今週の注目5社:ロボット向け汎用AIモデル / オンデマンド手荷物預かり / 防衛向け自律型水中車両 / インスリン自動投与デバイス / ポータブル原子力発電機

November 28, 2024 Article-Show on Top-ja 今週の注目スタートアップ

一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。

1.「ロボット向け汎用AIモデル」Physical Intelligence

カテゴリ:SaaS/AI
ラウンド:Series A ($400M)
主な投資家:Jeff Bezos, Bond, Lux Capital, OpenAI, Redpoint Ventures, Thrive Capital

ロボット向けの汎用AIモデルの開発。

「π0(パイゼロ)」と呼ばれる、同社が開発するAIモデルを導入すると、ロボットは洗濯物を畳んだり、テーブルを片付けたり、箱を組み立てるなど、日常的なさまざまなタスクを自然言語による指示で実行できるようになるという。Amazon創業者のJeff Bezos氏も出資者に名を連ねている。今回の資金調達によるバリュエーションは24億ドルで、ユニコーン企業の仲間入りを果たした。

2024年創業、本社はサンフランシスコ。OpenAI等から今回調達した$400Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

2.「オンデマンド手荷物預かり」Bounce

カテゴリ:Service/手荷物
ラウンド:Series B ($19M)
主な投資家:Sapphire Ventures, Andreessen Horowitz, FJ Labs, General Catalyst, Shilling VC, Thayer Ventures, The Twenty Minute VC

オンデマンドの手荷物預かりサービス。

海外旅行や出張などの移動時に、安価に荷物を預けることができるサービスを提供するスタートアップ。アプリで近隣の預け先を検索し、ユーザーの都合の良い場所を選択して持ち込むだけで荷物を安全に預けることができる。キャンセル料は無料で、1万ドルまでの補償も含まれている。ローカルのクリーニング店やレストラン、カフェ、ホテルなどと提携しており、世界中に1.3万ヶ所以上の預け先を持つ。

2017年創業、本社はニューヨーク。Sapphire Ventures等から今回調達した$19Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。

3.「防衛向け自律型水中車両」Vatn Systems

カテゴリ:HW/防衛
ラウンド:Seed VC ($13M)
主な投資家:DYNE Asset Management, Blue Seed Collective, Centre Street Partners, Cubit Capital, Decisive Point, Fortitude Ventures, In-Q-Tel, Lockheed Martin Ventures, Propeller Capital, RTX Ventures, SAIC Ventures, The Veteran Fund

防衛向けの自律型水中車両。

低コストかつ大量配備が可能な防衛向け自律型水中車両を開発・製造するディフェンステックスタートアップ。AIを活用し、通信が制限されGPSが機能しない環境下でもリアルタイムに意思決定を下しながらミッションを正確に遂行できるという。すでに国防総省などの軍事組織と提携して開発を進めている。港湾の巡回や海上での捜索から軍事作戦の遂行まで幅広いミッションに利用できる。

2023年創業、本社はロードアイランド州ポーツマス。DYNE Asset Management等から今回調達した$13Mは、チームの拡大に活用する予定。

4.「インスリン自動投与デバイス」Beta Bionics

カテゴリ:HW/医療機器
ラウンド:Series E ($60M)
主な投資家:Wellington Management, Eventide Asset Management, Marshall Wace Asset Management, Omega Funds, Perceptive Advisors, RTW Investments, Sands Capital, Soleus Capital Management

糖尿病患者向けのインスリン自動投与デバイス。

1型糖尿病患者向けにインスリンの自動投与システムを提供するメドテックスタートアップ。「iLet Bionic Pancreas」と呼ばれるFDA認可済みの医療機器は、ユーザーの体重を入力するだけで持続血糖モニターの数値からインスリンの投与量を自動的に決定してくれるため、患者は日々の糖尿病管理を効率化できる。また、アプリを通じて家族もユーザーの血糖値の変化やインスリン投与量をリアルタイムにモニタリングできる。

2015年創業、本社はカリフォルニア州アーバイン。Wellington Management等から今回調達した$60Mは、新製品の開発に活用する予定。

5.「ポータブル原子力発電機」Radiant

カテゴリ:HW/エネルギー
ラウンド:Series C ($100M)
主な投資家:DCVC, Also Capital, Andreessen Horowitz, Boost VC, Chevron Technology Ventures, Decisive Point, Felicis, Founders Fund, McKinley Alaska Private Investments, Union Square Ventures, Washington Harbour Partners

持ち運び可能(ポータブル)なマイクロ原子力発電機の開発。

輸送用コンテナに格納して持ち運びできる安全なマイクロ原子力発電機を開発するクリーンテックスタートアップ。現在利用されているディーゼル発電機とは異なり、大気汚染や癌を増加させる要因となる排気ガスの発生を抑制できる。軍事施設やデータセンター、非常時のバックアップ電源、電気自動車(EV)用の電源など、さまざまな用途で利用可能。現在、2026年のローンチに向けて開発が進められている。

SpaceXの元社員が2019年に創業、本社はカリフォルニア州エル・セグンド。DCVC等から今回調達した$100Mは、引き続き開発費用に活用する予定。

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