キャリアmeets教育。LinkedInが大型買収で教育事業参入。
日本では一向に流行る兆しさえ感じられないが、2011年のIPO後も欧米を中心に猛烈な勢いで成長を続けているのが、ビジネスソーシャルメディアのLinkedInです。
米国では大学生以上であれば誰もがアカウントを持っているため、初めてのミーティングであっても、LinkedInをチェックすることでお互いにそれまでのキャリアや実績を理解してからミーティングに臨むことができるため、商談などの効率化の大きな助けになっています。
ユーザ数はこの一年で7000万人増えて3.5億人、2014年の売り上げは$2.2B (YoY +45%)、営業利益 $590M (YoY +57%)と成長に翳りはない。
このLinkedInが最近力を入れているのが「学生向け」の機能です。
大学への進学を考えている高校生向けに、3.5億人の「キャリアビッグデータ」を活用した様々な機能を提供しています。
カレッジページにアクセスすると、まず目に入るのが「学校ランキング」。まだアメリカなど一部の国向けですが、「どの職業に就くにはどの大学が強い」というのをデータから教えてくれます。
例えば、「スタートアップのエンジニア」になるにはやっぱりスタンフォードだよね、とか、一方で「メディア」ではNYUを筆頭に東海岸が圧倒的だよね、みたいなことがわかります。
また「進学ボード」という機能では、自分の志望校を記入することで、その学校の出身者から直接アドバイスをもらうこともできます。「イメージ」ではなく、実際の先輩たちの「データ」や体験談をもとにして志望校を考えられるというのは非常にいい機能だと思います。
このLinkedInが、先週「スキル教育マーケットプレイス」大手のLynda.comを$1.5Bで買収しました。LinkedInは、これまでにもスライド共有のSlideshare($119M)やニュースアプリのPulse($90M) など多数のM&Aを行っていますが、今回が圧倒的な史上最高額です。
Lynda.comは、1995年創業で、ビジネスやエンジニアとしてのスキルを学べる動画コースが6,300も用意されています。これまでキャリアに特化することで、世界で最も大きな「キャリアデータベース」となり、そこから「進学・キャリアアドバイス」を行えるまでに進化したLinkedInが、さらに必要であればそのスキルを磨く「教育」の場にまで進化することになりました。
「給与支払いSaas」のZenPayroll、「P2Pローン」のProsper Marketplace,「動画共有コミュニティ」のVidMeなどが新たに資金調達しました。
ZenPayrollは、弊社も利用している給与支払いに特化したSaasですが、2012年のYC卒業からわずか3年で時価総額$560Mというのは勢いが感じられます。
Prosperは、昨年大型IPOをしたLendingClub同様、個人間ローンのスタートアップ。日本には個人間でローンをするというのはあまり馴染まないようですが、周辺にいろいろなタイプのサービスが出てきている注目分野です。
資金調達
[Saas/給与] ZenPayroll
Series B ($60M; Valuation: $560M) KPCB, Google Ventures, Google Capital
「給与支払いSaas」
[Marketplace/ローン] Prosper Marketplace
Growth Equity ($165M; Valuation: $1.9bn) J. P. Morgan Asset Management, Credit Suisse
「P2Pローン」
[App/動画] VidMe
Seed VC ($3.2M) First Round Capital, Launchpad Venture Group, SV Angel
「動画共有コミュニティ」
[SaaS/OS] CoreOS
Series B ($12M) KPCB, Google Ventures, Accel Partners and Fuel Capital
「Linux OS」
[Game/eSports] Vulcun
Series A ($12M) Sequoia Capital, Battery Ventures, Universal Music
「ファンタジースポーツ」
M&A
[Commerce/フード] Fastbite
N/A by Square
「高級料理デリバリー」
[Saas/コマース] Shoefitr
N/A by Amazon
「靴サイズ測定ツール」
[Marketplace/サイト構築] Elto
N/A by GoDaddy
「サイト構築マーケットプレイス」