今週の注目5社:ディープフェイク検出 / 在庫管理ロボット / 大学進学・就職活動支援ツール / 自動運転ヤードトラック / 太陽光パネル設置マネジメント
一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、注目の米国スタートアップを5社厳選して紹介します。バックナンバーはこちら。
1.「ディープフェイク検出」Reality Defender
カテゴリ:SaaS/サイバーセキュリティ
ラウンド:Series A-II ($18M)
主な投資家:Illuminate Financial Management, Accenture Ventures, Booz Allen Ventures, DCVC, IBM Ventures, Partnership Fund for New York City, The Jeffries Family Office, Y Combinator
企業や政府向けのディープフェイク検出プラットフォーム。
AIを使用して生成されたディープフェイクなどの有害コンテンツ(画像・動画・音声・テキスト)をリアルタイムに検知・分析し、拡散を防止するプラットフォームを開発するサイバーセキュリティスタートアップ。詐欺防止や選挙妨害などの撲滅を目指し、これまでに何百万ものディープフェイクを検出したり、高度な音声詐欺をリアルタイムで防止しているという。Y Combinatorが主催する2022年冬のバッチにも参加した注目スタートアップ。
2021年創業、本社はニューヨーク。Illuminate Financial Management等から今回調達した$18Mは、金融分野への事業拡大に活用する予定。
2.「在庫管理ロボット」Simbe Robotics
カテゴリ:HW/リテールテック
ラウンド:Series C ($50M)
主な投資家:Goldman Sachs, Eclipse Ventures, Valo Ventures
小売店舗向けの在庫管理ロボット。
コンピュータービジョン、AI、ロボット工学を駆使した小売店舗の在庫管理ロボットを開発するリテールテックスタートアップ。同社が開発する「Tally」と呼ばれるロボットは、店内を巡回して商品棚をスキャンし、リアルタイムの在庫状況を把握・分析するだけでなく、棚に陳列された商品の表示価格の間違いや配置ミスなども検知して教えてくれる。また、ネットスーパーで注文された商品を従業員がピックアップする最適なルートを提示する機能も提供する。
本社はサンフランシスコ。Goldman Sachs等から今回調達した$50Mは、チームおよびサービスの拡大に活用する予定。
3.「大学進学・就職活動支援ツール」SchooLinks
カテゴリ:SaaS/エドテック
ラウンド:Series B ($80M)
主な投資家:Susquehanna Growth Equity, American Society of Anesthesiologists, Strada Holdings, The Stephens Group
大学進学の準備および就職活動の支援プラットフォーム。
幼稚園児から高校生まで(K12)を対象に、大学への進学準備や就職活動を支援するプラットフォームを開発するエドテックスタートアップ。大学を検索して適切な進学先を検討したり、出願書類の準備を一元管理できる。また、カウンセラーやキャリアアドバイザー、保護者と連携して出願戦略を立てることも可能。現在、40州でサービスを展開している。創業者のKatie Fangは「Forbes Under 30」にも選出された注目の起業家。
2014年創業、本社はテキサス州オースティン。Susquehanna Growth Equity等から今回調達した$80Mは、サービスの拡大に活用する予定。
4.「自動運転ヤードトラック」Outrider
カテゴリ:SaaS/物流
ラウンド:Series D ($62M)
主な投資家:Koch Disruptive Technologies, New Enterprise Associates, 8VC, ARK Invest, B37 Ventures, FM Capital, GOOSE Capital, Interwoven Ventures, Lineage Ventures, NVentures, Presidio Ventures, Prologis Ventures, Service Provider Capital
ヤードトラック向けの自動運転システムの開発。
物流ヤード内でコンテナを駐車スペースから積み込み場所へ移動したり、トレーラーの連結作業などのヤード業務を自動化してくれるシステムを開発する物流テックスタートアップ。電気ヤードトラックに搭載し、遠隔でコントロール可能なクラウドベースのシステムを提供。障害物を監視したり、危険を自動で察知して回避することで、作業員が危険にさらされるリスクを最小限に抑えることが可能。NVIDIAのCVC「NVentures」も出資する注目スタートアップ。
2017年創業、本社はコロラド州ブライトン。Koch Disruptive Technologies等から今回調達した$62Mは、新製品の開発に活用する予定。
5.「太陽光パネル設置マネジメント」Aether
カテゴリ:SaaS/太陽光パネル
ラウンド:Seed VC ($2.5M)
主な投資家:noa, Amino Capital, Climate Capital, Collaborative Fund, Y Combinator
太陽光パネル設置のためのオールインワンプラットフォーム。
住宅に太陽光パネルを設置する事業者向けに、設計から販売、支払までの一連の業務を管理できるプラットフォームを開発。住所を入力するだけで、数分でAIが必要となる屋根の工事や太陽光パネルの配置場所、電気配線のレイアウトなどの設計業務を自動化してくれる。オペレーションを効率化することで導入費用を大幅に削減できるという。Y Combinatorが主催する2024年冬のバッチにも参加した注目スタートアップ。
2023年創業、本社はサンフランシスコ。noa等から今回調達した$2.5Mは、サービスエリアの拡大に活用する予定。