今週の注目5社:ヘルシーフードデリバリー / オムツD2C / 宇宙マッピング / 慢性疾患治療D2C / 営業トーク音声解析
今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「ヘルシーフードデリバリー」HungryRoot
[Commerce/フード] HungryRoot
Series C ($40M) L Catterton
パーソナライズされたオンライン食品デリバリーサービス。
ユーザーは最初に食べ物や味の好み、食事をする人数など、簡単な質問に答えるだけで独自の予測アルゴリズムを通じて、食品やレシピがあらかじめオンラインカートに入れられる仕組み。ユーザーはカートから自由に商品を削除したり、追加したりすることが可能。価格は一回の配達あたり$59〜。すでに黒字化しており、2021年の売上高は$175Mにのぼるという。
2015年創業、本社はニューヨーク。L Catterton等から今回調達した$40Mは、提供する食品数・レシピの拡大に活用する予定。
2.「オムツD2C」Kudos
[Commerce/CPG] Kudos
Seed VC ($2.4M) Foundation Capital, PJC, SV Angel, Xfund, Liquid 2 Ventures, Underscore.VC, Precursor Ventures, April Underwood, and Alpha Bridge Ventures
オーガニックコットンで作られた赤ちゃん用のオムツD2C。
プラスチックや塩素などの化学製品を含まず、環境と子供に優しい天然素材(綿やサトウキビ、パルプ)で作られたオムツ。サブスクリプションモデルで価格は月額$78〜。3〜5日分のトライアルキットも$14〜利用可能。赤ちゃんの身長や体重の変化など成長に合わせたマンスリーボックスを提供。オムツにプリントするデザインも好みに合わせて選択できる。
2019年創業、本社はボストン。Foundation Capital等から今回調達した$2.4Mは、チームの拡大に活用する予定。
3.「宇宙マッピング」LeoLabs
[SaaS/宇宙] LeoLabs
Series B ($65M) Insight Partners, and Velvet Sea Ventures
低軌道エリアの宇宙マッピングサービス。
地上に設置した位相配列レーダーのネットワークを利用して、高度2000km以下の低軌道を飛ぶあらゆる物体を追跡・観測し高解像度のデータを提供する宇宙マッピングサービス。レーダーはアラスカとテキサスに1基ずつ、ニュージーランドとコスタリカに2基ずつ配備しており、従来のシステムで検知できる10cm程度よりもさらに小さい2cm程度のサイズの物体を検知できるという。人工衛星を所有する企業や政府機関などを顧客に持つ。
2016年創業、本社はメンローパーク(カリフォルニア州)。Insight Partners等から今回調達した$65Mは、インフラ構築およびチームの拡大に活用する予定。
4.「慢性疾患治療D2C」Thirty Madison
[Service/ヘルスケア] Thirty Madison
Series C ($140M) Northzone Ventures, Greycroft, Mousse Partners, Polaris Partners, Johnson & Johnson Innovation, HealthQuest Capital, and Bracket Capital
慢性疾患治療薬のD2Cサービス。
抜け毛や片頭痛、消化不良などの慢性疾患を抱える患者向けのD2Cサービス。治療薬を自宅まで届けてくれるだけでなく、オンラインによる医師の診察やパーソナライズされた治療計画も同時に提供される。また、継続的な医師のサポートにより、患者のニーズや症状に応じて治療計画を変更することも可能。すでに数十万人以上の顧客を抱える。Johnson & Johnson Innovationも出資する注目スタートアップ。今回の調達によりユニコーン企業の仲間入り。
2017年創業、本社はニューヨーク。Greycroft等から今回調達した$140Mは、サービスラインナップの拡充に活用する予定。
5.「営業トーク音声解析」Gong
[SaaS/CRM] Gong
Series E ($250M) Sequoia Capital, Tiger Global Management, Franklin Templeton, Thrive Capital, Coatue Management, and Salesforce Ventures
AIを活用した営業トークの音声解析プラットフォーム。
電話やメール、オンライン商談など顧客との様々なやりとりを記録・テキスト化し、独自のアルゴリズムを用いて解析してくれる音声解析CRMプラットフォーム。これまでに分析された会話は5億回以上にのぼる。また、営業チーム内のベストプラクティスを数値で可視化できるため、データに基づいた営業戦略を展開することが可能。有料ユーザー数は84,000人を超え、顧客数は2,000社を超えるという。今回の資金調達によるバリュエーションは$7.25B。
2015年創業、本社はパロアルト(カリフォルニア州)。Sequoia Capital等から今回調達した$250Mは、引き続き製品開発に活用する予定。
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