アフリカに住む盲目の母に結婚式をライブで届ける。ザッカーバーグが10年後に目指す世界とは?:Facebook「f8」

April 13, 2016 by Tak Miyata

先日のMicrosoftのBuild2016に続き、昨日からSan FranciscoでFacebookの開発者向け会議「f8」が開催されています。

いつもはその週末にじっくりビデオを見ながらブログをポストするのですが、今回は投資先のVidpressoが、新たに発表された「誰でもテレビ局」を実現するライブ動画プラットフォーム「Live API」の初期パートナーとしてキーノートで紹介された!!ということで、イベント開催中にこのポストを書いています。

Facebookの考える「次の10年」

今回多くの新しいプロダクトや取り組みが発表されましたが、Zuckerbergはキーノートの冒頭で、「Facebookのこれからの10年」について語りました。

「Connectivity」「AI」「VR/AR」という3つのポイントを、具体的な事例を踏まえて語ったのですが、先週MicrosoftのNadellaがキーノートの最後に紹介した動画(2.14くらいから)で描かれている世界観とぴったりと符合するので、引用したいと思います。

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写真の人物は、Saqib ShaikhというMicrosoftのエンジニアで 、7歳に視力を失ってしまいました。この写真でSaqibがかけているのはPivotheadという AIスマートグラス( Seeing AI = 見えるAIと表現されています)です。

写真のようにフレームをスワイプすると、目の前の映像がクラウドに送られます。AIがその写真を解析し、下の図にあるように「男性がスケートボードをしています」とか「20代の女性が微笑んでいます」と音声で教えてくれるというものです。

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このMicrosoftの動画は、スマートグラスとAIを結びつけることで、これまで画像や映像を見ることができなかった盲目の人々にも、目の前で起きていることを音声を通してライブで伝えることができるというものです。

Facebookが描く10年ビジョンには、ここからさらに「Connectivity」という要素が加わってきます。まだインターネットに繋がっていない途上国を中心とした40億人の人々にも、ネット接続を実現しようというものです。

例えて言うと、アフリカに住む盲目の母親が、パリで娘が結婚式をあげている様子を、リアルタイムで体験できるようになる、そんな世界観だと思います。何だか夢のような話ですが、テクノロジーの進化は確実にその方向に向かっているのではないでしょうか。

” Give everyone the power to share anything with anyone”というミッションを掲げたFacebookが、今後10年間、どんな世界を実現していこうとしているのかを詳しく理解したい方はキーノートを動画で見ることをお勧めします。

今回発表された主な内容

Zuckerbergのキーノートに続いて、新たに発表された主な内容は以下の通りです。

(花のECやニュース配信などがすでにスタート)

(デバイスやアプリにLive機能を組み込める)

(オープンソース化され誰でも開発が可能)

(シェアしたい部分をハイライトしてシェアできる)

(Saveボタンが外部アプリで利用可能に)

(外部アプリで作成した動画をプロフィールにできる)

(外部アプリからパスワードなしでログインできる)

ChatbotとLive APIの二つが最も大きなプロダクトですが、いずれも事前に予想されていたもので、今回特に大きなサプライズはありませんでした。

Chatbotについては、MicrosoftのBuildイベントに関してのエントリ『「ヒトラー礼讃Bot」の先にある「ナイトライダー」の世界 : Microsoft 「Build 2016」』と、ライブ動画に関しては、Facebookのライブ動画戦略に関してのエントリ『とにかく「生」の時代!動画よりも「3倍」長く見られるライブ動画』と合わせてお読みください。

投資先VidpressoがLive API「初期パートナー」に!

冒頭に述べたように、今回発表されたコアプロダクトの一つであるLive APIの初期パートナーとして、弊社の投資先のVidpressoが選ばれました。

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Vidpressoは、Y Combinatorの出身企業です。Scrum Venturesは、ローカルの複数のVCと共同で投資をすることが多いのですが、Vidpressoは、VCがY CombinatorとScrum Venturesだけという珍しいケースです。

Vidpressoは、これまで、テレビ局向けに、「PCから簡単にソーシャルデータを配信できる」サービスを提供していました。CNNなどの大手テレビ局で利用されており、番組にリアルタイムで寄せられるFacebook、Twitter、Instagramなどのフィードを、ブラウザから直接テレビの画面に配信することに活用されています。これまでは特殊な機材を用意する必要があったものが、Vidpressoを活用することで、PCが一台あれば「テレビ番組のソーシャル対応」が簡単にできるようになるという製品です。

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今回のキーノートでは、Buzzfeedと一緒にゲーム中継番組を制作していることが発表されました。

今度はテレビ番組向けではなく、Facebook上でのライブ動画配信向けに、PCから簡単に複数のカメラの映像を切り替えたり、字幕をつけたり、タイトルをつけたりすることができる機能を提供しています。動画配信事業者は、「PC一台でFacebook向けにテレビ番組のような複雑な生中継を実現」することができます。

まだ発表直後のためホームページなどでに情報はあまり出ておりませんが、今やYouTubeを脅かす勢いのFacebookの動画プラットフォームで、ライブ動画配信をお考えの方はぜひScrumにお問い合わせください!

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スクラムベンチャーズは、年間1000社超の企業調査の実績をもとに、企業のご要望に合わせてコンサルティングやリサーチを行っています。