今週の注目5社:代替肉 / 自動調理キッチン / プライマリケア / AI配電設備マネジメント / リキッドバイオプシー検査

August 3, 2022 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。

1.「代替肉」Meati Foods

[Biotechnology/代替食品] Meati Foods
Series C ($150M) CPP Investments, Cultivate Next, Grosvenor, Revolution Growth, and Wellington Management

菌類由来の代替肉の開発。

キノコの根の部分に相当する菌糸体から作られた代替肉を開発するフードテックスタートアップ。従来の代替肉より味や食感が優れているだけでなく、豊富な食物繊維、本物の肉に匹敵するタンパク質を含んでいるという。現在、カットしてサラダの上にのせるステーキ肉や、バーガー用のクリスピーカツなどを販売している。メキシカンファーストフードチェーン「Chipotle」のCVC「Cultivate Next」も出資する注目スタートアップ。

2017年創業、本社はボルダー(コロラド州)。Revolution Growth等から今回調達した$150Mは、製造設備の拡大に活用する予定。

2.「自動調理キッチン」Hyphen

[HW/キッチン] Hyphen
Unattributed VC (NA) Cultivate Next, Tiger Global Management, and Undisclosed Investors

AIを活用した自動調理キッチンの開発。

厨房内で自動調理してくれる業務用スマートキッチンを開発するフードテックスタートアップ。何千ものセンサーが搭載され、デジタルチャネルからの複数の注文もミスなく処理しながら、1時間に350食以上の調理が可能という。また、Hyphenのプラットフォーム「KitchenOS」を通じて、レストランはカスタムした独自のレシピを数秒で作成することも可能。メキシカンファーストフードチェーン「Chipotle」のCVC「Cultivate Next」も出資する注目スタートアップ。

2018年創業、本社はサンノゼ(カリフォルニア州)。Tiger Global Management等から今回調達した資金は、サービスの拡大に活用する予定。

3.「プライマリケア」One Medical

[Service/ヘルスケア] One Medical
$3.9B by Amazon

会員制のプライマリケアサービス。

年額$199を支払い会員になると、24時間対応のバーチャルケア(オンライン診療)や専門クリニックの予約など、様々なサービスをシームレスに受けられる。風邪などの病気だけでなく、慢性疾患やメンタルヘルスなどにも対応している。会員数は76万人以上。法人顧客も多く、GoogleやAirbnbをはじめ8000社以上の顧客を持つ。Amazonは当買収を通じ、「Amazon Care」のサービスを拡充する予定。

2007年創業、本社はサンフランシスコ。今回Amazonに$3.9Bで買収された。

4.「AI配電設備マネジメント」Noteworthy AI

[SaaS/インフラ] Noteworthy AI
Seed VC ($3M) Asymmetry Ventures, Avesta Fund, Boro Capital, C2 Ventures, City Light Capital, Climate Capital, Connecticut Innovations, Earthshot Ventures, Keiki Capital, Susquehanna Foundation, and Techstars

AIを活用した送配電設備の資産管理プラットフォーム。

路上を走行する既存車両に独自のセンサーおよび、エッジプロセッシングデバイスを取り付けることで、走行しながら自動的に電柱の位置を特定できるインフラ管理プラットフォーム。同時に高解像度画像を分析し、電柱上部のコンポーネントの欠陥なども検出することが可能という。当プラットフォームを利用することで、電力会社は配電設備の運用・メンテナンスコストを最大75%削減できる。

2020年創業、本社はスタンフォード(コネチカット州)。Climate Capital等から今回調達した$3Mは、サービスの拡大に活用する予定。

5.「リキッドバイオプシー検査」Delfi Diagnostics

[Biotechnology/ヘルスケア] Delfi Diagnostics
Series B ($225M) AV8 Ventures, Brown Advisory, DFJ Growth Fund, Eli Lilly and Company, Illumina Ventures, Initiate Ventures, Northpond Ventures, Open Field Capital, OrbiMed Advisors, Osage University Partners, PTX Capital, Point Field Partners, Point72 Ventures, Rock Springs Capital, Samsara BioCapital, T. Rowe Price, and Windham Venture Partners

がん患者向けのリキッドバイオプシー検査。

がんの早期発見および、治療時の継続的なモニタリングのためのリキッドバイオプシー検査を開発するヘルステックスタートアップ。AIを活用して全ゲノムを解析することで、精緻な検査が可能という。現在、主に肺がん患者15000人を対象とし、早期発見の有効性を検証している。大手製薬会社のEli Lillyなども出資している。

2019年創業、本社はパロアルト(カリフォルニア州)。DFJ Growth Fund等から今回調達した$225Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

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