサルタントが立ち上げた、インターネットに接続する監視カメラ、ルーター、サーバー、発電所のコントローラなどを監視し続けるシステム。ステルスだったこれまでの3年間で、世界中のハードウェアの情報を収集。年間$1Mからの契約で、民間や政府に対して、ハッキング可能なハードの情報を提供している。
Peter Thielなどからシード資金を調達している。国防総省との間にも5つ以上の契約があるという。
2「ペットDNA診断」Embark Veterinary
[Service/ヘルスケア]Embark Veterinary
Seed VC-II ($1.8M) Aspiration Growth, Slow Ventures
犬や猫等、「ペットのDNAから遺伝性の病気がないか調べる」サービス。
コーネル大学のバイオメディカル専攻の准教授が創業。20万を超える遺伝子マーカーをトラッキングし、先天的な病気や以上などを調査することができる。価格は$199。
コーネル大学の獣医学部とパートナーシップを締結している。
3.「ロボット貯蓄」Digit
[App/金融] Digit
Series B ($22.5M) Baseline Ventures, General Catalyst Partners, Google Ventures, Hans Morris, Ribbit Capital
口座情報から「自動的に貯蓄」を行えるサービス。
決済用の銀行口座を接続すると、Botが口座の利用パターンを自動的に分析し、貯蓄用の口座に自動的にお金を写す。収入の2%程度しか貯蓄に回していない18-30歳という若年層をターゲットにしている。
2015年2月に設立されたばかりだが、現在は月次$20Mを処理するまでに成長しているという。これまでにトータルで$125Mを処理しているという。
4.「コンテンツBlockchain」 Mediachain
[Service/コンテンツ]MediaChain
Seed VC ($1.5M) Andreessen Horowitz, Brian Message, David Lee, Digital Currency Group, LDV Capital, RRE Ventures, Union Square Ventures
ブロックチェーン的な技術を使い、誰でも「コンテンツやアート作品を登録、認証、トラッキング」ができる仕組み。
コピーや不正利用の問題が絶えないコンテンツの世界において、容易に認証、トラッキングできる仕組みを提供している。開発者は、Mediachainに登録されているコンテンツであれば、メタデータ情報を活用し、コンテンツの利用履歴のトラッキングや分析を提供できる。
MOMAやGetty Imageにも活用されており、すでに200万の画像やメタデータが保存されている。
5.「忘れ物追跡タグ」Tile
[HW/Security] Tile
Series B ($18M) Bessemer Venture Partners, GGV Capital, Khosla Ventures, Tandem Capital and Tencent
貴重品を忘れ物した際にトラッキングできるタグ。
防水でBluetooth / GPSにより位置がトラッキングできる小さなタグ製品を提供。お財布、鍵、カバンなどにつける。タグが近くにあればビープ音で知らせてくれるし、遠くにある場合はアプリで場所を教えてくれる。すでに、世界200カ国にユーザがおり、昨年の売上$43M、今年は倍以上の成長が見込まれているという。
現在は、ソフトウェアバージョンも開発予定で、将来的にはスマートウォッチやウェアラブルなどあらゆるハードウェアに組み込まれるクラウドベースのサービスとなることを目指しているという。最近ジャガーと契約をし、新しいランドローバーのモデルに組み込まれるという。