ゲームからピボット。Slackが$2.8Bの時価総額で大型調達。
最近急速にユーザを増やしている「業務用コラボレーションアプリ」 Slackが、サービス開始からわずか一年で、$2.8BのValuationをつけ$160Mの資金調達をしたと発表しました。彼らは2014年2月にサービスを開始したばかりですが、現在DAUが75万人。課金率が極めて高く、すでに20万人の課金ユーザがいます。
Slackの創業ストーリーはなかなかユニークです。創業者でありCEOであるStewart Butterfieldは、現在Yahoo傘下となっている写真共有サイトFlickrの創業者であり、最近IPOに成功したEtsyなどのエンジェル投資家としても知られているSerial Entrepreneurです。
会社の創業は意外と古く、2009年までさかのぼります。LinkedIn CEOのJeff WeinerやMarc Andreessenなどのエンジェルから投資を受けてスタートした最初の事業は、なんとGlitchというウェブ向けのMMORPG(ゲーム)でした。2011年にAndreessen HorowitzなどからSeriesBで$10M調達していますが、2012年には早くもサービスをシャットダウンしています。
そこから大きくピボットしてスタートしたのがSlack。エンジニアが古くから使っているコミュニケーションツールであるIRCから発想して作られたSlackですが、HipchatやYammerなど群雄割拠のコラボレーションツールの中で着実にユーザを伸ばしています。
Slackを正式スタートしてからの資金調達のスピードは凄まじいの一言です。
昨年の4月に$250MのValuationで$43M調達をしたのち、続く10月に$1.1BのValuationで$120M調達。そして今回の調達で$323M調達と、売り上げわずか$12Mの会社としてはものすごい勢いです。近いカテゴリーのEvernoteが、2012年に$2BのValuationで、$21M調達したときは、売り上げは$170M、ユーザ数も4000万いたことを考えると、今回のSlackの調達の凄さがよくわかります。
前回の調達した$120Mにもまだほとんど手をつけていないとされ、Bubble Insuranceという声もある今回の調達、半年後一年後にどんなストーリーが待っているのでしょうか。
「オンデマンド弁当」のSprig、「オンデマンドマリファナ」のEaze,「オンデマンド家事代行」のAlfredなどが新たに資金調達しました。
Sprigは、メニューは少ないけど注文から20分以内に届く、というオンデマンドの弁当宅配です。かなり競合も増えてきているオンデマンドフード分野ですが、今回の調達資金で全米展開をするということです。
Eazeは、最近よく目にする「マリファナ」のオンデマンドサービスです。もちろん合法なサービスだと思いますが、DCMや500StartupsというメジャーなVCが投資をしているというのは興味深いです。
資金調達
[Commerce/フード] Sprig
Series B ($45M) Greylock Partners and The Social+Capital Partnership
「オンデマンド弁当」
[Commerce/マリファナ] Eaze Solutions
Series A ($10M) Doll Capital Management, 500 Startups, Fresh VC
「オンデマンドマリファナ」
[Commerce/用事代行] Alfred
Series A ($10.5M) NEA, Spark Capital, CrunchFund and Sherpa Ventures
「オンデマンド家事代行」
[SaaS/クラウド] Docker
Series D ($95M; Valuation: $1bn ) Sequoia Capital, Benchmark Capital, Goldman Sachs
「アプリデプロイツール」
[Enterprise/コラボレーション] Slack Technologies
Series E ($160M; Valuation: $2.8bn) KPCB, DST, a16z, Google Ventures, Accel Partners
「業務コラボレーションツール」