今週の注目5社:コンテナ農業 / eスポーツチャンネル / 都市開発SaaS / ロケーションAPI / レストランSaaS
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白い米国のスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「コンテナ農業」Freight Farms
[HW/農業] Freight Farms
Series B-II ($15M) Morningside Technology Ventures, Ospraie Management and Spark Capital
コンテナを活用した屋内農場ソリューション。
貨物コンテナを再利用した垂直式の水耕栽培ソリューション。IoTセンサーと独自のソフトウェア「Farmhand」によって、内部の温度や湿度、光(LED)などの状態を常に最適に制御可能なため、気候や季節などの外部環境を問わず水耕栽培ができる。320平方フィートのコンテナ内は苗床と栽培エリアに区切られ、レタスやハーブなど、一度に8800株の葉物野菜を生産できるという。
2011年創業、本社はボストン。Spark Capital等から今回調達した$15Mは、引き続きサービスの拡大および技術革新に活用する予定。
2.「eスポーツチャンネル」Juked
[Contents/Esports] Juked
Pre-Seed ($800K) 500 Startups, Albert Lee, Alex Poon, Amy Morhaime, AngelList, Ben Cassell, Cal Spears, Cameron MacMillan, Chris Sang, Mike Lee, Mike Morhaime and Nat Goldhabere
eスポーツ観戦に特化した動画配信プラットフォーム。
トーナメントなどのeSportsイベントを一箇所に集約したプラットフォーム。League of Legends、Dota 2、Overwatch、Counter-Strikeを含む25以上のタイトルの視聴をサポートする計画。イベントはカレンダーで整理されて見やすい上、ユーザーはフォローしたいスポーツやチームなどもパーソナライズできる。2019年11月にβ版がリリースされたばかりだが、順調にユーザーを獲得しているという。
2019年創業、本社はサンフランシスコ。500 Startups等から今回調達した$800Kは、引き続き開発費用に活用する予定。
3.「都市開発SaaS」UrbanFootprint
[SaaS/スマートシティ] UrbanFootprint
Series A ($11.5M) Radicle Impact, Social Capital and Valo Ventures
都市開発用の分析・シミュレーションプラットフォーム。
地方自治体が公開するデータなどをもとに都市の現状(区画や人口、土地用途、インフラ状況など70以上の項目)を精緻にマッピングしてくれるツール。本ツールを使い、ビルや商業施設の建設など新たな都市計画のシミュレーションも可能。他にも、シェアバイクなどを配置する最適なロケーションのシミュレーションなどに活用されている。これまでに700都市で約4,000件の様々なプロジェクトをサポートしている。
2014年創業、本社はバークレー。Social Capital等から今回調達した$11.5Mは、引き続きサービスの拡大に活用する予定。
4.「ロケーションAPI」Radar
[SaaS/ロケーション] Radar
Series B ($20M) Accel, Bedrock Capital, Heavybit, Nat Turner, Prime Set, Two Sigma Ventures and Zach Weinberg
位置情報機能を簡易に実装できるAPI / SDKプロバイダー。
“位置情報のTwillo”とも呼ばれ、開発者はアプリに位置情報機能を簡易に実装できる。例えば、小売店は近隣にいる顧客を特定しクーポンを案内したりでき、既に、Walmart、Burger King、Booking.comをはじめとする企業に幅広く利用されている。今後は、ユーザーのプライバシーを最優先する方針という。ロケーションデータ市場は2019年に$10B、2027年までには倍増するとも言われており、注目のマーケット。
2016年創業、本社はブルックリン。Accel等から今回調達した$20Mは、チームの拡大およびプラットフォームのさらなる改善に活用する予定。
5.「レストランSaaS」Toast
[SaaS/レストラン] Toast
Series F ($400M) Alta Park Capital, Bessemer Venture Partners, Durable Capital Partners, G Squared, Greenoaks Capital Management, Light Street Capital, T. Rowe Price, Technology Crossover Ventures, Tiger Global Management and TPG Growth
レストラン向けのオールインワンオペレーションシステム。
POSを中心に、オンラインオーダーや従業員の勤務管理・給与支払い、ロイヤルティプログラムなど、レストランを経営するにあたって必要な業務を一括して管理できるプラットフォーム。既にJamba Juiceなど数万ものレストランで利用されている。売上高は昨年対比109%で成長し、調達後のバリュエーションは$4.9B。直近では、レストラン向けの融資サービス($5,000〜$250,000)も提供を開始。
2013年創業、本社はボストン。Bessemer Venture Partners等から今回調達した$400Mは、金融などの新サービス開発に活用する予定。