客観的な評価/ランキングが必要。日系VCとしてシリコンバレーでしっかりとした価値を生み出すために。

March 2, 2016 by Tak Miyata
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3年間で感じた「可能性」と「チャレンジ」

2013年に創業したScrum Venturesは、お陰様でこの2月で3周年を迎えることができました。

上の写真は、3周年の記念パーティーの様子を現地のローカル紙BaySpoブログ)に掲載してもらったものです。普段お世話になっているパートナー、投資先、など100人を超える方々に集まっていただきお祝いをさせていただきました。オリジナルの法被を作り、地元の鏡会(動画)というNPOを招いて、みんなで餅つきをしました。

それまで「起業家」として生きて来た私には、Scrum Venturesを立ち上げた当初、投資をする側に立つという経験は、個人でのエンジェル投資以外は一切ありませんでした。会社を見つける、評価する、投資を実行する、投資先を支援する、というVCとしての基本動作全てが手探りの中でのスタートでした。

しかしながら、ありがたいことにこの3年間で素晴らしい起業家やVCの仲間に恵まれ、ヘルスケアからドローンまで幅広い領域の30社を超えるスタートアップに投資を実行することができました。

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その中でも「ファッションレンタル」のLeTote、「画像AIプラットフォーム」のPlacemeter、「ヘルスケアデータ」のNoomなど、Scrumが投資実行した時から大きく成長し、新しいイノベーションをどんどんと生み出している会社が多数出てきているのは嬉しい限りです。

ただ、一方でチャレンジに感じることも少なくありません。

「本当にイノベーションを作ってきた人達」が投資家になる街

シリコンバレーには「1000社」程度のVCがあり、様々なサイズ、様々なバックグラウンドを持って運営されています。

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昨年一年間でも年間5000件くらいの投資案件があり、6兆円を超える資金がスタートアップに投下されています。当然どのVCも有望なスタートアップに投資をしたいわけで、いい会社には10、20といった数のVCが群がり、起業家の側が「どんな価値を提供してくれるのか」という視点でVCを選ぶことになります。

アジアにパートナーを多数持つScrumのようなVCの場合は、「将来アジア展開をする際に支援をする」というのが一つの価値になります。しかしながらScrumが主戦場としているEarly Stageのスタートアップの場合、USでのビジネスをこれから作っていくという段階にあることが多く、アジア展開はあくまでも「将来」の価値でしかありません。

すると当然、彼らがプロダクトを開発し、USでビジネスを成長させるにあたって、技術、製品、グロース、マーケティング、採用などで様々な面でのアドバイス、支援というのが求められることになります。

1000社もあれば本当に様々なVCがあり、売りにしているものも異なるのですが、投資検討時のReference Call、取締役会など様々な局面で話をすると、本当に「価値のあるアドバイスができるVCが多いな」といつも感じています。

それもそのはず、Scrumが最近一緒に投資をしているファンドの多くはSilicon Graphicsの創業者のファンドYahooの創業者のファンドGoogleの会長のファンド、など自らが起業家、事業家としてユニコーンを立ち上げた人、育てた人がゴロゴロいるわけです。正直な話、彼らの事業の分析、起業家に対するアドバイス(特に市場の見方、サービスの設計)を聞いていると、私自身勉強になることも少なくありません。

活発になってきた「日系シリコンバレーVC」

最近ちょっとネガティブなニュースで話題となったりもしましたが、シリコンバレーにチームを置く日系VCの活動も、この数年活発になっている印象です。全部把握できているわけではないと思いますが、だいたいこの辺りが主要な日系VCです。

企業が運営するCVCも徐々に増えている印象で、ネット系(リクルート、DeNA、Greeなど)、キャリア系(KDDI、NTT Docomoなど)、メーカー系(Panasonic、Yamahaなど)、金融系(三井住友カードなど)など、幅広いカテゴリーの企業が積極的に面白いスタートアップに投資をしている印象です。

スタートアップのトレンドも、「ソフト、サービス中心」のものから、自動車、IoT、ロボットなど「ハードウェア」を絡めたものがかなり大きくなっていることもあり、日本市場、日本企業との連携に興味があるスタートアップも増えてきているというのが最近のトレンドだと感じています。

次のステップに向けて:客観的な評価 / ランキングが必要

シリコンバレーのVCには、メディアデータ会社が定期的に出しているランキングがあり、投資件数や投資先のパフォーマンスなど様々な指標で、VCをランク付けしています。Entrepreneur紙のランキングには、アジアでは、韓国系のFormation8、中国系のGGV Capitalなどがランク入りをしています。日本系は、残念ながら去年運営がストップしてしまったSoftbank Capitalが入っていますが、それ以外には上記にリストしたVCは1社も入っていません。Scrumもさらに精進して、このようなランキングに入れるように頑張っていかないといけません。

また一方で、日本の企業とのつながりが強い「日系VCだけのランキング」のようなものがあってもいいかなと思います。私自身もよく「どこのVCがいいですか?」と聞かれることが多いのですが、上記のような明確な指標でのランキングがあれば、透明性が高まり、業界自体の力も向上すると思います。

年初にもポストした通り、2016年はベンチャー投資の環境はやや難しい局面にあると感じています。そんな中にあっても、多くの起業家と会い、未来のトレンドを予測し、大きなイノベーションに投資を続けていきたいと思います。

今年の投資の注力テーマは、「FinTech」「VR」「ロボット」「Mobility」「AI」「ヘルスケア」の6つです。いい投資をして、ランキングにも顔を出せるように頑張りたいと思います。

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スクラムベンチャーズは、年間1000社超の企業調査の実績をもとに、企業のご要望に合わせてコンサルティングやリサーチを行っています。