6年目:新事業、新パートナー、新市場

March 1, 2018 スクラム代表・宮田ブログ

Scrum Venturesは、先月2013年の創業から5周年を迎え、6年目に突入しました。

昨日発表をしましたが、6年目を迎える2018年は、新しいパートナーを迎え、新たな市場で、新たな事業に取り組みます。

変化する大企業とスタートアップの関係

シリコンバレーでScrum Venturesを創業した2013年から比べて、アーリーステージに投資をするファンドの数は一気に数倍に増え、投資銀行やソフトバンクのようにレイターステージで大きな額を投資をする新しい投資家の数も一気に増え、さらに、Online SyndicateやICOのように資金調達の手段も多様化してきました。

中でも私が感じている大きな変化は、若いテクノロジースタートアップが、単に新しい市場やビジネスを生み出すという存在ではなく、既存の巨大の市場のルールを大きく変え、その中で一気にメジャーな存在となることができるようになったということです。

Airbnbは、世界最大のホテルチェーンよりもはるかに大きい在庫を持つ巨大チェーンになりました。Netflixは、米国の最大のケーブルテレビ会社を会員数で追い抜きました。ネット広告の市場は、昨年ついにテレビ広告を追い抜きました

こうした例は枚挙に暇がありません。

スマートフォンなどの手軽なコンピュータデバイスの急速な普及に伴い、様々な巨大既存市場におけるテック企業のプレゼンスは非常に大きくなっています。

そうした状況の中、追い上げられる立場にある大企業の取り組みも大きく変化をしてきています

これは、過去5年間のVC投資全体にしめるCVCの割合の変化を示したグラフです。徐々に増加傾向にあり、昨年ついに20%を超えました。

当然投資の件数自体も増加傾向にあり、この5年間で約二倍となっています

Scrumでも、2013年頃は、非テック企業やそのCVCと共同で投資をすることはほぼありませんでした。ところが、昨年くらいから、かなりの割合で共同投資家にCVCがいるという時代になっています

それと同時に、大企業によるテックステートアップのM&Aも活発になっています

過去4年は増加傾向にあり、件数は一気に約三倍に増え、ドットコムバブルの前のレベルに近づきつつあります。

「買い手」の側も、従前のGoogle、Amazon、Facebookといったテック大手だけではなく、自動車メーカー(GMによる自動運転スタートアップCruise買収)、消費者ブランド(Unilieverによる髭剃りD2CスタートアップDollarShaveClub買収)、小売チェーン(WalmartによるアパレルD2CスタートアップBonobos買収)など、非テック企業による大規模な買収が目立つようになっています。

大企業やそのCVCは、スタートアップへの投資、そしてそのM&Aという世界において、今まで以上に非常に大きな役割を果たすようになりました。そしてその傾向は、今後ますます大きくなって行くと考えています。

新事業 Scrum Studio

そうした背景の中、Scrum Venturesでは、大企業とスタートアップの価値創造を支援する事業、Scrum Studioを新たに立ち上げることを発表しました。

これまでも、我々の投資を通してシリコンバレーの情報をいち早く得たい、投資機会を得たい、テック人材を育成したいといった大企業の方々と、ファンドのLPという形を通してお付き合いをしてきました。

Scrum Studioでは、さらに一歩踏み込んだ形で、大企業の側のスタートアップとのオープンイノベーションを支援していきます。

これまでも多く要望のあった、「テック系の新規事業創出を支援して欲しい」「アクセラレータを運営して欲しい」「事業パートナー探索を支援して欲しい」「CVCを運営して欲しい」といった様々な大企業の方々のニーズに応えて行くのが、Scrum Studioです

これから数ヶ月でいくつか実例を発表して行く予定ですが、様々な形でのオープンイノベーション支援に取り組んでいきたいと思います。

新パートナー参画

この新事業立ち上げに伴い、新たに二人の強力なパートナーに参画いただきました

二人とも私の長らくのメンターであり、Scrum Ventures創業当時から様々な形で支援をしていただいた先輩です。

San Franciscoベースの外村仁は、シリコンバレーでは知らない人はいない、20年近く現地で活動をしている重鎮です。直近は、ノートアプリ大手のEvernoteの日本法人の会長として、NTTドコモや日経新聞といった日本の大企業との提携や日本市場での急成長を率いていました。それ以前は、Appleのマーケティングの責任者として、Steve Jobsとも長く仕事をしていました(この本この本など、多くの日本での「ジョブズ本」は彼が解説を書いています)。彼のシリコンバレーのトップ企業、ユニコーンスタートアップでの経験やネットワークは、Scrum Venturesにとって大きな力となることは間違いありません。

東京ベースの春田真は、三年前までDeNAの会長として同社を率いており、横浜ベイスターズを買収した際の初代オーナーとしてご存知の方も多いと思います。日本を代表するテックベンチャーであるDeNAのことは説明するまでもないと思いますが、同社の事業の成長はもとより、大企業との協業、JVなども数多く経験しています。彼の日本でのスタートアップの急成長と大企業との連携を率いてきた経験は、Scrum Venturesにとって大きな力となることは間違いありません。

私も含めた三人のパートナーの共通の特徴は、それぞれ自らスタートアップの起業、創業に関わり、その成長、そして様々な形で大企業サイドでの経験があるということです。

前述の通り、これからますます多くなる大企業とスタートアップとの有機的なコラボレーションを支援して行くScrum Studioを運営して行くのに最適なチームだと考えています。

Panasonicとの共同事業「BeeEdge」

早速ではありますが、昨日、Scrum Studioの第一号案件として、パナソニック株式会社と、新規事業の創出促進を目的とした新会社「BeeEdge」を設立するリリースをしました

私がこの世界に入った20年前から比べれば、日本でもはるかにスタートアップの数は多くなり、多くの優秀な若者が起業にチャレンジをするようになりました。

それでもまだ多くの優秀な人材は、パナソニックのような大企業の中にいる、というのが日本の一つの特徴だと思います。

今回立ち上げたBeeEdgeでは、パナソニックの中にある有望な技術、優秀な人材とともに、我々のスタートアップ、ベンチャーの知見を活かしながら、新たな魅力ある事業を一緒に育てて行くということを目的としています

我々にとっても新しいチャレンジですが、「日本型スタートアップの新しいモデル」を構築するという意気込みで取り組んでいきたいと考えています。

Scrum Ventursの投資仮説として、「家(HOME)」はこれから大きな変化が起き、様々なビジネスチャンスが産まれるキーデバイスです。家電のトップリーダーとして100年間に渡り様々な製品を作り続けているパナソニックさんと新しい「憧れ」を作っていきたいと思います。

Scrum Studioでは、これ以外に年内に複数の新規のプロジェクトをアメリカと日本で立ち上げて行く予定です。ぜひこうした取り組みにご興味のある大企業の方、スタートアップの方、お気軽にご連絡をいただければと思います。

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