今週の注目5社:AI顧客インタビュー / オールインワン健康診断 / カンニングツール / オンライン栄養指導 / 楽曲制作アプリ
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「AI顧客インタビュー」Listen Labs
日本語読み:リッスンラボ
カテゴリ:Service/リサーチ
ラウンド:Series A ($27M)
主な投資家:Sequoia Capital
AIを活用し、顧客調査を自動化するプラットフォーム。
効果的な質問項目の作成から対象者の選定、音声やビデオによるインタビューの実施まで一貫して自動化してくれる顧客調査プラットフォーム。様々な年齢層かつ異なる地域に数百万人に及ぶ事前審査済みのインタビュー対象者を抱えており、広告などのマーケティング戦略から新製品のコンセプト、ユーザビリティまで、顧客ニーズを迅速に把握することが可能。数千件のインタビューから得られたインサイトを含む調査結果は、レポートや動画形式で数時間程で入手できるという。すでにMicrosoftなどを顧客に持つ。
2023年創業、本社はサンフランシスコ。Sequoia Capital等から今回調達した$27Mは、サービスの拡大に活用する予定。
2.「オールインワン健康診断」Superpower
日本語読み:スーパーパワー
カテゴリ:Service/ヘルスケア
ラウンド:Series A ($30M)
主な投資家:Forerunner Ventures, Day One Ventures, Family Fund, Giannis Antetokounmpo, Logan Paul, Long Journey Ventures, Opal Ventures, Steve Aoki, Susa Ventures, Valia Ventures, Vanessa Hudgens, Visible Ventures, Winklevoss Capital
健康管理のための包括的な健康診断サービス。
17の主要健康領域(心臓や肝臓、腸、炎症、ホルモンなど)における100以上の血液バイオマーカーを分析する健康診断サービスを提供するヘルスケアテックスタートアップ。会員は年2回、自宅または全国展開するSuperpowerの提携病院で検査を受けることができ、通常の健康診断よりも包括的に健康状態を把握できるという。また、パーソナライズされた健康診断結果を基に、専門医師から行動変化に関するアドバイスも受けられる。価格は年間499ドル。ウェイティングリストには15万人が登録されている。
2023年創業、本社はロサンゼルス。Forerunner Ventures等から今回調達した$30Mは、サービスの拡大に活用する予定。
3.「カンニングツール」Cluely
日本語読み:クルーリー
カテゴリ:SaaS/AIアシスタント
ラウンド:Pre-Seed ($5.3M)
主な投資家:Abstract, Susa Ventures
AIを活用したカンニングツール。
オンライン会議や営業電話の際に、相手には見えないブラウザウィンドウを用いてユーザーが「カンニング」できるツールを開発するAIスタートアップ。AIアシスタントがユーザーの画面を読み取り、対話を理解することでリアルタイムに適切な回答を提示してくれる。価格は、月額20ドル〜。創業者は就職活動の面接時にコードをカンニングするためのツールを開発し、コロンビア大学を退学処分になったことでも有名。
2025年創業、本社はサンフランシスコ。Susa Ventures等から今回調達した$5.3Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
4.「オンライン栄養指導」Nourish
日本語読み:ノーリッシュ
カテゴリ:App/ヘルスケア
ラウンド:Series B ($70M)
主な投資家:J.P. Morgan Asset Management, Atomico, BoxGroup, G Squared, Index Ventures, Maverick Ventures, Pinegrove Capital Partners, Thrive Capital, Y Combinator
栄養士によるオンラインでの栄養指導サービス。
肥満や糖尿病などの慢性疾患や摂食障害などに悩む患者を対象に、オンラインの栄養指導サービスを提供するヘルスケアテックスタートアップ。ユーザーは保険適用により自己負担なしで、管理栄養士から目標値に応じてパーソナライズされたガイダンスを受けられる点が特徴。すでに全米50州で数十万人の患者にサービスを提供している。今回の資金調達によるバリュエーションは10億ドルを超え、ユニコーン企業の仲間入り。Y Combinatorが主催する2021年冬のバッチにも参加した注目スタートアップ。
2021年創業、本社はテキサス州オースティン。Thrive Capital等から今回調達した$70Mは、チームの拡大に活用する予定。
5.「楽曲制作アプリ」Overtune
日本語読み:オーバーチューン
カテゴリ:Contents/音楽
ラウンド:Seed VC-II (NA)
主な投資家:Dhruv Ghulati, Fernando Vasconez, Goodwater Capital, Kunal Sawarkar, Mohnish Sani, Rafael Barroso, Seth Schachner, Tosh Rayadhurgam
誰もが簡単に楽曲を制作できるプラットフォーム。
直感的な操作でビートをアレンジしたり、ボーカルを録音したり、コンテンツをソーシャルメディアに共有したりできる楽曲制作アプリを開発するスタートアップ。プロのプロデューサーが制作した数百もの楽曲がライブラリに用意されているため、高度な技術や音楽の専門知識を持たないユーザーでも、楽器やキー、テンポを調整するだけで自分の好みの音楽を制作できる仕組み。
2020年創業、本社はデラウェア州ドーバー。Goodwater Capital等から今回調達した資金は、引き続き製品開発に活用する予定。