今週の注目5社:電動モビリティサービス / ERMプラットフォーム / 二酸化炭素除去マーケットプレイス / スマートタイヤセンサー / 薬剤応答血液検査
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。
1.「電動モビリティサービス」Revel Transit
[Service/モビリティ] Revel Transit
Series B ($126M) BlackRock, Broadscale Group, Goodyear Ventures, Knighthead Capital Management, Shell Ventures, St Baker Energy Innovation Fund, and Toyota Ventures
電動モビリティサービスの提供。
電動の原付バイクやテスラの電気自動車を使用したライドシェアサービスなど、様々な電動モビリティサービスを提供している。また、「Superhub」と呼ばれる電気自動車用の急速充電ポートは24時間いつでも利用でき、あらゆる自動車メーカーの電気自動車に対応しているという。今後は充電ポートの設置を急拡大させ、電動モビリティのインフラを整える予定。Toyota Venturesも出資する注目スタートアップ。
2018年創業、本社はニューヨーク。BlackRock等から今回調達した$126Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。
2.「ERMプラットフォーム」AnyRoad
[SaaS/CRM] AnyRoad
Series B ($47M) Andreessen Horowitz, BlackRock, Commonfund Capital, Corner Ventures, Day One Ventures, Kaiser Permanente, Precursor Ventures, Rally Ventures, and Runa Capital
ブランドが提供する体験の効果を測定・分析するプラットフォーム。
エクスペリエンス・リレーションシップ・マネジメント(ERM)と呼ばれ、オンラインイベントや対面参加のイベント、体験型店舗など、ブランドが提供する体験による効果を分析するプラットフォーム。参加登録やチケットの購入データ、体験前後に実施するサーベイなどの様々なデータを分析し、ブランド認知度の向上などを測ることが可能。すでにBudweiser, Honda, Michaels, Tabascoなどのグローバルブランドを顧客に持つ。
2014年創業、本社はサンフランシスコ。BlackRock等から今回調達した$47Mは、サービスの拡大に活用する予定。
3.「二酸化炭素除去マーケットプレイス」Nori
[Marketplace/サスティナビリティ] Nori
Series A ($7M) M13, Placeholder Capital, and Toyota Ventures
二酸化炭素除去によるクレジットを売買できるマーケットプレイス。
炭素除去によるカーボンクレジットを農家から直接購入できるマーケットプレイス。炭素定量化ツールによって測定された炭素除去推定値を元にNoriは「Nori Carbon Removal Tonne(NRTs)」と呼ばれるNFTを発行する。提携する農家は二酸化炭素除去(CDR)への貢献をNFTとして販売でき、企業はそのNFTをカーボンクレジットとして購入できる仕組み。Toyota Venturesも出資する注目スタートアップ。
2017年創業、本社はシアトル。M13等から今回調達した$7Mは、チームの拡大に活用する予定。
4.「スマートタイヤセンサー」Revvo
[SaaS/モビリティ] Revvo
Unattributed VC ($6M) Norwest Venture Partners, and Undisclosed Investors
スマートタイヤセンサーの開発。
タイヤ内部に装着するスマートセンサーを活用し、トラックなどのタイヤの状況をリアルタイムかつリモートでモニタリングできるプラットフォーム。車載システムからクラウド上に送信された空気圧や摩耗状況などのリアルタイムデータをAIを活用して分析し、必要に応じてアラートを出す仕組み。適切なタイミングでのタイヤメンテナンスにより、コスト削減や事故を未然に防ぐことが可能。
2018年創業、本社はサンマテオ(カリフォルニア州)。Norwest Venture Partners等から今回調達した$6Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
5.「薬剤応答血液検査」Scipher Medicine
[Biotechnology/ヘルスケア] Scipher Medicine
Series D ($110M) Alumni Ventures Group, Cowen, Echo Health Ventures, Hitachi Ventures, Khosla Ventures, Laurion Capital Management, Monashee Investment Management, Neuberger Berman, Northpond Ventures, Optum Ventures, and aMoon Fund
自己免疫疾患患者向けの血液検査サービス。
自己免疫疾患を持つ患者の血液検査から得た分子データをAIを活用して薬剤応答性などを分析し、最も効果的な治療法を提供するプレシジョンメディシン(精密医療)サービスを提供するヘルステックスタートアップ。患者の分子および臨床データは、製薬会社と協力することでターゲットを絞った、より効果的な治療法の開発をさらに促進させることが可能という。
2014年創業、本社はウォルサム(マサチューセッツ州)。Khosla Ventures等から今回調達した$110Mは、引き続き開発費用に活用する予定。
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