ドローンの次はバス。Scrumが「バス会社」に投資をした理由。
Scrum Venturesは、次世代の物流/移動手段として注目される「ドローン」を開発するスタートアップ、Top Flight Technologies社に投資していますが、新たに、Y Combinatorの今回のバッチ(YC W15)参加企業である通勤用シェアリング「バス」会社、Chariot社に投資をいたしました。
一年前にSan Franciscoで創業したChariotは、現在5つのルートで、15人乗りの通勤用のバスを運営するスタートアップです。Chariotには、「早い」「安い」「座れる」「クラウドソーシング」という特徴があります。
市内に82路線がある公共バスMUNIは、一日中決まったルートを細かく停車しながら走っていますが、Chariotは「通勤」に特化しているため、朝は「住宅街からオフィス街へ」、夕方は「オフィス街から住宅街へ」と一方向のみ運行しており、かつ停車する場所も非常に限定しているため、MUNIに比べて、非常に早く目的地に到着することができます。
利用者は$47の回数券(12回)や$93の定期(1ヶ月)などを購入し、スマートフォンに表示されるバーコードで乗車することができます。定期を購入すると、UBERの相乗りオプションであるUBER Pool (一回あたり$7)よりは断然安く、公共バスのMUNI(一回あたり$1.11)とほぼ同額(一回あたり$1.51)で、確実に座りながら快適に通勤することができます。
また特徴的なのは、ルートを「クラウドソーシング」していることです。自分の通勤ルートにChariotを走らせて欲しい場合は、ChariotのHPから依頼をすることができ、要望が一定量を越えると、そのルートが新設されます。現在もSan Franciscoでどんどんと新しいルートが新設されています。
「交通機関系スタートアップ」という意味では、タクシー業界をDisruptしつつあるUBERやLyftの存在が現時点では圧倒的です。しかしながら、混雑時間帯には値段が跳ね上がる、公共交通機関よりは値段が高いなど、まだまだ満たされていないユーザのニーズがたくさんあると考えています。ほとんどの都市において、大半の人の行動パターンである「通勤」という行動に特化したChariotの将来が楽しみです。
「Deep Learning Saas」のClarifai、「メガネコマース」のWarby Parker,「オンデマンド梱包&配送代行」のShipBobなどが新たに資金調達しました。
Clarifaiは、最近注目のDeep Learning / AI分野のスタートアップです。画像など様々なデータの解析ができるのですが、動画に関してもかなりの精度で解析が可能ということで、広告やコマースの分野での活用に注目です。Warby Parkerは、メガネのEコマースで有名なスタートアップですが、今回創業5年目で時価総額$1.2Bで100M調達しました。最近は店舗運営にも積極的で、オムニチャネル戦略の行方が注目です。
資金調達
[SaaS/プラットフォーム] Clarifai
Series A ($10M) Google Ventures, Union Square Ventures, NVIDIA
「Deep Learning Saas」
[Commerce/ファッション] Warby Parker
Series D ($100m) Tiger Global Management, General Catalyst Partners
「メガネコマース」
[Service/配送] ShipBob
Seed VC ($1M) SV Angel, FundersClub and WeFunder
「オンデマンド梱包&配送代行」
[Service/決済] Circle Internet Financial
Series C ($50M) Accel Partners, Goldman Sachs, General Catalyst Partners
「Bitcoin&ドル送金サービス」
[Commerce/交通] Chariot
Seed VC ($3M) SoftTech VC, Maven Ventures Growth Labs, Scrum Ventures
「通勤バスシェアリング」
M&A
[SaaS/Service] ClusterK
N/A by Amazon
「ミッションクリティカルアプリケーション用プラットフォーム」
[SaaS/Marketing] TellApart
N/A by Twitter
「コマース顧客行動分析/予測SaaS」