DEXA+コーチングで、フィットネスの新基準をつくる Kalos [Why We Invested]
このコンテンツはスクラムベンチャーズの Medium Democratizing Elite Athlete Performance Data: Why We Invested in Kalos を翻訳したものです。
スクラムベンチャーズのSports & Entertainment Fundでは、投資テーマの大きな柱の一つとして「アスリートのパフォーマンス向上」に注目しています。私たちが探しているのは、トップアスリートのために生まれたテクノロジーでありながら、一般の人々にも広く届けられる可能性を持つものです。スタートアップとして大きく成長するためには、その両立が欠かせないと考えているからです。
Kalos は、まさにこの投資テーマを体現する企業です。ベイエリアでDEXA(デキサ)による体組成スキャンからスタートし、そのデータを活用した本格的なコーチング事業へと発展。トップアスリートから一般の人まで、同じレベルの精度と専門性でサポートしています。
Kalosの提供価値
Kalosは現在、ベイエリアで4カ所のDEXAスキャン施設を運営しています。私たちがチームと最初に話を始めた時点では3カ所でしたが、その後、カリフォルニア州ウォルナットクリークにも新たな拠点を開設しました。
DEXAスキャン自体は数分で完了し、筋肉量、脂肪の分布、骨密度など、詳細な体組成データを取得できます。ただし、スキャンそのものはすでに多くの施設で提供されており、それだけでは大きな差別化にはなりません。
Kalosの強みは、スキャンを独自技術で精密に補正していることに加え、「測った後」にあります。単に測定結果を渡して、「食物繊維をもっと摂りましょう」「1日30分運動しましょう」といった一般的なアドバイスをするのではありません。Kalosでは、パフォーマンスアナリストが一人ひとりの数値を読み解き、その人の目標に合わせた具体的なプランを作成します。
さらに、定期的に、場合によっては毎日のようにコミュニケーションを取りながら、実際の変化やフィードバックをもとにプランを調整していきます。

Kalosとの出会い
私たちのポートフォリオには、意図してそうしているわけではありませんが、ベイエリアの企業はそれほど多くありません。それでもKalosは、投資を検討する十分な理由を自ら示してくれました。
創業者のHarsh Sinhaを最初に紹介してくれたのは、ウェルネスやロンジェビティ領域の業界関係者やエンジェル投資家でした。そして最初の推薦・紹介を受けてから1週間も経たないうちに、まったく別の知人からも、偶然Kalosの話を聞くことになりました。しかも、その評価は驚くほど似たものでした。
信頼している複数の人から、頼んでもいないのに同じ企業について同じような評価を聞く。これは無視できないシグナルでした。
Harsh自身の経歴も、この投資機会を魅力的なものにしていました。ハーバード大学でコンピューターサイエンスを学び、Metaでデータサイエンティストとして勤務。その一方で、Equinoxではパーソナルトレーナーとして働いた経験もあります。テクノロジーへの深い理解と、フィットネスの現場経験を兼ね備えた、非常に珍しいバックグラウンドです。
HarshにとってKalosは初めての起業ですが、私たちが本格的にデューデリジェンスを進めた時点で、既存施設はすでに黒字化していました。しかも、それまで外部資金を入れず、完全なブートストラップで事業を成長させていました。
シードステージのリアル店舗型ビジネスとしては非常に珍しく、創業当初から規律ある事業運営を続けてきたことを物語っています。
なぜ今なのか?
DEXAスキャンはいま、急速に一般層へ広がりつつあります。
数年前まで一部のバイオハッカーの世界のものに見えていたDEXAやコルチゾール検査、そしてHubermanに代表されるロンジェビティをめぐる議論は、いまや一般の人々にも知られるようになりました。
私たちは、他の投資先でも同じような変化を目にしてきました。ここ数年で、バイオマーカー検査への検索関心や一般消費者の認知度は大きく高まっています。
こうしたトレンドを見る際、私たちが常に考えるのは、「これは一時的な流行なのか、それとも定着するものなのか」ということです。
トレンドデータ、消費者認知の高まり、そして人々が「自分の健康にとって重要だ」と判断したものには積極的にお金を使うという現実を考えると、私たちはDEXAを含むこうした動きは一過性のブームではなく、今後定着していくものだと考えています。
残る問いは、「誰がこのカテゴリーの勝者になるのか」です。
また現在、DEXAをめぐる動きは、GLP-1やペプチドの普及とも興味深い形で交差しています。
Kalosには、GLP-1を使わず、より従来型の方法で体重を管理したい人もいれば、GLP-1を使用しながら、それに伴う可能性のある筋肉量の減少を継続的にモニタリングし、対策したい人もいます。
どちらの場合でも、身体データと専門的なコーチングを必要とする人は、今後さらに増えていくと考えています。
そして、Kalosがこれからどのように成長していけるのかという点にも、大きな可能性を感じています。
現在、Kalosの成長の多くは、SNS、地域マーケティング、口コミといったD2C(Direct-to-Consumer)チャネルから生まれています。一方、今後はB2B2Cの可能性もさらに活用できるでしょう。また、より包括的なアプリ体験をはじめとする新たなプロダクトやサービスも、今後の事業拡大において大きな役割を果たすと考えています。
私たちは、「DEXA+コーチング」が新しいフィットネスのスタンダードになり、パーソナルトレーナーによる顧客サポートを補完・強化していくと考えています。
地域展開のロードマップも明確です。次は南カリフォルニアへの進出を予定しており、その後6〜12カ月以内には、ニューヨークを含む東海岸への展開も見込んでいます。
スクラムが評価した初期のトラクション
●シードステージですでに黒字化
ベイエリアの既存施設はすでに黒字で、これまで完全な自己資金で事業を成長させてきました。
●着実な拠点拡大
私たちが最初に話を始めた時点では3拠点でしたが、現在はベイエリアに4拠点。南カリフォルニア、さらに東海岸への展開もすでに動き始めています。
●少数精鋭の質の高いチーム
従業員は約12名。コーチ陣には、本格的な競技スポーツや学術的なバックグラウンドを持つ人材が揃っており、事業規模が拡大してもサービス品質を維持できるチームが構築されています。
●実際の行動変容につながることで生まれる継続利用
私たち自身がメンバーに直接話を聞き、「なぜKalosを継続して利用しているのか」を確認することで、その価値を検証しています。
私たちは、これまでトップアスリートなど一部の人たちのものだった高度な身体データとパフォーマンス管理を、自分の身体をより深く理解し、健康を改善したいと考える一般の人々にとっての新しいスタンダードへと変えていこうとしているHarshとKalosチームを支援できることを嬉しく思います。
Kalosの直近の資金調達については、Fitt Insiderの記事でも紹介されています。





