今週の注目5社:次世代非臨床試験 / 緊急対応効率化AI / AIデータセンター向け電力インフラ / 光量子コンピューター / 遺族アシスタントアプリ

June 10, 2025 Article-Show on Top-ja 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「次世代非臨床試験」Vivodyne

日本語読み:ビボダイン
カテゴリ:Biotechnology/ヘルスケア
ラウンド:Series A ($40M)
主な投資家:Khosla Ventures, Bison Ventures, CS Ventures, Fortius Ventures, Helena Capital, Kairos Ventures, Lingotto Investment Management, MBX Capital

人工臓器を用いた非臨床試験プラットフォーム。

ラボで培養された人工臓器を用いた次世代非臨床試験プラットフォームを開発するバイオテックスタートアップ。不確実性の高い動物実験の代わりに、ラボで培養された人間の組織(臓器)を活用して免疫反応などをシミュレーションすることで効果的な非臨床試験プロセスの確立を目指している。また、完全に自動化されたロボットプラットフォームで培養プロセスをスケール化すると同時に、AIを用いたデータ収集および精度の高い分析結果も提供するという。

2021年創業、本社はサンフランシスコ。Khosla Ventures等から今回調達した$40Mは、新たな研究所の建設費用に活用する予定。

2.「緊急対応効率化AI」Prepared

日本語読み:プリペアード
カテゴリ:SaaS/公共
ラウンド:Series C ($80M)
主な投資家:General Catalyst, Andreessen Horowitz, First Round Capital, Radical Ventures

AIを搭載した緊急対応オペレーション効率化プラットフォーム。

警察などの公共安全機関向けのオペレーション効率化プラットフォームを開発するGovtech(ガブテック)スタートアップ。緊急通報(911)の受信から人員の派遣、通報後の対応をはじめとする緊急対応ワークフロー全体を効率化する。リアルタイムの翻訳機能や、緊急度に基づいた優先順位付け、位置情報サービスなどのツールを1画面に統合することでオペレーターの意思決定をサポート。現在、49州1000以上の機関に導入され、約1億人をサポートしているという。

2019年創業、本社はニューヨーク。General Catalyst等から今回調達した$80Mは、製品開発およびサービスエリアの拡大に活用する予定。

3.「AIデータセンター向け電力インフラ」GridCARE

日本語読み:グリッドケア
カテゴリ:SaaS/エネルギー
ラウンド:Seed VC ($13.5M)
主な投資家:Xora Innovation, Acclimate Ventures, Balaji Prabhakar, Breakthrough Energy, Clearvision Ventures, ClimateAI Ventures, Clocktower Technology Ventures, Felix Zhang, Gokul Rajaram, Overture VC, Ram Shriram, Sherpalo Ventures, Tarun Raisoni, Tom Steyer, WovenEarth Ventures

AIデータセンター向けの電力供給ソリューション。

AIデータセンター向けに最速の電力ソリューションを提供するエネルギーテックスタートアップ。高度な生成AIを活用して未活用の電力網を特定し、AIインフラ開発者と繋ぐことで、喫緊の課題となっている電力供給の確保を支援する。ビルゲイツが脱炭素社会の実現を目指して設立した「Breakthrough Energy Ventures」も出資する注目スタートアップ。今回の資金調達を機に、ステルスモードを脱却。

2024年創業、本社はレッドウッドシティ。Xora Innovation等から今回調達した$13.5Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

4.「光量子コンピューター」PsiQuantum

日本語読み:サイクォンタム
カテゴリ:HW/量子コンピュータ
ラウンド:Series E-II ($22M)
主な投資家:Atomico, Playground Global, Redpoint Ventures

光子を利用した量子コンピューターの開発。

「Omega」と呼ばれる、光の粒子「光子」を利用した量子チップで、量子コンピューターの大規模開発を目指すスタートアップ。既存の半導体製造インフラを活用できるため量産化が可能という。現在、シカゴとオーストラリアのブリズベンの2拠点で世界初の実用可能な量子コンピュータの完成を目指して開発が進められている。

2015年創業、本社はカリフォルニア州パロアルト。Redpoint Ventures等から今回調達した$22Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

5.「遺族アシスタントアプリ」Empathy

日本語読み:エンパシー
カテゴリ:App/ウェルネス
ラウンド:Series C ($72M)
主な投資家:Adams Street Partners, Aflac Ventures, Allianz Life Ventures, Brewer Lane Ventures, Citigroup, Entree Capital, General Catalyst, Index Ventures, Latitude, LionTree Partners, MetLife, Munich Re, New York Life Foundation, Securian Ventures, SemperVirens Venture Capital, TIAA Ventures

パーソナルな遺族アシスタントアプリ。

突然の死別により遺族が対処しなければならないタスクを管理し、必要に応じて専門家からアドバイスがもらえるアプリを開発するウェルビーイングスタートアップ。葬儀の計画・手配から遺品整理、遺産相続、銀行口座やSNSアカウントの閉鎖など、人々や家族が前進できるようにオンデマンドのツールとガイダンスを提供してくれる。また、ケアマネージャーが喪失感などのメンタルケアにも対応してくれるという。すでに多数の企業で福利厚生の一環として導入され、従業員に利用されている。

2021年創業、本社はニューヨーク。Adams Street Partners等から今回調達した$72Mは、サービスおよびチームの拡大に活用する予定。

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